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離島の保健師をやってみた!「島で学んだ100のこと」

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10年前に沖縄の離島で保健師をしていました。沖縄で、しかも離島で、さらに保健師として暮らした約2年間の日々を振り返ります。100回で連載終了の予定です。
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#私の仕事

「離島で保健師をやってみた」第14回 〜はじめての沖縄本島〜 その1

 働きはじめて1週間ほどたったあと、課長さんから「沖縄本島の県庁や保健所に挨拶に行きましょう」といわれ、島に着いてから、はじめて島を出ることになりました。  この島の船は朝と夕方の2便だけで、朝の便だと沖縄本島につくのは11時頃です。夕方の便は沖縄本島発が16時頃です。つまり、朝10時より前の会議や行事がある場合、朝の船では間に合わないので、前日の夕方に出発します。夕方16時以降までかかる会議などの場合も、その日に島に帰れませんので、翌日に朝に帰ることになります。  です

「離島で保健師をやってみた」第12回 〜はじめて離島に着いたときのエピソード2〜

 保健師としての採用は6月からでした。数日前の5月下旬に島に到着しましたので、実際に働き始めるまで、数日、時間がありました。その間、島を見学したり、身の回りを整えたりしていました。  着いた日からの2〜3日は、すごく精神的に追いつめられた日々を過ごしました。島に着いた日の夜、ものすごい孤独感におそわれました。離島の船は、基本的に夜は運行しません。夜は船がでなくて、離島に取り残される感覚が激しく自分を襲い、不安と恐怖でいっぱいでした。少しずつその感覚は慣れていきましたが、キュ

「デジタル看護入門」「離島の保健師をやってみた」合同テーマ 番外編② 〜実際に離島で経験した医療✖️ICT その2〜

 座間味村におけるこのプロジェクトは、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防のために2008年4月から国民健康保険対象者に義務化された特定健診および特定保健指導において、保健指導対象者へのより効果的なかかわりに着目したものです。  特定健診を受診され、「積極的支援」や「動機付け支援」に階層化された対象者には、生活習慣を振り返り、生活習慣の改善に導くための保健指導が必要となります。「積極的支援」や「動機付け支援」の対象者に対し、手軽に日々のバイタルサインのデータを測定・デ

「離島の保健師をやってみた」第五回 〜離島から戻ってきた〜

 私が離島で保健師をしていたという話をすると、「で、どうして離島から戻ってきたの?」という質問もよくあります。せっかく苦労して離島まで行って保健師を頑張っていたのに、なぜわざわざ帰ってきたのか…、これも、普通の常識で考えると、おおよそ想定外なのでしょう。私自身もやっぱり想定外でした(笑)。  島に行くまえは、「もうこのまま島で一生暮らしていこう」と大きな決断をしていきましたが、なかなかどうして、人生うまくいかないものです。いや、現在の私は、島から戻ることができたから、いま自