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大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(23)

『ロウアーミドルの衝撃』(23)

「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。

しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。

派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。

そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』(発売日 ‏ : ‎ 2006/1/26です。

現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
 
 

ボーダーレス経済の中で生きていくためには、日本人は北欧諸国を見習い、もっと使える英語を身につけなければならない


ボーダーレス経済の中で生きていくためには、日本人は北欧諸国を見習い、もっと使える英語を身につけなければならない

日本語が世界の共通語になっているなら話は別だが今の時代はビジネスの世界はもちろん、世界のどこを旅行するにも、コンピュータを操作するにも英語が使えなければ話にならない。

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 1 〈313〉                              



北欧では、英語を教えるのではなく、数学や理科を「英語で」学ぶ。だから英語は使えるツールになるのである


日本人は学校教育で6年間も勉強していながら英語ができないという、世界でも珍しい人たちだが、それは学校で「英語」を教わっているからだ。

北欧では、英語を教えるのではなく、数学や理科を「英語で」学ぶ。だから英語は使えるツールになるのである。

やはり英語教育に力を入れている中国では、小学生たちが「とにかく、英語を喋(しゃべ)れと言われて、口角泡を飛ばしながら壁に向かってとにかくなんでもいいから喋り続けていた。

彼らも目的は「英語を身につけて、世界で稼ごう」なのである。

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 2 〈314                             
                                  
         







英語教育の考え方を根本から考え直し、「使える」英語を身につけさせなければ、世界で活躍できる人は生まれてこない


韓国でも、IMF危機以降は主要大学を中心に英語で行う講義を大幅に増やしている。

高麗大学では、6ヵ月間の海外留学をカリキュラムに組み入れているほどである。

一方、日本の生徒たちはテストのために英語を勉強するから、テストが終わるとすぐに忘れてしまう。

英語教育の考え方を根本から考え直し、「使える」英語を身につけさせなければ、世界で活躍できる人は生まれてこない。

ということは、つまり少子高齢化の日本に黙ってうずくまるしかない。日本人は今こそ世界に飛躍していかなければ、国内だけで今の繁栄を維持することはできないのだ。

これほど因果関係が明らかなのに、21世紀に活躍できる人材育成を国家の最優先課題としていないところに、今の日本の深刻な問題があると私は思っている。

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 2 〈315〉                  



➳ 編集後記

ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔷 韓国では、米国の大学院へ進学することを奨めています。

その上で、国際機関の長を目指すそうです。
国連事務総長は誰だかご存知ですか?

そうですね。潘基文(パン・ギムン)氏です。
潘基文氏の経歴は、
「ソウル大学校外交学科を卒業し、同月高等外交官試験に合格後、ハーバード大学ケネディ行政大学院に留学し、1985年4月に修了、修士号を取得した」ということです。
Wikipedia から)

去年(2013年)9月以降、パン・ギムン氏への批判(歴代国連事務総長で最悪という評価)が出ていますが、ハーバード大学ケネディ行政大学院を卒業していなければ、国連職員になることさえできなかったでしょう。

英語力が不可欠だったことは、言うまでもありません。

◎ 補注: 現在、国連事務総長(2017年~)を務めるのは、アントニオ・グテーレス氏です。同氏は、1995年から2002年までポルトガル首相を、その後の2005年6月から2015年12月にかけては国連難民高等弁務官を務めました。


🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。




⭐ 参考になるデータは下記のサイトでご確認ください。


なぜ日本の英語教育は“使えない”のか?「早期化」よりも「バランス」を


このサイトを見ると、真っ当なことを指摘していることが分かります。

最初に下記のように書いています。

言語教育の基本は、当然のことながら第一言語である国語から始まる。日本語(国語)を自在に使いこなすことができない段階で、あわてて外国語を学び始めるべきではない」

続けてこのように述べています。当たり前のことばかりですが、私たちは充分にできていないことを痛感します。していない?

日本人なら、まず日本語をしっかりマスターし、アメリカ人ならば英語をしっかりマスターしてから、第一外国語(第二言語)、第二外国語(第三言語)を学び始める。これが言語教育の基本だ」

「母語に加えて、第一外国語を学ぶときには『読む・書く・話す・聞く・文法』をバランス良く勉強しなければならない。加えて、入門段階を超えたら、学んでいる外国語の文化的背景もある程度理解する必要がある」

「日本の外国語教育のように『話す・聞く』にほとんど重きを置かないと、これもまた中途半端に勉強するだけになり『使える英語』は身に付かない」

再度次の点を強調しています。

「『読む・書く・話す・聞く・文法』のバランスが外国語教育の基本なのだ」

⭐ 出典元: ニッポンの英語教育に物申す! 第1回 ロバート・ゲラー 2020.12.15


🔶 英語学習の1つとして、Duolingoをおすすめします。
私は2020年8月に参加し、今でも継続して学習しています。
これは英語に限らず、数多の言語を学ぶことができるアプリです。

日本人のための英語教育に限定したものではなく、外国人が日本語を学ぶためのアプリでもあります。

英語がネイティブでない人に向けた英語学習アプリで、学習の進捗度によってポイントが獲得でき、世界中の人たちと競争するのです。

ネイティブスピーカーが自然なスピードで英語を話しますので、リスニング力を強化できます。文章を正しく発音する問題も多数あります。

ネイティブスピーカーが使う「生きた英語」が学べます。

楽しみながら英語学習ができます。

リーグ制を採用し、獲得ポイント多い順にランキングされます。降格ゾーンが設定されています。1週間単位で集計します。

ダイヤモンドリーグ(最上級)の場合、26位以下になると黒曜石リーグに降格されます。

一旦降格しても、その後奮闘努力しポイントを獲得したら、再度昇格することができます。つまり敗者復活することができるのです。

現在は、ダイヤモンドリーグに属しますが、過去、黒曜石リーグに降格したことがあります。

Duolingo 2022.06.04


あなたも参加してみませんか?
無料で始められます。有料版もあり年間9,000円(ひと月あたり750円)です。私は最初に無料版で参加し、しばらくしてから有料版に切り替えました。


Duolingoは2021年7月28日にナスダックに上場しました。

企業としてのDuolingoについては下記のサイトをご覧ください。





大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-07-06 21:14:31)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。










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