【3000億円買収のペイディCEOが語る「成功するスタートアップの条件」】
ペイディが3000億円で買収された理由
➔ 出典元に注目した点
🔴 ペイディは未上場企業だったが、日本の株式市場でIPO(新規株式公開)せず、PayPalに3000億円で買収されたこと
🔴 BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター = 今買って、後で支払う)とクレジットカードはどう違うのか
ペイディ代表取締役兼CEO杉江陸さんへのインタビュー
🔷 Paidy代表取締役社長兼CEOの杉江陸さんへのインタビュー(Business Insider Feb.18,2022,11:10AM 西山 里緒さん[編集部])の概要をお伝えします。
BNPL(後払い決済)がこれほど成長した理由について
・BNPLは“無金利の分割払い”を指す。
・無金利の分割払いがあるからこそ、今まで迷って買わなかった人が買うことにつながる。
・欧米ではBNPLの市場が拡大した結果、借りすぎや貸し倒れが社会問題となっている。日本でも同様な問題が発生する心配はないのか
・消費者金融の「レイク」を運営する会社をしていた経歴があり、多くの消費者がなぜお金を借りるのかはよく理解している。
・住宅ローンなどを除いて、消費者金融やカードキャッシングなどでお金を借りる人の8割から9割は、生活費の補填のためにお金を借りている。
・BNPLでは、明確に買うものが決まっている。
海外と日本では、規制の枠組みが違う
・海外のBNPL事業者とペイディとは設計から違う。前者では、分割払いサービスを使う場合には銀行口座かクレジットカードを登録しないといけない。後者では、銀行口座やクレジットカードを登録しなくてもペイディの与信審査に通れば、分割払いが可能。ペイディ自身がリスクを取っている。
・我々のサービスは非常にユニークで、投資家からも日本の市場に合ったサービスだという評価を受けてきた。
杉江氏が社長として、組織づくりのために工夫したこと
・「勝ちを定義する」こと。明確に全員で定義し、そこに向かう。いかにクリアにできるのかが、チームの大事な勝負どころ。
・チームの強みは、プロダクトドリブンでもなくテックドリブンでもなく、ビジネスドリブンだというところ。
・アーリーステージのスタートアップは、大企業とは桁違いにその期待値が高い。
・(創業者で現ペイディ会長の)ラッセル氏とのエピソード
ある戦略について「これを実行したら会社が潰れるかもしれない」とラッセル氏に伝えた。
するとラッセル氏は「潰れて何が悪いの?」と。「こいつは死ぬつもりでやっているんだな」と。
・我々の望みは100人の徒競走の中で1番になることであって、長い距離をそこそこのペースで走り続け、生き残ることではない。僕がやろうとしていることは間違えていたと感じた。
「勝ちにこだわる組織」は外資系だからできる?
・「勝ちにこだわる組織」は外資系だからできる、というのは偏見だと思っている。
稲盛和夫さんの盛和塾でも長く勉強してきた。もちろんラッセル氏がかつて所属していたゴールドマン・サックスのカルチャーもすごく参考になる。コバリ・クレチマーリ・シルビア氏(ペイディCMO)が元いたNetflixのカルチャーからも勉強している。日本企業だから出来ないとは決して思わない。
経営者としてしなければならないこと
・(成功の道筋を示す)ストーリーテリングと資金調達、そしてチームの組成。これらの3つはどれが欠けてもうまくいかない。
オンボーディング(社員の受け入れ・定着のプロセス)での難しさは
・課題を与え、結果を可視化する
・課題を達成できていない場合は、できていないとはっきり言う。苦しいことは後に倒すのではなく、私とあなたは合っていないとちゃんと言う。
・うちでフィットしないというだけであって、その人がダメだというわけでは必ずしもない。場が違っただけだ。
✍ 編集後記
PayPalに3000億円で買収されるだけの理由は確かにあったと思いました。
経営トップが明確な指針を示し、ぶれない姿勢を貫いていることが分かります。
特に印象に残った言葉は「勝ちを定義する」です。
定義があやふやであったら全社員がベクトルを合わせ、目標に向かって進んでいくことはできません。「船頭多くして船山に登る」では企業は崩壊します。
日本企業で未上場企業に3000億円も出せる企業はなかったでしょう。出せても1桁少なかったと推測します。
とても刺激的な記事でした。
出典元
3000億円買収のペイディCEOが語る「成功するスタートアップの条件」
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