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離島の保健師をやってみた!「島で学んだ100のこと」

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10年前に沖縄の離島で保健師をしていました。沖縄で、しかも離島で、さらに保健師として暮らした約2年間の日々を振り返ります。100回で連載終了の予定です。
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#振り返りnote

「離島の保健師をやってみた」第16回 〜離島の食生活!〜

 島にはいくつかスーパーもあり、観光客や地元民向けの居酒屋系のお店が数店あります。スーパーでは食材からパンやお弁当などまでひと通り揃っていますので、普通に自炊は可能です。ただ、暑さや湿度がありますので、食品類はすぐに傷んでしまいます。ですので、昼ごはんなどはお店系で済ませることが多かったですね。夜も疲れていたら外食系でした。  まず、朝ご飯は、おおよそ昨晩のおかずなどの残り+炊飯したお米あるいはパンです。お米は、やはりあまりもたない、そして炊飯したお米もすぐに傷みますので、

「離島で保健師をやってみた」第11回 〜はじめて島に着いたときのエピソード1〜

 今回は、離島の保健師として採用が決定して、はじめて島に着いた日の話をします。  沖縄の小さな離島には、まず行くまでがたいへんです。朝一番で東京を出発し、電車→飛行機→モノレール→タクシー→船とあらゆる乗り物を経て、夕方に目的地の島に無事に着きました。バタバタとあわただしい1日でしたので、無事に着いた瞬間は、本当にホッとしました。  島に着いたら、採用時にお世話になった、役場の住民課の課長さんと非常勤の保健師さんが、船着き場で待っていてくださいました。今でもそのときの情景

「デジタル看護入門」「離島の保健師をやってみた」合同テーマ 番外編② 〜実際に離島で経験した医療✖️ICT その2〜

 座間味村におけるこのプロジェクトは、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防のために2008年4月から国民健康保険対象者に義務化された特定健診および特定保健指導において、保健指導対象者へのより効果的なかかわりに着目したものです。  特定健診を受診され、「積極的支援」や「動機付け支援」に階層化された対象者には、生活習慣を振り返り、生活習慣の改善に導くための保健指導が必要となります。「積極的支援」や「動機付け支援」の対象者に対し、手軽に日々のバイタルサインのデータを測定・デ

「離島の保健師をやってみた」第五回 〜離島から戻ってきた〜

 私が離島で保健師をしていたという話をすると、「で、どうして離島から戻ってきたの?」という質問もよくあります。せっかく苦労して離島まで行って保健師を頑張っていたのに、なぜわざわざ帰ってきたのか…、これも、普通の常識で考えると、おおよそ想定外なのでしょう。私自身もやっぱり想定外でした(笑)。  島に行くまえは、「もうこのまま島で一生暮らしていこう」と大きな決断をしていきましたが、なかなかどうして、人生うまくいかないものです。いや、現在の私は、島から戻ることができたから、いま自

「離島で保健師をやってみた」   第1回 〜沖縄の離島医療について〜

 沖縄の小さな離島の村で保健師として従事した公衆衛生活動をマジメに、そして、離島の一住民として生き抜いた激動のサバイバル生活をおもしろおかしく、ご紹介したいと思います。  私が保健師として、そしてその島の住民のひとりとして、お世話になった離島は、沖縄県の本島に近い、「座間味村」という離島の村です。沖縄本島から高速船で約1時間ほどのところにある島です。人口は約800人で、村そのものもいくつかの島に分かれており、離島の離島を抱えている自治体となります。ちなみにこの村は、第2次世