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「仕入れ」をしないと、生き残れない。/今週の、いちばん。82

以前、「ビジネス書業界で長く生き残る著者」と「そうでない著者」の違いを、打ち合わせで聞かれたことがある。
両者を分ける要因は1つには絞れないだろうし、そもそも、僕にその問いに答える資格があるとも思えない。
だけど、少し考えて、「それは<仕入れ>をし続けるか、しないかの差」じゃないかとお答えした。

キツイ言い方をするが、ビジネス書の著者の中には、「新刊を出しても、中身が前の本とさほど変わらない」人もいる。
なるほど、本の核にあるおおもとの理論、ノウハウといったものは、すぐに大きく変化するものではないだろう。
しかし、どの本を読んでも、同じようなエピソードが繰り返されるのは、あまりよいこととは思えない。
新しい経験でもデータでもフレームワークでもいいのだけど、何かを「仕入れ」た形跡がないと、まるで「客の食べ残しを何食わぬ顔で出す料理店」に入ってしまったような印象を受ける。
そんなことが何回も続けば、読者も編集者も離れていくのは当然だろう。

話変わって、今週、ブックライターの方だけを対象にしたセミナーで、講師を勤めた。
「編集歴10年以上の現役編集者が教える
ブックライターが覚えておきたい書籍企画のつくり方+α」
というテーマで、書籍企画のつくり方や、編集者との付き合い方を中心にお話しした。

じつは、参加してくださった方々は、すでにライターとしての仕事をバリバリこなされている人ばかりだった。
もしかしたら、セミナー内容の一部は、普段の仕事で自然と身につけていることだったかもしれない。
それでも、彼女らは(参加者全員、女性だったのです…)、「仕入れ」のために、参加料も払って、僕の話を2時間近く聞いてくれた。
仕事でいろいろな著者を見る方々だったからこそ、「仕入れ」の重要性を感じているのかもしれない。

僕自身、セミナーをする際には必ず「仕入れ」をするようにしている。
基本の理論は同じであっても、今回のようにターゲットが変われば、構成も変わるし、新たに本を読んだりして、ブラッシュアップしていく。
また、自分自身が日々(わずかでも)成長していれば、自然と内容に変化は出るはずだと思う。

僕は個人の仕事で(いや会社員としてもか?)、「知恵」を形にしてそれに値段をつけて売っている。
もともと、頭がいいわけでもない。
新鮮で良質な材料を「仕入れ」続けない限り、生き残れないのだ。


今週のいちばん、「仕入れ」の大切さを再認識した瞬間。それは11月26日、渋谷のセミナールームで、時間に追われながらもセミナーをしていた瞬間です。


*ちょっと宣伝:個人事業のほうで、「書籍企画のつくり方」をテーマに、プチ・セミナー(喫茶店などで、数人程度で、パソコン1つでやるセミナー)をやっています。
謝礼の条件などありますが、興味ある方は滝のfacebookなどからご連絡いただければ。

*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です

*2015年分を欠かさず読みたい方は、以下のマガジンをフォローしてください。2014年分はこちらのリンクで一気読みを

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