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堀 紘一 名言集 『コンサルティングとは何か』(14)





堀 紘一 名言集 『コンサルティングとは何か』(14)


『コンサルティングとは何か』
(2011年5月10日 第1版第1刷発行 PHP研究所)は、堀紘一氏が戦略コンサルティングの第一人者として、コンサルティングについて余すところなく書き綴った、優れた書籍です。

略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ(DI)創業者となり東京証券取引所に上場させました。単なる戦略コンサルタントではありません。

DIは現在電通グループ(電通G)の傘下にあり(電通GがDIの株式を219万株(20.95%)保有しています。筆頭株主です。2023年9月15日現在 SBI証券のアプリから)、堀氏は代表取締役を退任されています。

著名な経営者と「経営の本質」を議論し、獲得した知見は類まれなものです。

優れたビジネス書を数多く執筆しています。難しい言葉は極力排除し、エピソードを交え、誰にでもわかるように解説しています。

本当に優秀な人は、難しい内容を平易な言葉を用い、誰にでもわかるように説明できる人です。堀紘一氏はまさにそんな人です。

*<>は堀紘一氏の書籍で、このコーナーで紹介した書籍の中の名言の通し番号です。1冊の中の通し番号ではありません。



¶ 社員全員と会って話をしなくても、企業の経営状況を把握することはできるし、会社を変えていくこともできる。時間的制約がある中で、必要最小限の人と会い、情報を集め、仮説を検証し、最終的にトップと戦略を決めていくのがコンサルタントに求められていることだ

「限られた人から話を聞いただけで、その会社のことがわかるものなのか?」
 という反論をいただくことがある。そういう人には逆に聞いてみたい。
「じゃあ、大企業の経営者は社員すべてと話しているのか?」
 そもそも、社員全員と直接会って話をしないと経営ができないというのであれば、社員が数千人も一万人以上もいるような大企業の経営自体が成り立たないではないか。「全社員が納得する経営」というようなことを謳っている企業もあるが、あれは方便に過ぎない。社員全員の納得を求めていたら、迅速な意思決定はできなくなる。そして何も変えられず、時代の変化に取り残されていくだけだ。
 実際、社員全員と会って話をしなくても、企業の経営状況を把握することはできるし、会社を変えていくこともできる。時間的制約がある中で、必要最小限の人と会い、情報を集め、仮説を検証し、最終的にトップと戦略を決めていくのがコンサルタントに求められていることだ。   

『コンサルティングとは何か』 
堀 紘一の名言1<199>
 


¶ 限られた時間内で最大限の情報を引き出すために必要なことは何か。それは、何よりも事前準備である。具体的には、「何が問題か」という「仮説」を立てておくことだ

 限られた時間内で最大限の情報を引き出すために必要なことは何か。それは、何よりも事前準備である。具体的には、「何が問題か」という「仮説」を立てておくことだ
「おたくの会社が今厳しい状態である理由は何だと思いますか?」
 などという漠然とした質問で、本質的な答えを引き出すことなど不可能だ。別に正しかろうと正しくなかろうと構わないので、まずは仮説を立てておく。
 するとまず、「この仮説を検証するには、誰と誰に話を聞けばいいか」が見えてくる。
 つまり、がむしゃらに話を聞くのではなく、誰に話を聞くべきかという絞り込みができる。これだけでずいぶん、時間の短縮になる。  

『コンサルティングとは何か』 
堀 紘一の名言2<200> 


¶ 「私はこう考えているのですが、いかがですか?」
といったように仮説をぶつけることで、それに反対であっても賛成であっても、相手の意見をより多く引き出すことができるのだ

 インタビューの場面でも、
「私はこう考えているのですが、いかがですか?」
 といったように仮説をぶつけることで、それに反対であっても賛成であっても、相手の意見をより多く引き出すことができるのだ

 そうして得られた情報を元に、また仮説を立て、インタビューをする。この繰り返しである。そうして、徐々に真の問題が明らかになってくる。  

    『コンサルティングとは何か』 
堀 紘一の名言3<201> 


¶ 情報は手に入らないのが当たり前。どう工夫して情報に仕立て上げるかの問題である。逆にすぐに入ってくるような情報は疑うべきである

 若手コンサルタントがたまに「情報が手に入らない」などと言ったりしているが、そんな甘ったれたことを言うようではコンサルタント失格だ。情報は手に入らないのが当たり前。どう工夫して情報に仕立て上げるかの問題である。そして、それを考えるのがコンサルティングの醍醐味だと私は思うのだ。
 逆にすぐに入ってくるような情報は疑うべきである。実際、社内の権力争いなどによって、偽情報がリークされるなどということは、大企業の世界にはよくあることなのだ。  

    『コンサルティングとは何か』 
堀 紘一の名言4<202> 


✔ 出典元

『コンサルティングとは何か』
2011年5月10日 第1版第1刷発行 PHP研究所


✍ 編集後記

🔶  『コンサルティングとは何か』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。堀紘一氏が執筆したすべての書籍の底流に流れているのは、まさに「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に異なります。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かを突き詰める姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。
劇的な変化にも必ず「予兆」はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

「まだ若いし時間があるからまだいいや」とか「高齢だからもう勉強はしなくていい」という考え方は改めた方が良いです。

勉強は一生を通じて行なうことです。もちろん、読書だけが勉強ではありません。いろいろなことを経験することも勉強です。
失敗から学ぶことはたくさんあります。失敗は経験したからです。チャレンジしたから失敗したのです。失敗したくなければ何もしないことです。
しかし、それでは何事もなしえません。

書籍は手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。
自分で「ここは重要だな」と思った個所に色鉛筆で線を引くとか、付箋を貼るとかしておけば、後で読み返した時、「当時はこんな個所に着目したのだな」と思い出すことができます。

逆に、見落としていた個所や、当時は重要と思っていなかった事柄が実は重要なポイントだったと気づくこともあります。

「この本は良書だ」と思ったらその本を何度も読み返すことが重要です。
一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。

「韋編三絶」という言葉がありますね。
私がnoteに「名言集」を投稿する際には、ごく一部を切り取って紹介するのではなく、関連した前後もできるだけ紹介するようにしています。
その理由はその言葉はどのような文脈で発せられたのかが重要だと考えているからです。

そして、投稿する際に、堀紘一氏をはじめ、数多の著名な人物の書籍を再読する機会を得ることが、私にとってかけがえのないことだと考えています。

なぜなら、最初に読んだ当時と、年を取ってから再読した時を比較すると、「気づき=重要な点」が異なると思ったことが何度もあったからです。

速読ですぐに読めてしまうような本は中身が薄いと思っています。

例えば、哲学書が速読で理解できますか? 専門書をパラパラとめくっただけですぐに理解でき、頭に入りますか? 私にはできません。

じっくり考えながら読まなければ、理解のための手がかりさえ見つけることはできないでしょう。

つまり、速読できる本とできない本があると考えています。


🔷「限られた時間内で最大限の情報を引き出すために必要なことは何か。それは、何よりも事前準備である」

限られた時間内で最大限の情報を引き出すために必要なことは何か。それは、何よりも事前準備である。具体的には、「何が問題か」という「仮説」を立てておくことだ。
別に正しかろうと正しくなかろうと構わないので、まずは仮説を立てておく。するとまず、「この仮説を検証するには、誰と誰に話を聞けばいいか」が見えてくる。 

「事前準備」は何をするにしても最初にすべきことです。準備を碌にしないで物事を始めると失敗したり、慌てたり、無駄に時間を浪費したりします。

ただむやみにスタートすればよいというものではありません。方向性が間違っていたら問題の本質が掴めず、解決には至りません。原点に戻らなくてはならないことになります。

イチローさんが試合前にウォーミングアップを十分にして試合に臨んだことは有名な話ですね。ルーティーンは大切なことです。ある種のこだわりは人によって異なりますが、自分なりのこだわりは確立すべきだと思います。

身体を動かし、頭もフルに回転させるには、事前準備が不可欠なのです。


(5,545文字)


⭐参考データ

戦略系コンサルティングファーム一覧【日系・外資系 厳選25社】


1 マッキンゼー・アンド・カンパニー出身者で著名な人物は、大前研一氏
2 ボストン・コンサルティング・グループ出身者で著名な人物は、堀紘一氏
9 ドリームインキュベータの創業者は、堀紘一氏



経営コンサルタントの費用相場と料金体系

上記ウェブサイトによれば、以下のようなポイントがあるそうです。
<2019年05月10日(金)>

1 主に3つの契約形態 
 ・顧問契約型
 月に1~2回程度の訪問で月額20万円~50万円程度
 ・時間契約型 1時間あたり5000円~10万円
 ・成果報酬型 内容によりばらつきがあるため、一概には言えません。
2 契約費用の2つの変動要素
 ・経営コンサルタントの経験・実績

 ・会社の規模
3 顧問契約期間
 ・年間契約(1年~)
 ・短期契約(4~6か月)
 ・スポット契約(1か月)

4 経営コンサルタントの選び方 5つのポイント
 ・経営改善の実績が豊富な実力あるコンサルタントか
 ・自社が掲げる経営ビジョンをしっかり理解し、実現のためのアイデアを
  提供してくれるコンサルタントか
 ・現状のキャッシュフローを的確に整理し、将来予想されるキャッシュフ
  ローの把握もしたうえで、的確な経営助言ができるコンサルタントか
 ・ひざを突き合わせて、親身に相談に応じてくれるコンサルタントか
 ・目先の利益を優先せず、中長期的な視点に立ってアドバイスしてくれる
  コンサルタントか

自明のことですが、経営コンサルタントも人間ですから、自社との相性も考慮する必要があるでしょう。


🔶「はじめに」にこんなエピソードが記されていました。

 私は、ハーバード在学中の二年間、それこそ毎日休みなく勉強に励んだ。その努力が、ハーバード三〇〇年の歴史の中で、日本人初の金バッジの栄誉へとつながったかと思うと、感慨もひとしおだった。
 ちなみに、ベイカー・スカラーの名は、ハーバードに多額の寄付をしているベイカー氏への謝意を表している。図書館もベイカー・ライブラリーと呼ばれている。東大に多額の寄付をした安田財閥の名を取って、安田講堂と呼ばれているようなものだ。
 晩餐会のさなか、私は二年前に言われたビショップ教授の言葉を噛み締めるように思い出していた。教授は、私をからかったわけでも何でもなかった。「君は最高の学問をしている」という言葉の意味が、「何が問題か」を定義することがビジネスの世界では最も重要な問題であるということが、今の私にははっきりとわかる。そして、教授を訪ねたまさにあのとき、私は深い学びの場にいたということも……。

 『コンサルティングとは何か』堀紘一 
pp. 6-7 

✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役会長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業後、読売新聞経済部を経て、1973年から三菱商事に勤務。

ハーバード・ビジネススクールでMBA with High Distinction (Baker Scholar)を取得後、ボストンコンサルティンググループで国内外の一流企業の経営戦略策定を支援する。
1989年より同社代表取締役社長。
2000年6月、ベンチャー企業の支援・コンサルティングを行なうドリームインキュベータを設立、代表取締役社長に就任。
同社を2005年9月、東証1部(現・東証プライム:注 藤巻隆)に上場させる。
2006年6月、同社会長に就任。
主な著者に、『世界連鎖恐慌の犯人』(PHP研究所)、『突破力』『「真のリーダー」になる条件』(以上、PHPビジネス新書)、『人と違うことをやれ!』『30代から大きく伸びる人の勉強法』(以上、PHP文庫)、『一流の人は空気を読まない』(角川 one テーマ21)、『新版 リーダーシップの本質』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『「心の時代」の企業革新』『21世紀の企業システム』(以上、朝日文庫)、『一番いいのはサラリーマン』(扶桑社文庫)など多数。
(『コンサルティングとは何か』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



⭐出典元: 『コンサルティングとは何か』



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