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2月13日活動報告

テクテクチクリンが竹のデッキを作っている竹林は1年前に美濃加茂市の事業として整備が行われた場所なのですが、その時に伐採された竹があちこちに山のように集積されていて、視界を遮ったり行く手を阻んだりしていました。この日はその集積されていた竹をみんなで運び出し破砕機にかけるという、今までになく大変な作業となりました。

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集積された竹は長いうえに枝があちこちから飛び出して枝同士で絡みつき、引っ張り出すのも一苦労です。そのうえ斜面上にある竹を斜面下にある破砕機まで運ばないといけないので、十数人の参加者でバケツリレーのようにして次々と運び出していきました。午前中からお昼を挟んで3時間半ほど作業をして、デッキへ上がる入口付近とデッキの周りに積まれていた竹だけを何とか破砕機にかけることができました。竹林内にはまだたくさんの集積された竹がありますが、全部破砕をかけようと思うとあと何日作業をしないといけないのだろうという感じです。

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これらの集積された竹は一年前はすべてここに生えていたものなので、かなりの過密状態だったのだろうと思います。これも長年手入れされずに放置された結果ということです。竹は毎年生えてくるので何年か手入れを怠るとすぐに過密状態になってしまいます。そして窮屈になった竹は周りに広がって生えていこうとします。最近各地の里山で竹林が広がっているのはそうやって増えていったものです。かつては所有する山の一角に生やし、タケノコを採ったり日用道具や家の材料として定期的に伐採し、本数を一定に保つように管理していました。今ではそのように利用することが減ったために竹は増える一方になり、厄介者扱いをされることが多くなってしまいました。

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ただ、見方を変えると毎年一定量生えてくるサスティナブルな資源とも言えます。また、木のように太くならず比較的軽いので、女性でも一人で伐採、運び出しが出来てしまいます。ナタなどで簡単に割ることもできるので加工もしやすく、だからこそ昔からいろいろと利用されていたのだろうなと思います。今回のデッキづくりでも、もし同じことを木でやろうと思ったら重いだけに伐採、運搬などの材料確保だけで重労働です。重いとそれだけで作業の危険度も増します。竹はまっすぐで太さも個体ごとに大きくは変わらないので、一定の大きさの材料を揃えるのも木より簡単です。何か物を作るときの材料として利用するにはこのように利点もあります。難点といえば耐久性があまりないところですが、あえて防腐処理などに手間をかけず定期的に伐採をして作り直すことで結果的に竹林の維持管理につながります。あとはその作業をいかに楽しく行うかということではないでしょうか。

今回のデッキづくりを進める中でメンバーの知人が遊びに来て一緒に作業をしてくれることが度々ありました。みなさん普段やらない作業をとても楽しんでいました。厄介者扱いされる竹林の中でみんなが楽しそうに作業をしているその風景に、個人的にはとても感激していました。でも、きっかけさえあればやってみたいという方は他にもいるのかもしれないですね。普段入ることがない竹林に入り、普段やらない肉体労働をすることが非日常で、それ自体に価値があるのかもしれない。そんなポジティブな気持ちを持つことができました。活動を続ける中で興味を持って関わってくれる人が少しずつ増えていることはとても大きな成果だなと感じます。

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今回の破砕作業を行ったことで竹のデッキ周辺はとてもすっきりしてデッキが映えるようになり、周辺も歩きやすくなりました。破砕の結果大量にできた竹のチップは竹林内に撒いて道を作りたいなと考えています。他にも、「ここに階段をつけたいね」「ロープを張ったら面白いかも」など、もっとこうしたいというアイデアがいろいろ出ています。そういうアイデアをみんなで楽しく作業しながら少しずつ形にしていけたら良いなと思います。

テクテクチクリンの活動はデッキを作ることが目的ではありません。この竹林空間を楽しくて魅力的な空間にし、楽しいから行きたい場所にすることが目的です。そうやって人が入ることで竹林の維持管理に繋げたいと思っています。竹林を含む里山はそれぞれ個人の所有の土地ですが、地域の共有財産でもあると思います。地域にあった鬱蒼とした竹林がきちんと整備され管理されれば暮らしやすい地域づくりに繋がるはずだし、竹林自体が地域の魅力にもなり得ます。

ただ、あまり難しいことを考えず、無理はせず、こんなことをやってみたいということを楽しみながら活動を続けていければ良いなと思います。これまでたくさんの労力がかかってここまでキレイになった竹林です。かつての鬱蒼とした竹林に戻さず、子どもでも安心して散策したり遊んだりできる竹林として残していければ良いなと思います。

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ということで、テクテクチクリンの活動はまだ続きます。デッキの完成に合わせてメンバー以外の方にも竹林を楽しんでいただける企画を計画中なので、乞うご期待です。


(やまじ)



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