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舞台用語を覚えよう!

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元舞台俳優の経験を生かし、舞台で使われる言葉(舞台用語)を私見満載で解説しています。舞台人なら知らないと恥ずかしいことから、知っていると一目置かれる(?)ことまで。観劇がメインの… もっと読む
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記事一覧

「化粧前」って何?【舞台用語を覚えよう⑨】

こんにちは。 北村毅(きたむらたけし)です。 舞台用語をほぼ主観(?)で説明していく 【舞台用語を覚えよう】シリーズ 今日のテーマは「化粧前」です。 「化粧前(けしょうまえ)」というのは、メイクアップや身支度を整えるための鏡台で、劇場などにある楽屋での俳優個人のスペースを言います。 「スッピン」のことではありません。笑 『北村くんの化粧前めっちゃ散らかってない?』 というのは、 鏡の前にモノが散乱しているという意味であって、 「北村くんの素の顔面が散らかっている」わけ

「マチネ・ソワレ」って何?【舞台用語を覚えよう⑧】

こんにちは。 北村毅(きたむらたけし)です。 舞台用語をほぼ主観(?)で説明していく 【舞台用語を覚えよう】シリーズ 今日のテーマは「マチネ・ソワレ」です。 舞台興行の中でも、特にミュージカル公演ではよく使われる「マチネ」「ソワレ」という言葉。 バレエやオペラなどでは聞きますが、 ストレートプレイなど「お芝居」を専門にやってらっしゃる方などはあまり使わない印象ですね。 さて、この「マチネ」と「ソワレ」 語源はフランス語で、 「マチネ(matinée)=午前・朝」 「

「ダメ出し」って何?【舞台用語を覚えよう⑦】

こんにちは。 北村毅(きたむらたけし)です。 舞台用語をほぼ主観(?)で説明していく 【舞台用語を覚えよう】シリーズ 今日のテーマは「ダメ出し」です。 「ダメ出し」というのは、 舞台やテレビの世界で主に演出家などが役者やスタッフに対し、修正点や検討すべき点、演出上の要望などを伝えることを意味する言葉です。 この「ダメ出し」 より良い作品を創るため、そして演出意図をメンバー全体で共有するためにも非常に重要な作業です。 バラエティ番組などでタレントが使い始めたことがきっ

「ト書き」って何?【舞台用語を覚えよう⑥】

【舞台用語を覚えよう】シリーズ 今日のテーマは「ト書き」です。 「ト書き」というのは、戯曲(台本)の中で、「台詞(セリフ)以外の文章」を差す演劇用語です。 本読みのときなどに「ごめん北村くん、ト書き読んでもらっていい?」とか言われるアレです。 「ト書き」は登場人物の動作や行動、出入り、時代や場所・背景の指定や、舞台装置・照明効果の説明などが書かれた文章で、 実際の舞台本番でこの文章が音声として読み上げられることはありません。 一般的には、台詞より段落を下げて書かれて

「ゲネプロ」って何?【舞台用語を覚えよう⑤】

こんにちは。 北村毅(きたむらたけし)です。 今日は「舞台用語を覚えよう」シリーズ第5段! 【「ゲネプロ」って何?】です。 ゲネプロ… 本番が近くなってくると聞くようになるこの言葉。 「今回は小屋入ってから時間カツカツやし、ゲネプロできるかわからんわー」 「ゲネプロは絶対にやりたいんで、スタンバイは早め早めにお願いしますねー」 みたいな使われ方でしょうか。 この言葉は、 舞台公演初日や本番の直前に、衣装・メイク・音響・照明など、 全て本番と同じ条件で行われる「最終通し

「尺貫法」って何?【舞台用語を覚えよう④】

【舞台用語を覚えよう!】シリーズ 今日のテーマは「尺貫法」です!! 「あそこの劇場は間口8間(けん)あったよね?」 「今回の会場は奥が2間(けん)ないぐらいなんで、フォーメーションを変えて対応します。」 みたいな使い方をしますね。 尺貫法(しゃっかんほう)というのは、中国が起源とされる長さや面積、重さ、体積などの単位系の一つで 701年の大宝律令で日本の尺度として定められた長い歴史のあるものです。 「尺」は「長さ」の単位、 「貫」は「質量(重さ)」の基本単位となります

どうして一日中「おはようございます」と挨拶するの?【舞台用語を覚えよう③】

今日の「舞台用語を覚えよう!」は どうして一日中「おはようございます」と挨拶するの? です。 ミュージカルやダンス業界に限らず、社会に出ると遭遇する、 朝でもないのに「おはようございます」という挨拶。 生徒たちから 「もう朝じゃないよー。こんばんはでしょー。」 などとツッコまれ、どう返したらいいか困った経験はありませんか? 大人の皆さんは、 「知らないうちにそういう習慣が当たり前になっていた…」 という方も多いのではないでしょうか? そもそも「おはようございます」って

「面」「奥」って何?【舞台用語を覚えよう②】

今日は「舞台用語を覚えよう!」シリーズ第2弾! 【「面・奥」って何?】です 「面」はメンではなく「ツラ」と読みます。 第1段の「上手・下手」が舞台の左右を表したのに対し、 「面・奥」は舞台の前後を表します。 英語圏では 舞台面を「Down Stage(ダウンステージ)」 舞台奥を「Up Stage(アップステージ)」といいます。 これは、ヨーロッパ諸国の舞台は八百屋舞台といわれる 「舞台奥を高くして傾斜をつけた舞台」が主流だったことに由来します。 客席側が傾斜の下な

「上手」「下手」って何?【舞台用語を覚えよう①】

こんにちは。北村です。 今日は「舞台用語を学ぼう!」ということで、 舞台で使われる専門用語についてお話します。 最初の舞台用語は【上手】と【下手】 【じょうず】【へた】ではなく 【かみて】【しもて】と読みます。 これは、舞台(ステージ)の左右を区別する言葉です。 客席から舞台を見て、右側が上手、左側が下手。 ステージから客席側を見て、左側が上手、右側が下手になります。 慣れないうちは 「あれ?どっちが上手だっけ??」 と混乱してしまうこともありますよね。 舞台のお