見出し画像

「ありのままの私」を届けることで誰かの「ありのまま」の人生を肯定したい

家業を継いだときのことや、家族や育児、夫との関係について、取材を受けることがあります。先日もそんな機会があったのですが、過去を振り返りながら、私って実はめっちゃ悪い奴で、夫はとても気の毒な人なのではないか、とふと思ったんです。

子どもを産んで母親になっても、やりたいことはやりたい!!と会社経営も家事育児も夫の協力を今まで以上に強化して、自分は何も変わらず、全力で新しい世界に突っ走っていく私。
わがままな妻につきあって、子どもを育てながら全面的に妻をサポートし、「かよちゃんはそのままでいいんだよ」と常に大人な対応を取る夫。

え、改めてこれだけ書いたら私めっちゃ悪い奴やん、夫はすごい聖人君子やん。

子どもをあやしながら仕事をこなす、かよこ全面サポートな夫

そして同時に、「こんな私の姿に対して、世の中の人は共感するのだろうか」とも思ったのです。
世の中の大多数の人は、多少なりとも何かを犠牲にしながら、限られた条件の中で自分にできることに向き合っている。対して、私は夫や周囲の人も巻き込みながらやりたいことに向かって全力で突っ走っていく。

もちろん、私も家事育児は全力でやっているし、私と夫の関係性もこの側面だけが全てではありません(言い訳ではない)
そうだとしても、こんな生き方共感できねぇよ!という人もいるだろうし、私の周りですら、こんな奴に関わるのはまっぴらごめんだ!と思う人だっているだろうな…と。

これまで、自分について発信していくときは、世の中の人々にどう見られているかをすごく気にしてきたし、メディアや世の中に期待される姿やストーリーを話してきました。

若くして祖父の代から続く会社に3代目として入り、苦労を重ねながらも信頼できる仲間に出会い、育児も両立しながら頑張って成功した女性社長。

これはそういう切り取り方をして発信された私の姿です。もちろん、今までいろんなメディアで語った言葉たちも決して嘘でありません。
ただ、自分の性格上、期待に応えようとしすぎるあまり、時に背伸びをした言葉を選んでしまうこともあり…そうして出来上がった完璧な人物像が独り歩きをはじめ、行き過ぎたときに、「果たして本当の私は何者やったっけ?」と思うこともありました。

それでも、多くの人々に受け入れられることが、会社に興味を持っていただけるきっかけにもなっていたので、世の中から期待される姿を発信することが私の役割でした。


テレビの取材を受けているかよこ(2019年ごろ)

でも、こうしてある程度製品を認知いただいた今、改めて「私らしい暮らし」を届ける企業として何ができるかを考えたとき、私の次の役割は、「ありのままの私を伝えていくこと」ではないかと思っています。

もちろん、理想の姿からは外れていくかもしれないし、否定的に捉えられることもあるかもしれません。

でも、私が私らしく、ありのまま生きていく姿を見せることで、「それでいいんだよ」と、誰かの人生もまた、肯定することができるのではないかとも思うのです。

「私らしさ」は十人十色。人それぞれなありのままの「私らしさ」を伝え、肯定しあうことで、やがて「私らしい暮らし」を世界へ届けることにつながっていく。

私は、そう思っています。

ちなみに、冒頭の「私悪い奴夫気の毒説」について、少し気になって夫にどう思うか聞いてみました。

「そういう側面もあるかもしれない。でも、僕の最優先事項は何よりも家族だから、僕はそれを受け入れてるよ。かよちゃんや子どもが自立していったら、そのあと僕は僕のやりたいことを考えるよ。」

夫はありのままでも、どうやらスゲー人らしい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?