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離島の保健師をやってみた!「島で学んだ100のこと」

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10年前に沖縄の離島で保健師をしていました。沖縄で、しかも離島で、さらに保健師として暮らした約2年間の日々を振り返ります。100回で連載終了の予定です。
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#就活体験記

「離島で保健師をやってみた」第13回 〜離島に着いたときのエピソード3〜

 島に着いて、道行く人たちから「?」という顔でよく見られました。島には、観光客がたくさんきますが、島の人間とそうでない人たちはすぐに見分けがつくようです。観光客でもないし、島の人間でもなさそうな私は、なじむまで時間がかかりました。保健師という職業柄、顔を売っておかないといろいろと不便もあるので、積極的に島を散策したり、行事に参加する必要がありました。もともと人見知りがちな私は、そういった島の住民の方と打ち解けるまでの努力はわりとたいへんでした。  実際に保健師として働き始め

「離島で保健師をやってみた」第12回 〜はじめて離島に着いたときのエピソード2〜

 保健師としての採用は6月からでした。数日前の5月下旬に島に到着しましたので、実際に働き始めるまで、数日、時間がありました。その間、島を見学したり、身の回りを整えたりしていました。  着いた日からの2〜3日は、すごく精神的に追いつめられた日々を過ごしました。島に着いた日の夜、ものすごい孤独感におそわれました。離島の船は、基本的に夜は運行しません。夜は船がでなくて、離島に取り残される感覚が激しく自分を襲い、不安と恐怖でいっぱいでした。少しずつその感覚は慣れていきましたが、キュ

「離島で保健師をやってみた」第11回 〜はじめて島に着いたときのエピソード1〜

 今回は、離島の保健師として採用が決定して、はじめて島に着いた日の話をします。  沖縄の小さな離島には、まず行くまでがたいへんです。朝一番で東京を出発し、電車→飛行機→モノレール→タクシー→船とあらゆる乗り物を経て、夕方に目的地の島に無事に着きました。バタバタとあわただしい1日でしたので、無事に着いた瞬間は、本当にホッとしました。  島に着いたら、採用時にお世話になった、役場の住民課の課長さんと非常勤の保健師さんが、船着き場で待っていてくださいました。今でもそのときの情景

「離島の保健師をやってみた」   第4回 〜離島に行くまでの話〜

 私が離島の話をすると、「どうして離島なんかに行ったの?」という質問がよくあります。普通の認識で考えると、離島で暮らすということは、おおよそ想定外なのでしょうか。たしかに私自身も実際に離島で暮らしてみるまでは、人生の想定外でしたね。(笑)  当時、わたしは33歳で保健師を志望していました。市町村の保健師(公務員)の採用には年齢制限があります。30歳以上の場合、多くの市町村での保健師の採用試験の受験資格がありませんでした。そこで、ダメ元でいろいろと調べていき、年齢制限のない市