”農業全書”を読みました

 ずっと気になっていた宮崎安貞の「農業全書」をついに読みましたのでその旨ご報告させていただきます

 農業全書の復刻版は岩波と農文協からでていますが、私は農文協版を川崎市立中原図書館から借りてよみました

日本農書全集 第12巻 農業全書 巻1~巻5 https://calil.jp/book/4540770519
日本農書全集 第13巻 農業全書 巻6~巻11https://calil.jp/book/454078031X

 これまで江戸時代の耕作の How To 本、というぐらいの認識でいたのですが、それにとどまらず農業経営、農村経営に関わるような記述がどんどんでてきます。どうも、How To 本というよりも、農家、農村をよくしていく実践的な知識の事例集、という印象をうけます

 書いてある事は、例えば施肥にかんするような事は今日の肥料の知識に鑑みても「なるほどな」と納得するような話のほかに、なにか不思議な話、例えばあんずの良く育つ歳は野菜の◯◯もよく育つみたいな「なんで?」と思うような記述も多く、このあたり、単なる迷信と切り捨てるのではなく実際にデータの相関とかみてみるとなにか新しい知見がひらける(もしくは本書の記載がエンピリカルに否定される)ことになるのかもしれないなと思いました

 「魚の養殖池に亀を入れておくと池の主になるので、大雨とかで池があふれても魚が逃げない」というのはもう、亀が主になるってどういうこと???魚に「こら、逃げるな」とか指揮監督するの???という感じでそもそも何をいっているのかも理解できなかったりするのですが、このあたりの感覚の違いは元禄の時代の常識や感性と現代のそれとのズレでしかたがないのかもしれません。しかし、池の魚に中間管理職してる🐢を想像するとなんかかわいい

 まあ、ずっと気になっていた本だったので読めてよかったです

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