【第55話】僕の血管はガマンしていた
看護師さんが、資料や模型を使ってポートのことを説明してくれました。僕が心配していた日常生活の行動制限について理解できた時、看護師さんが、一冊のパンフレットを見せてくれました。
その問いかけに、自分の腕を見てみました。看護師さんが「ここ」と言って指差したのは、右腕の血管。これまで、まったく気が付いていなかったのですが、少し太めの血管が1本だけ赤黒くなっているのです。
「これが、静脈炎ですね」
「負担がかかってるってことですか?」
「抗がん剤はとても強いから、細い血管を使い続けていると弱っていくんですよ」
「僕の血管はガマンしていたんですね」
(まさか、すでに症状が出ていたとは思わなかったなぁ。。。ピックだと退院時に抜かないといけないからなぁ…。やっぱりポートかな)
総合的に考えて、ポートを選びました。自分の身体も大切にしながら、僕のライフスタイルに合った形で治療を続けられると判断できたからです。
手術が終わると、いわゆる治癒となるまで体内にずっと埋め込まれたままになるポート。もしかしたら、数年になる可能性もあります。
そのため、リハビリに取り入れたい運動や趣味などを細かく確認しました。治療やリスクのことは、もちろん最優先に考えていますが、僕自身の生活の質も重視したかったのです。
まずは、主治医が外科へ手術の予約をとるところからとのこと。また手術後に、ポートのことを紹介しますね。
2024.1.14
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