マガジンのカバー画像

「デジタル看護入門」看護のDXに必要な100のポイント

22
数年前から、「看護教育のDX」を研究テーマとして活動している筆者が、できるだけわかりやすく「看護とICT」について解説していきます。実際の看護学校で活用できるようなさらにポイント… もっと読む
運営しているクリエイター

#ICT

「デジタル看護入門」第五回 〜進化しない医療ICT?〜

 看護師さんの身近な通信技術として「ナースコール」があります。もはや当たり前すぎて「ナースコールがICT?」と感じる看護師さんも多いかと思いますが、ほとんどの病院で、中央配管のあたりから有線でつながれ、ベッド柵に巻き付いたナースコールが主流かと思います。大学の近くの1000床ほどの大病院でも同じく有線です。このスマホの時代になぜ有線という旧式のままで進化が遅いのでしょうか? もちろんナースコールも機能が向上しており、ワイヤレスのものや、テレビ電話のように映像付きで患者さん

「デジタル看護入門」「離島の保健師をやってみた」合同テーマ 番外編① 〜実際に離島で経験した医療✖️ICT その1〜

 今回は、私が沖縄県の離島で保健師をしていた時に、実際に現場で経験した医療ICTをご紹介します。少し前の話になりますが、ユビキタス特区という特別な枠組みで、企業と自治体が協同して、医療ICTを活用した特定保健指導の実証実験が行われました。保健師として、このプロジェクトの中心メンバーとして、事業に参加させていただきました。  実証実験が行われた座間味村は、沖縄本島の那覇から南西へ約40kmの位置に存在する慶良間諸島にあります。座間味島・阿嘉島・慶留間島の3つの有人島を含む、大

「デジタル看護入門」第2回テーマ「ICT」アレルギーの特効薬は?

「ICT」と聞いて、みなさんはまず、何を思い浮かべるでしょうか。「IT」とか「ICT」という言葉に、すでにアレルギー反応が出現している看護師さんや看護学生さんも多いことでしょう。じつは学生さんに教える側の、看護学校の先生方のほうがもしかしたら、「ICT」アレルギーを持つ人が多いかもしれません。 「コンピュータは難しい!」「機械は何がなんだかさっぱりわからない!」という「ICT」アレルギー反応のある看護師さんや看護学生さん、そしてコロナ禍ということもあり、オンライン授業を手探

「デジタル看護入門」第1回テーマ「ナイチンゲールとICT」

 いきなりナイチンゲールかよ!とびっくりしたかと思いますが、じつは、あの有名なナイチンゲールは、現代看護の基礎を提唱しただけでなく、統計学の先駆者としても有名なのです。ナイチンゲールが統計学を活用した目的は、病院での療養環境の改善のためでした。  ナイチンゲールは、患者をとりまく環境のあらゆるもの、たとえば病室の明るさや温度、空気の換気の程度などの情報を細かく分析しました。つまり、ナイチンゲールは統計学という情報を整頓する技術を活用して、医療改革を行っていったのです。ちなみ