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長引く問題があるなら気がついていない状況がそこにあり、あなたは見ないとその状況がずっと続く。ものには順序ってものがある編

順序を知らなかったり考えないことで、物事はうまくすすまなくなる。
順序を間違えている状態だからうまくすすんでいないのに、なんとかしようと的外れな解決策を実行に移すことでさらに訳の分からない状況が発生する。

今日夜って時間ありますか?っていきなり聞かれてもどういうつもりなのかわからないし怖いし返事できない。

聞かれた方は、それは仕事の打ち合わせなのか、怒られるのか、誘われてるのか?誘われてるんだったとしたらなぜ僕なのかってあれこれ考えてしまうことになる。

誰にでも優先順位はあるだろう。多少重要なことだったら時間空けるし、特に急ぎではない明日でもいいことだったら、早く帰ってバーベルを持ち上げて上腕二頭筋を痛めつけたい。だから、用件を先に伝えてるべき。いきなり時間を指定して時間あるか時間取れるか聞いてはいけない。用件が伝えられたならバーベルもちあげることとどちらが重要か比較して検討した上でその質問に答えられるようになる。

でおいしいロシア料理食べに行きませんかって誘ったのだが仕事で忙しいからって断られてがっかりしたというんだったらそれはまた別の順序の問題。

ロシア料理がダメならもんじゃ焼きだったらどうか?って自分一人であれこれ考えて、次もんじゃ焼きで誘ってみてまた断られるってのはマーケティング不足というか、そもそも誘った相手のことを考えていない。

だから失敗する。自分勝手にあれこれ考えるよりも前に、誘いたいんだったら誘う相手をよく知る必要があって、その人が必要としていることを見つける。その順序を間違えている。それができないのであれば、もっと無難なところからはじめるべきだ。

この本3080円なんだけど買わないかって伝えたところで売れない。
高い本だなと断られる。

金額は最後に伝えればいいこと。まず最初に伝えるべき重要なことは別にある。

「俺の歯の話」装丁がとても良くてね、しっかり作ってあるから価格は多少高め。ページ数は214ページで重さは250グラム、とかスペックを説明しても売れない。インテリアに使う洋書以外で本を量り売りすることはないから本の重量を伝えることにどんな意味があるのかよく分からない。

装丁が良いって本棚の並びの中にあると自慢して自分は読書家で文化に理解のある人間ですアピールしたい人だというわけではなくて僕はそんな俗物とは違って中南米文化の本当の意味の理解者なんですよアピールにはこのタイトルと装丁は適切かもしれない。でもそんな人は僕の想像の中にいるだけでまだ現実には見たことがない。

そもそも本を買う、しかも海外文学の中でもさらにマイナーなメキシコ文学作品を買う可能性のある人口はかなり限られている。メキシコ文学の需要はこの現代の日本にごくわずかにしか存在しないので、ほっといてもある程度売れるなんてことは起こらない。あるごく一部の熱狂的な層がかならず買ってくれるというものでもない。

なんでこの本をあなたが手に入れて読むべきなのか?をまず伝えなくてはいけない。

おれは世界一の競売人で、競り落としたマリリンモンローの歯を、とか設定と内容とかあらすじを説明するのもよくやりがち。それが買う理由になるのならいいが、なぜあなたがこれを読むべきなのかの理由にはなりにくい。

突拍子もないほら話から現実と妄想の狭間を行き来する最終的に日本語での最後のあと書きで完成する実験的な作品。小説であれなんかの動画であれ、どうやって作るか、書くかを常に模索し作り続けている人はこれ読んどいた方がいい。

うまくはないがこっちの方がまだこの本を届けたい人に伝わる。

なぜ読むべきなのかがその人が理解できたなら、1冊3080円という価格は問題にはならない。

「俺の歯の話」 これはよかった。

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