見出し画像

【一人で勝手に旅気分】336

(過去の旅についての振り返りです)
★信仰と観光は異なる世界線であることが感じられた瞬間(2019年年4月19日)

【記事累積:1964本目、連続投稿:897日目】
<探究対象…ラオス、ルアンパバーン、仏教寺院、拝観料>

今日の「ナゼ・ナゾ」は、ラオス・ルアンパバーンの写真です。この写真を撮影したのは、ラオス第1期のラオス正月(ピーマイラオ)に関連して授業がお休みになっていたときでした。さて、どんなところが「ナゼ(疑問を持った)・ナゾ(気になった)・アンテナ」に反応したのでしょうか。

ラオスのこと自体よく分かっていないにもかかわらず、ラオスに住み始めてすぐに訪れたルアンパバーンでは、町が世界遺産なのだから気になったものは片っ端から記録に残しておこうという感じでした。そしてガイドブックやネットでルアンパバーンを調べると、すぐにヒットする場所は最低限おさえておきたいということで、有名な寺院も欠かさずに回りました。

ルアンパバーンで有名な寺院というと最初に「ワット・シェントーン」があがると思います。この寺院は1560年頃に建立されていて、当時この辺りは「黄金の都」という意味を持つ「シェントーン」という名で呼ばれていたのです。そのため、かつての名を持つ「ワット・シェントーン」はルアンパバーンの象徴的な寺院と言っても構わないと思います。

今日の写真に写っているのは、その「ワット・シェントーン」の写真です。私がここに注目した理由は何であるのか推察してみると、ここを含めいくつかの寺院は拝観料が必要なのですが、それが20000Kipで、ついこの前訪れたときの拝観料と変わらなかったからだと思います。

普通に考えたら拝観料が変わらないということはそれほど不思議なことではありませんが、ラオスに住み始めた頃と現在ではラオス通貨のKip(キープ)は信じられないくらい弱くなっているのに、拝観料の値上げが行われていないことに驚いたわけです。以前に家の近くのカフェで売っているアイスアメリカーノの値段が、2019年初めと現在で2倍くらい違うという記事を投稿したことがあります。4年前と現在では、色々なものの表示価格が大きな数字になってなっています。

そのようにKipが弱くなりインフレが続いているにもかかわらず、拝観料は2019年も現在も同じ20000Kipのため、数字が同じだとしても、Kip安のため例えば米ドルなどで換算すると20000Kipの価値は変わっていることが分かります。2019年5月頃のレートだと20000Kip=2.31ドルですが、現在(2024年3月初め)のレートだと20000Kip=0.96ドルなのです。これでは同じように20000Kipを受け取っていても、かつてならば2.31ドルの価値があったものが、現在は0.96ドルの価値になっていることになるので、かつてと同じだけ価値を受け取りたいと思えば少なくともKip表示の数字を2倍にする必要あるわけです。

今回の「ナゼ・ナゾ」は、現在のKip安でも変わらない「ワット・シェントーン」の拝観料の写真でした。ここまで考察してきた話は、あくまでも観光という視点でお店などの経営を考えると、Kip安に対応して表示される数字を大きくしなければ採算がとれないというものです。しかし仏教寺院の拝観料というものは、そもそも経営だとか採算をとるとかといったような捉え方と横並びではないものです。それを同じように考えること自体、仏教寺院で修行に取り組んでいる僧侶の方々にも、上座部仏教とともに生きている在家の方々にも失礼だと思います。

観光は経営・経済・採算などと繋がっていて、これはいわば「モノ」とか「カネ」という世界線にあるものです。これに対して信仰や宗教というものは精神と繋がっているものであり、「ココロ」という世界線にあるものと言えます。とはいえ、実体二元論(心身二元論、物心二元論)を唱えたデカルト自身もこの二つの世界が全く繋がりを持たないとは言い切らず、松果体(松果腺)で繋がっていると考えていたので、この二つの世界が完全独立ではないとは思います。しかし二つは限られた場所において繋がるだけで、活発な双方向の関係にはないと思っています。

そのためKip安による商品価格の値上げに、観光地の様々なものが連動して値上がりしているとしても、拝観料は同じように変動するわけではないわけです。ただ全く無関係ではないのかなと思ったのは、「ワット・シェントーン」の近くにある「ワット・マイ」の拝観料は以前だと10000Kipであったところ、現在は20000Kipになっていたからです。このように拝観料が常に不動とはいえませんが、それでもほとんどの寺院の拝観料は変わっていなかったので、やはり観光と信仰は異なる世界線にあるといえると考えています。

#この街がすき #旅のフォトアルバム
#探究    #探究学習
#ラオス   #ルアンパバーン

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?