論文紹介 なぜ19世紀に中国は衰退し、日本は台頭したのかをシミュレーションで説明する
19世紀の東アジアの歴史を調べると、それまで地域の覇権を握っていた中国の勢力が急激に低下し、それに代わって日本が軍事的、経済的に台頭したことが分かります。中国を統治していた清でも政治的近代化の試みは見られますが、それは日本で江戸幕府を打倒した明治政府の近代化の速さに及ぶものではなく、日清戦争(1894~1895)で清は日本に敗れました。
この歴史が政治学の研究者にとって興味深いのは、中国と日本のいずれの地域においても、国内の圧力、欧米列強の出現という国外の脅威によって近代化