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ちょっと失礼なジェントルマン!!!

 数年前にスポーツジムに通(かよ)っていたころ、ここのジムには面白エピソードが、わんさかある。ちょっとずつ小出しに・・・
 スポーツジムには大きく分けて3種類の人達がいるように思う。ストイックにひたすら、黙々と独自の筋トレメニューをこなしムキムキの身体をつくりあげるタイプと、ジムのメニューにしたがって健康維持の為トレーナーと時々会話を楽しみながら週3で通っているタイプと今回の話の主役達のように、おしゃべり70%,ダラダラ筋トレ25%,真剣に運動5%くらいの割合で、だいたい同世代の気が合う仲間達の憩いの場として利用しているタイプに分かれる。
 先ほど述べた今回の主役達だが、男性4名、女性1名の六十代のグループでその日の彼らのジャージの色がバラバラで、まるで戦隊ヒーローもののように私の目に映った。
 『おしゃべり戦隊!ショロウレンジャー』と命名させていただいたこのグループのある一幕である。
 緑色のコスチュームのスキンヘッドで口髭をたくわえた❮グリーンはげひげモンキー❯の一言から寸劇が始まった。❮ピンクカリコリスネーク❯に「ピンクさん今日もばっちり決まってんなぁ。」とおべんちゃらを言うと、「かわいいやろ。若い男の人も結構いてはるし、大胆に露出してみてん。」と何とも面白い返答だったので、しばらくそばにいた。ずんぐりムックリの❮イエローダンゴムシ❯が私の左後ろで呟いた。「誰が見んねんな?そんなもん。」多分、私しか聞こえてない。向こう側には会話にも参加しない、かといって運動もせず、ただマシンにもたれて、ニヤニヤしている❮ブラックデンチギレアンドロイド❯がいるが、役割がわからない!
 一見賢そうな、唯一標準語の❮ブルーダンディーフォックス❯がピンクに向かって、私も気になっていたことをストレートにセクハラと言われても仕方ないようなことを言い始めた。「ピンクさんよく見たら、ワキ毛はえっぱなしだね!けっこうボーボーだね!」と砲撃を放った。「どこ見てんねんな、あんたはホンマに失礼な人やなぁ!」と化粧で白かった顔に真っ赤が加わり、ちょうどイイ感じのピンク顔になっていた。
 面白い一幕だったがヒーローものといえば赤・・・、赤がいないと思ったその時、鏡に自分の姿が映ったのを見て、「赤や、赤や、、、」 私は彼らの仲間ではない、けっしてそうではない。離れたところからみれば、私がリーダーのヒーローものになっているかと想像すると恥ずかしくなり、急いでその場から離れた。


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