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めちゃくちゃ忙しいときに、それでもインプットすべきもの。/今週の、いちばん。61

出版社を辞めてから、残念だけど、本を読む量が減っている。
単純に忙しいのもあるが、それ以前に、いま何を読めばいいのか、よくわからなくなったことも原因だろう。

別にインプットの必要がなくなったわけではない。
むしろベンチャーに移り、また個人事業主として働くようになって、学ぶべきことは増えた。
以前はほとんど使わなかったパワポでセミナーや研修の資料を作ったり、事業計画(といっても超簡易版だが)を考えたり、個人事業主としての仕事のメニューを設計したり。
日々、新しいことにトライする中で、むしろ何の知識からまずインプットすべきか迷い、少々パニック状態になっている部分もある。

「今週の、いちばん。60」に出てくる著者の方に会った際、個人的にインプットについて聞いた。
「自分がこれからどうなりたいか決めないと、効果的なインプットは難しい」
なるほど、その通りだ。
そして、「自分がこれからどうなりたいか」、いまの僕にはまだうっすらとしたビジョンしかない。
だから、ますます迷ってしまう。

けれど、最近、少し開き直るようにした。
以前より、仕事の幅は広がったが、それでも僕に求められる役割の大部分は「編集」なのだ。
紙の本の編集に携わる時間は減ったけど、資料であれ、事業であれ、僕はつねに何かを「編んで」、それを整え、人様に提出する仕事をし続けている。
だから、「編集」に役立つものこそが「主食」であり、それを摂取するしかないのだと。

そう思い、先日、打ち合わせの合間に「ライゾマティクス グラフィックデザインの死角」展に行ってきた。
グラフィックデザインのプロセスを定量化しようとする試みを、どれだけ自分が理解できたか、心もとない。
それでも、これが僕がインプットし続けるべきものだという確信はある。

自分が何かを「編もう」とするときに、ヒントをくれるもの。底辺で支えてくれるもの。
「編集者」である以上、それらを自分の地肉にし、価値あるアウトプットをすることでしか、僕の道はひらけない。
そういう覚悟が、ちょっと足りなかったのかもね。

今週のいちばん、インプットをした瞬間。それは6月24日、銀座のGGGで挑戦的なデザインにふれた瞬間です。


*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です

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