僕が自然と五感を大切にする理由(中編)畏怖の感情
前回、僕が自然と五感を大切にする理由の一つ目を、何冊かの書籍の助けを借りながら整理してみた。
今回はその続きである。
僕が自然と五感を大切にする理由の二つ目は、意識がリセットされ拡張され、変容のきっかけとなり得るから、である。
これは、大自然を前にした時の感動や驚き、畏怖の感情である「Awe(オウ)」についてや、その効果ととれる。
カトリーン・サンドバリとサラ・ハンマルクランツ著の『Awe Effect』ではこう書かれている。
畏怖の経験による心の変化については、アニー・マーフィー・ポール著の『脳の外で考える』でも書かれている。
このように、自然界の偉大で崇高なものと対峙した時の畏怖の感情により、意識がリセットされ拡張され、変容のきっかけとなり得る。
僕の体験で言うと、新婚旅行で訪れた南アフリカで目の当たりにしたどこまでも続く大地と太陽の平等で温かなエネルギー、上を向かずとも地平線まで満天にぎっしりと埋め尽くされた星々と宇宙のはてしなさ、仕事仲間とハワイのダイヤモンドヘッドでサーフィンをした時に感じた広大な海に優しく包み込まれる感覚、波のうねりを身体全体で味わいながら感じた地球の力強さ、そしてネイティブアメリカンの儀式スウェットロッジセレモニーを受けた時の、イニィピーと呼ばれる小さなドーム状の小屋の暗闇と灼熱の熱さの中、遠のく意識で全てを委ねた太鼓のはじけるリズムと祈り。
いずれもまさに、圧倒され、息を呑み、思考が止まり、理解の外へと意識が向かい、これまで自分の理解を中心に捉えていた(囚われていた)ものが溶け出してゆく体験だった。
そして、そのような畏怖の感情を持つ体験の後にトランジションを迎えていったり、あるいはトランジションタイミングにそのような体験とめぐりあったりした。
僕は、前編で書いたバイオフィリア的な心地よい自然とは別に、この、意識がリセットされ拡張され変容のきっかけとなり得る畏怖の感情を持てる自然や体験も大切にしている。
(と、無意識で導かれてきたことに、あとから振り返り意味を見出し、なんとか理由づけをしているだけなのかもしれないが)
これまでも、自身で創造する体験プログラムに自然の大いなる力や理解を超えた壮大なものを取り入れたり、パートナーとなる人たちが創り出すそのような体験の運営に携わってきた。
そしてこれからも、僕自身が日本の世界の、まだ体験していない圧倒的な自然や壮大な体験をし続けていくことで、自分自身の新たな意識の拡張と変容を促しながら、自分の創り出す学びと対話の体験プログラムを深めていきたい。
さて、今回は中編ということで「畏怖の感情」について書いたが、次回は後編ということで、僕がこれまた大事にしている「焚き火とサウナ」についてを書いていく。
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