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【一人で勝手に旅気分】338

(過去の旅についての振り返りです)
★軍手に開いた穴は、物質的には喪失感、しかし精神的には充実感(2019年年7月7日)

【記事累積:1977本目、連続投稿:910日目】
<探究対象…ネパール、ボランティア、軍手、やりがい>

今日の「ナゼ・ナゾ」は、ネパールの写真です。この写真を撮影したのは、ラオス第1期で夏休みが始まったばかりの頃でした。さて、どんなところが「ナゼ(疑問を持った)・ナゾ(気になった)・アンテナ」に反応したのでしょうか。

ラオス第1期のときは、教員1年目に非常勤講師をしたとき以来の15年ぶり2度目となる非フルタイムの教員生活で、当時は空き時間があることをポジティブに捉えることはできていませんでした。フルタイムだったときは単に物理的に忙しくなっているだけではあるものの、それによって余計なことを考えなくてすんでいて、それが安心材料になっていたのだと思います。しかしラオス第1期は授業日が週3日で非フルタイムになったことにより、教員スキルが落ちてしまうのではないかとか、頑張る・粘る気持ちが弱くなってしまうのではないかとか、勤め始めて1カ月ほど経った頃にはとにかくそんな焦りのようなものが私を支配していました。

そのため、教員としてのスキルとか経験などにプラスになることを、とにかく増やさねばならないという思いに駆られて、国際ボランティアキャンプに申し込んだのでした。そうして7月はネパール、10月はインドでボランティア活動に参加したわけです。

今日の写真に写っているのは、カトマンズのホテルで撮影した軍手です。私がここに注目した理由は何であるのか推察してみると、それまでも軍手というものは使ったことはありましたが、ここまで使い切った経験がなかったからだと思います。1週間くらいの活動を終え、ヒマラヤの山村からジープに揺られてカトマンズのホテルに着きました。ホテルに着いて荷物を整理していると、所々穴が開いた軍手が出てきました。初日から最終日までスコップを持ったり、砂利をかき分けたりと酷使され、しだいに穴が開いてきたのです。最終日にはほとんどの指先に穴が開いていました。

なかなかハードな土木作業に自分と一緒に向き合ってくれた相棒だったので、愛着すら感じていました。そのためそのボロボロの姿を見て、軍手としての役割はおそらくもう果たせないと感じ、軍手という物質的な領域では「喪失感」がありました。しかしそれと同時に、不思議と「充実感」もあったのです。確かに、ハードな作業によって軍手がボロボロになり、もはや使い物にならないというのは悲しいことではありますが、真剣に取り組まなければそこまでボロボロになることはなく、それは私が一生懸命にボランティア活動に打ち込んだ証でもあったわけです。その結果、ボロボロの軍手には「喪失感と充実感」という一見すると反対の感情が同居していたのです。

今回の「ナゼ・ナゾ」は、カトマンズのホテルでボランティアのことをしみじみと思い出すきっかけとなったボロボロの軍手の写真でした。当時はそうして非フルタイムの不安とか焦りを、とにかく新たな活動を追加するという「量的なアクション」で乗り切ったわけです。ボランティア活動それ自体に学びがありましたが、社会科教員として地理を教えるときは、ネパール・インドという土地・気候・文化などの話をする場面で、歴史を教えるときは、仏教成立の流れやインドの古代国家の変遷の話をする場面で、公民を教えるときは、路上販売の様子やゴミ問題などの話をする場面で、色々なネタが出せるようになったのは何物にも代えがたい経験にもなりました。

しかし今思うと、「質的なアクション」でも様々なチャレンジは可能だったと思います。実際、ラオス第2期の現在は、当時のように国際ボランティアキャンプへの参加など見た目にも分かりやすい活動はしていませんが、授業をどのように組み立てるかについて試行錯誤することの中で、数多くのチャレンジができていて、自分の授業スキルに大きなプラスになっています。

そう考えると量と質の問題は一方だけが優れているというものではなく、両方を上手く組み合わせることで効果を高めることができるものだと思います。今年度は主に「質的なアクション」を突き詰めることで多くの発見がありましたが、国際ボランティアキャンプの刺激が欲しくなってきているのも正直なところです。今後は何とかスケジュール調整をして「量的なアクション」もできたらいいなと思います。

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