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究極の「自分ブランド力強化法」 第16回

究極の「自分ブランド力強化法」 第16回

「自分ブランド力」強化のためのノウハウ(2)

「自分ブランド力」とは、「自分ブランド」や「パーソナル・ブランディング」などとほぼ同じ概念です。

一言で言えば、自分を、他人と差別化するための能力です。
「尖った」ところを身に付けるために、自分を磨いていくプロセスが重要になります。

これで終わりということはありません。半永久に続けていくことが大切になります。

「◯◯と言ったら、▢▢▢▢」と言われるようになったら本物ですね。

「超一流の経営コンサルタントと言ったら、大前研一」

「セブンプレミアムと言ったら、セブン-イレブン」

「高級アイスクリームと言ったらハーゲンダッツ」

などなどいろいろありますね。

しばらく前の話になりますが、伊勢丹新宿店で、「カリスマバイヤー」と呼ばれた藤巻幸夫ふじまきゆきおさんは、業界人の間で有名なだけでなく、新聞や雑誌にしばしば取り上げられ、その個性的な風貌や、一味違う発言で世間一般に知られていました。

参議院議員でもありました。著書も多数あります。

究極の「自分ブランド力」を身にまとっていた人です。
残念ながら、2014年3月15日に亡くなりました。54歳という若さでした。

私は、苗字が同じということもあり、幸夫さんの著作だけでなく、お兄さんの健史たけしさんの著作もよく読みました。

幸夫さんはファッション業界でつとに著名で方で、一方、健史さんは元米モルガン銀行東京支店長に在任中、債券・為替・株式トレーダーとして名を
馳せ、「東京にフジマキあり」と言われた伝説の方です。 

健史さんも参議院議員です。金融のプロフェッショナルで、金融に関する著書が多数あります。


  


藤巻幸夫 氏(左) と 藤巻健史 氏(右)

藤巻幸夫さんの画像は こちらのWikipedia  から
藤巻健史さんの画像は こちらのWikipedia から
藤巻兄弟の画像は こちらのWikipedia から


藤巻幸夫さんは、自分ブランド力に関する本を書いています。

『自分ブランドの教科書』
(藤巻幸夫 インデックス・コミュニケーションズ
 2007年12月31日 第1刷発行)


この本に基づいて、藤巻幸夫さんが説く、「自分の磨き方」を一緒に学んでいきましょう!

この本は6つの CHAPTER と、 LAST LESSON で構成されています。


目次

CHAPTER 01 自分ブランドとは?
CHAPTER 02 自分マーケティングをしよう
CHAPTER 03 「武器」を鍛える
CHAPTER 04 「センス」を磨く
CHAPTER 05 「表現力」を高める
CHAPTER 06 自分ブランドを進化させる
LAST LESSON さらなる自分ブランドを求めるあなたへ

今回は、CHAPTER 02 自分マーケティングをしようをご紹介していきます。

さて、藤巻幸夫さんは、『自分ブランドの教科書』の「本書を手にとったあなたへ」というメッセージの中で、「自分ブランド」を定義しています。

まず、そこからスタートしましょう。
定義が明確になっていないと、読者によって解釈が大きく異なってしまいます。

定義は極めて重要です。
本は、著者と読者の知的対決です。同じ土俵(統一した定義)でなければ、
議論が噛み合いません。

自分ブランドとは、あなた自身のブランドのこと。

「あなた」をほかの誰でもない「あなた」にしているもののことだ。

『自分ブランドの教科書』 藤巻幸夫  p.6             


とても分かりやすい定義ですね。
one of them ではなくて、個人としてのあなたの存在を明確にできること、存在理由(レーゾン・デートル)と言い換えても良いと思います。

最近では、存在理由を表す言葉としてパーパス(purpose)が使われることがあります。


CHAPTER 02 自分マーケティングをしよう

1 自分を知ろう 

まず、自分を知ることから始めましょう、というのが、今回のテーマです。

自分を知るためには、メタ認知(もう一人の人間を想定し、その人間から見た自分を考える)、言い換えると、客観視することが必要になります

自分の「強み」や「弱み」をきちんと把握して、その土台をもとに、どんなブランドを形づくるかを考えていくのだ。

ともかく「場数」を踏むことからはじめてほしい。

少なくとも仕事に就いて3年間は、“一心不乱”に与えられた仕事に取り組んでみる。

多くの場数を踏むことを意識して、仕事からプライベートまで、数年間はがむしゃらに「動いて」ほしい。

間違っても、何もしないうちから「これは苦手だ、これは合わない」などと決めつけないこと!

頭で考えるだけで何がわかるというのか! 場数を踏んで、体感すること。

それが自分を知るための第一歩になる。

『自分ブランドの教科書』 藤巻幸夫  p.24             


SWOT分析という言葉を聞いたことがあるでしょう。
経営戦略に関する本に、たいがい出てきます。

S Strengths     強み
W Weaknesses    弱み
O Opportunities   機会
T Threats      脅威
 

自分(自社)の強み、弱みを知り、異業種の領域へ参入する機会があるかどうかを検討し、異業種から自領域へ参入される脅威はあるかどうか、を分析することです。

これは基本中の基本です。企業に限らず、個人においてもSWOT分析を活用すると効果があるでしょう。

そこで、幸夫さんは、「自分を知る」からスタートしました。
とにかく「場数を踏む」、経験しないことには始まらない、と説いています。


2 「強み」をつかむ 

強みが認識できたら、「強み」をがっちりつかんで、強化していくことが、肝心です。

「好き」と感じるもの、それこそがあなたの強みになる。

ここで言う「好き」とは、頭で考えた「好き」ではなく、体感してつかんだ「好き」だ。

「あ、こういうのが好きだな」と感じられた行為や、かかわった分野。
それがあなたにとって強みの“種”となる。

無我夢中にのめりこめばのめりこむほど、それがいずれ、あなたの揺るぎない強みとなりブランドを形づくる武器となる。

『自分ブランドの教科書』 藤巻幸夫  p.26             


「好きこそものの上手なれ」ということです。
自分が好きなことであれば、他人がどんなに反対しようがやり抜こうとしますね。

その考え方を大切にしましょう!

「下手の横好き」という言葉もありますが...…(苦笑)


3 「弱み」をつかむ

「強み」の次は、「弱み」です。
誰にでも、強みもあれば、弱みもあります。

考え方にもよりますが、強みをさらに強化し、弱みを補って余りあるくらいになれれば、一流と言えます。

自分の強みとなるものが見えてきたら、それと「対となる弱み」をあぶり出す。

自分ブランドに“まず”欠かせないのは誰にも負けない武器であり、そのために自分の強みを重点的に知ることは大切だ。

だが、予言しておこう。あなたのブランドが成長すればするほどに、弱みとも絶対に無関係ではいられなくなる。

一つの分野を極めること、一芸に秀でることはすばらしいことだ。だが、自分ブランドとは「一発しかない人」のことではない。

弱みの分野についても、きちんと知り、より自分を理解するということ。

そんな微妙なバランス感覚をもつことも、自分を知りブランドを築くうえでは非常に大切なことになる。

『自分ブランドの教科書』 藤巻幸夫  p.28             



自分の弱みを理解し、克服しようとする姿勢は大切です。ですが、私は弱みに重点を置くよりも、強みに重点を置き、抜きん出る実力者になるほうがよい、と考えます。



4 他人の声を聞く 

メタ認知について簡単に触れましたが、自分を客観視できるようになるには、人生経験が欠かせない、と思っています。

もう一人の自分を認識することは、二重人格に近いものかもしれません。
自分と、相反するもう一人の自分を認識することで、客観性が養われていきます。

精神的に子供のままの人は、年齢を問わず、メタ認知を理解できません。
メタ認知を身につけると、自分との葛藤に打ち克つことが可能になる、と考えています。

他人との関係ではなく、自分との闘いで、安易な妥協をしなくなります。

メタ認知ができなければ、信頼できる人物に自分の評価を聞いてみることです。率直に、客観的に批評してもらうことは、あなたの成長にプラスになることでしょう。

たとえ、気に触ることを述べたとしても、素直に聞く度量が必要です。


実力も、人を見る目も信頼できるメンターに、自分のことを聞いてみることだ。

誰かから学ぼうとしていれば、必ずや一人はメンターがいるはずだ。

まずはくだらないプライドを捨てること! 

冷静な目をもつ信頼できる人がいることは、自分ブランドを育てていくうえで、一生涯にわたる財産になる。

『自分ブランドの教科書』 藤巻幸夫  p.30             


私が考えたメタ認知を身につける方法は、小説の主人公になりきるのではなく、ナレーターになって主人公の行動や心理を心の中で語ることです。

試しにやってみると、理解できると思います。
自分を見つめる、もう一人の自分の存在を認めるのです。



5 ギャップを埋める

理想像と、現状の自分を比べる際にも、メタ認識は有効です。
過去の自分と比べて、現在の自分は成長しているのか、何か身についたことはあるのか、を考えるのです。

そして、今度は、現在の自分と、未来の自分を比較してみるのです。
1年後にはこうなっていたい、5年後には何かを身につけていたい、精神的に成長していたいでも良いと思います。

大切なことは、他人と比較するのではなく、あくまで過去の自分と現在の自分、現在の自分と未来の自分を比較することです。

「こんな強みでこんなブランド人になりたいなら、あんな知識やこんな場慣れも必要だ」などと、イメージをどんどん広げて足りないものを洗い出す。

次いで、1年を4シーズンに分けるなどして、その短いスパンのなかで学ぶべきこと、達成すべきことに思いをめぐらそう。

このときに大切なことは、それを手帳にこまめに書き出すことだ。

目に見える形にすることで気持ちもグッと乗ってくる。

『自分ブランドの教科書』 藤巻幸夫  p.32             


第2回はいかがでしたか?

「記憶」に頼らず、「記録」を大切にすること――。
私は、この考え方を重要視しています。

人間の記憶はあやふやだからです。
思い出すことにエレルギーを使うよりも、手帳(他のものでも構いません)に記録しておけば、いつでも確認することができます。そのことで記憶を定着させることも可能になります。

何と言っても、初期の段階で間違って記憶していたら、馬鹿げていますからね。

まだ、序盤ですから、少しずつ、藤巻幸夫さんの考え方を理解するように努めていきましょう!


次回は、

CHAPTER 03 「武器」を鍛える


をご紹介します。


この記事は、8年前にアメブロに投稿しました(2015-06-14 19:35:21)。
当時の自分がどんな事に関心を持ち、投稿したのかを確認しました。
その上で、大切なことだと再認識し、部分的に加筆修正し、再投稿しました。


➳ 編集後記

この記事を読み返してみて、興味深い点を指摘していたのだな、と思いました。「こんなことも書いていたんだ!」と驚いた個所もありました。

アパレル業界で名を馳せた藤巻幸夫(幸大とも表記したことも)さんと、金融業界で「トウキョウにフジマキあり!」と言われた藤巻健史さんのご兄弟。

健史さんは幸夫さんより10歳年上でした。健史さんは1950年6月3日生まれで、幸夫さんは1960年1月5日生まれ。

実はご両人は異母兄弟でした。ですが、とても仲が良かったそうです。

幸夫さんは健史さんのファッションアドバイザーでもありました。

やはり一つのことを成し遂げた人の言葉は心に響きます。
とても説得力があります。

自分の「強み」や「弱み」をきちんと把握して、その土台をもとに、どんなブランドを形づくるかを考えていくのだ。

無我夢中にのめりこめばのめりこむほど、それがいずれ、あなたの揺るぎない強みとなりブランドを形づくる武器となる。

一つの分野を極めること、一芸に秀でることはすばらしいことだ。だが、自分ブランドとは「一発しかない人」のことではない。

実力も、人を見る目も信頼できるメンターに、自分のことを聞いてみることだ。

大切なことは、それを手帳にこまめに書き出すことだ。



⭐プロフィール


⭐参考文献


⭐回想録


⭐マガジン (2023.04.05現在)




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