インストの魅力~BLUE GIANT公開記念~

序文

ぼっちざろっく、良かったですね。原作読んでるのでアニメ楽しみにしてましたが、アニメスタッフの気合いと愛を感じるクオリティですごく良かったです。あと楽曲が良かったですね。ちゃんとインディーズにいそうな感じで。ぼっちが超絶テクな設定も生かされてる感じも良かった。

さて、来月から公開されるBLUE GIANT。
世界一のジャズプレーヤーを目指す青年・宮本(ミヤモト) 大(ダイ)を中心とした、エキサイティングで感動的なストーリーや、音楽シーンの圧倒的表現力などで多くの読者を魅了し、“音が聞こえてくる漫画”とも評されている。(公式サイトから引用)
ジャズを題材にした漫画の映画化、しかも上原ひろみが音楽を手掛けるとなれば見ないわけには行きませんよね。予告で流れてる音楽がTHE・上原ひろみで笑いました。
ちなみに記事タイトルに公開記念なんてつけてると、あたかも以前から作品のファンだったかのようですが、映画のCMで初めて存在を知りました。普通に記事タイトルは詐欺です。反省はしてません。
というわけで、今回はちょうどいいので前から書こうと思ってたインストミュージックについてです。といっても、技術的なことは上手い下手くらいしかわからないのでふわっとした内容です。ふわふわ。あやべさん好き。

そもそもインストって歌のない器楽曲のことを指すのでクソ幅広い括りになるんですが、今回触れるのはプログレからの流れでのインスト系です。

インストって正直馴染みのない人がほとんどだと思います。特に日本は詩の文化が強いらしい(山下達郎がそんなこと言ってた)ので、歌のついてない音楽を楽しむという土壌自体あまりないのかな。
私の場合、幼少期に習っていたエレクトーン教室がインスト曲ばかり(映画のサントラなんかが多かった)だったことや、ピアノや吹奏楽をやっていた姉をずっと見て聞いていたことなどが歌無し音楽へのハードルを下げていたんじゃないかと思っています。そしてインストに興味を持った際に、適切にフュージョン&プログレの名盤を勧められる知識を持った父親がいた、というのも幸運だったと言えるでしょう。
これは私の一例ではありますが、こうして色んな条件が重ならないとなかなかインストを聴くことが日常にはならないのではないでしょうか。
ジャズやインストバンドのコンサート、ライブに行っても、まあ年齢層高いですしね。20代って1%〜5%くらい?わりと場違い感あります。

だからこそ、若いファンをもっと増やしたい!
というような高尚な目的も実はなく。音楽の好みは20代で固定されるなんて話もあるし、このnote読んで実際に興味持って好きになる人が一人でもいたら奇跡です。
なので、今回はあくまでも自分がなぜインストが好きなのかを整理して言語化してみるということが本質です。一応最後におすすめ紹介もします。

検証

どんな場面で聴くか。


→これはわりといつでも。場面問わずです。強いていうなら環境音が少ない場の方が好きかもしれない。音への依存度が高いジャンルだからこそ、音にしっかり集中できる環境でいいスピーカーやイヤホンで聴くのがいいです。
一方で、勉強や仕事中に聞くにも割と適してます。集中しやすいです。

どういうタイプの曲が好きか。


→一定水準以上のテクがあるのは大前提として。テク全振りとかよりはある程度のキャッチーなメロディがある方が好きです。4大プログレバンドの中ではPink FloydやKing CrimsonよりYESやEmerson, Lake & Palmerの方が刺さるというのも、それが理由なのかなーと。
あとは、エレクトーンやってたからか、ピアノorキーボードがメインになってるのが好きですね。あ、だからキーボードが目立つ後者2つが好きなのか。これ書いて納得出来ました。ちなみに金管も嫌いではないですけど、やはり鍵盤メインの方が刺さります。

どういう部分が好きか。


→もっとも気になるのは演奏のうまさの部分。具体的にどうすごいかは説明できるだけの力はないですが、上手い下手の聴き分けはできるので、やはりそこが真っ先に気になっている気がします。そういう点から、演奏技術が関係のない打ち込みはあまり聞かないですね。レコーディングは打ち込みだけど、ライブでは生演奏かつアレンジ入って演奏上手い、みたいなのは好きですけど。
あとは、インストは即興性も魅力の一つなので、ライブにおいて即興を入れながらも曲を成り立たせられる編曲家的?才能みたいなのもある人はめっちゃ好きです。
インストはライブこそ輝くと思ってるので、ライブ盤を好んで聴いてます。

どうやって楽しんでるか。


→そもそもとして、歌ありの音楽はどうやって楽しむのが普通なんでしょう。歌詞に共感する?歌詞の物語性を楽しむ?この辺りが一般的なんでしょうか。それとも意外とあまり歌詞は気にされてない?
私の場合は、ボーカルは楽器の一つとして聴いてる節がある気がします。ボカロに対して非常に抵抗があるんですが、理由としてはボーカルという楽器の旋律が気持ちよく流れないからなんですよね。好きな人はむしろそれがいい!ってことだと思うので、これは完全に個人の好みの問題です。
ちょっと話がそれましたが、インスト曲をどうやって楽しむかとなると、前述のテクい部分を楽しむとか、独特のリズム感でノルとかありますが。
1番の楽しみは曲から見える景色を楽しむという点かもしれません。インストにはタイトルと曲しかありません。なので、聴き手のイメージする余地が広く残されています。その曲から自分だけの世界を見ることができる、というのがインストの良さなんじゃないかと思います。

とまあ無理やり分析してきましたが、音楽に限らず、いわゆる芸術と言われるジャンルって定量的な評価が難しく各々のもつ感性の部分に依存する割合が非常に大きいので、結局は波長が合うか合わないかだと思いますけどね。BLUE GIANTで出てくる「すげー熱くて、激しいから」というフレーズが、結局はそういうことだよな~と思ったので共有しておきます。

ここからはオマケで、たくさふの好きを紹介していきます。興味が湧いたら再生してみてください。コアなファンではないので基本的に有名どころばっかりです。
序文でも書きましたがふわっとした内容です。全文末に見えない「しらんけど。」が書いてあると思って優しい目で読んで下さい。コアなファンの方は指摘とかよりも建設的に、僕にオススメを教えてください。

【プログレ】

インストのことを語るなら、プログレは避けては通れません。
プログレとはなんぞやについてはwiki読んでください。
今のジャズ・ロックやインストバンドに多大な影響を与えたのは間違いありません。
そんなプログレから、まずは私の好きなEL&PとYESを紹介。

EL&P

Emerson, Lake & Palmerは70年代のブリティッシュプログレバンド。クラシック音楽をベースにしている曲が多く、代表曲の「庶民のファンファーレ」をはじめ、3rdアルバム「展覧会の絵」はムソルグスキーの同名の組曲を抜粋アレンジしてそのまま作り上げられています。
また、キーボードトリオなのも特徴で、その楽曲からはまさか三人で出してる音とは思えない密度があるし、なにより天才キース・エマーソンのプレイは圧巻です。ある一定以上の年齢のキーボーディストの人、大体キース・エマーソンに憧れてる説はわりとあります。

Emerson, Lake & Palmer「Fanfare for the Common Man (2017 - Remaster)」
実はテレビ番組「オールスタ大感謝祭」のマラソンで流れていた曲だったりするので、聴き覚えがあるかも?

ちなみに原曲はこちら↓

同じ曲なのに全く別物ですね。クラシックをロックに落とし込み、そして完全に自分たちのものにしてしまう。これぞELPの魅力。

YES

お次はYES。ELP同様に1970年代に活躍したプログレバンドです。
代表作は「Fragile」や「Close to the Edge」。特に「Close to the Edge」はアルバム(LP)3曲構成のコンセプト・アルバムで、その後のYESやプログレに大きな影響を与えた名盤です。私も一番好きです。
YESの魅力は楽曲から伝わる世界観でしょうか。20分にも及ぶ楽曲にも関わらず全く破綻することなく曲からイメージが伝わってきます。当然テクニックも超ハイレベルで、ライブ音源聴くとおったまげます。意味わからん。ちなみにYESは詩が入っている曲が比較的多いです。まあ入っているといっても、曲の長さに対して歌ってる時間は短いですが。

代表曲である「Roundabout」はアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のEDに使用されています。ただし、アニメで使用されているのはRadio editで短く編集されたVerであり、Full Ver 6分あたりからのメチャメチャかっこいい間奏がカットされています。もったいない。

YES「Heart of the Sunrise (2008 Remaster)」
私が初めてYESに触れたのがこの曲。2011年に日産JUKEのCMにて使用されており、そこでYESを知りました。
聞いてもらえれば一発でその凄さがわかってもらえるかと思いますが、いきなりの高速ユニゾンがカッコよすぎますよね。そして緩急交えた曲展開もまた魅力的です。このライブVerがまたカッコいいんだな。必聴です。
「Close to the Edge」もぜひ。

積極的に聴いてるわけではないけど、流石にKing CrimsonとPink Floydに触れないわけにもいかないのでサラッと。

King Crimson

King Crimsonは言ってしまうとギターのロバート・フリップによるロバート・フリップのためのグループ。デビューアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」はあまりにも有名ですね。
とにかくロバート・フリップのギター演奏テクニックが半端なく、サックスとギターのユニゾンが最高にかっこいいです。
ロック史に刻まれた死ぬまでに必ず聴くべき曲と言っても過言ではないので一度しっかりフルで聴いてみてほしいですね。
ちなみに最近のライブではトリプルドラムとかやってます。フリップ爺の考えることは常人には理解できません。

ちなみにELPのL、グレッグ・レイクはELP前にKing Crimsonでボーカルとベースやってました。

Pink Floyd

誰もが一度は見たことのある、プリズムのジャケット絵で有名なPink Floyd

フロイドは個人的には結構サイケのイメージが強いですが、代表作である「The Dark Side of the Moon」や「The Wall」はかなりメッセージ性の強く、これぞコンセプト・アルバム!という内容です。アルバムからシングルカットされている曲もありますが、通しで聴いてこそ凄さがわかる作品達です。そういう意味では聴き手の想像力があまり挟まる余地がないタイプだからあまり私に刺さらないのかも。

【フュージョン】

ジャズをベースにロックやらなんやら色んなジャンルを融合させた「フュージョン」。正直私もあんまり良くはわかってないので説明しろと言われると困っちゃいますね。なんかフュージョンっぽい雰囲気って聴けば判断はつくんですけど、マジでコレは言語化できない感覚。
こちらも今につながっているジャンルなので触れておきます。
そしてそんなフュージョンといえば、「CASIOPEA」と「T-SQUARE」です。
どちらも色んなところで死ぬほど使われているので絶対一度は聴いたことがあると思います。

T-square

車好きは「truth」や「Knight Song」でT-SQUAREはご存知かと思います。個人的には「OMENS OF LOVE」とか「宝島」が好きです。

バンドとしての公式動画がないので、Omens of Loveを作曲した和泉宏隆さんのソロ演奏版を。一昨年に急逝されたのが残念でなりません。

CASIOPEA

そして「CASIOPEA」。実は私はCASIOPEAの方が好きです。私の感覚的に、CASIOPEAの方がロック色が強い気がするんですよね。リーダー野呂一生の色なんでしょうか。わかりませんが。
プログレっぽさのある(気がする)CASOPEA、代表曲は「ASAYAKE」。20th Liveのアレンジが特にオススメ。
ですが、「DOMINO LINE」や「SPACE ROAD」こそがテクさ爆発という感じでCASIOPEAを味わえる楽曲なんじゃないかと思います。

公式動画はなく、Youtube Musicのリンクしか貼れないのが残念。
CASIOPEAはとにかくLive音源がかっこいいので、ぜひLiveで聴いてほしいです。GiG25というライブアルバムが年順に1曲ずつ時系列で演奏しているので、歴史をたどりながら変化を感じられておすすめです。

【ジャパニーズインストバンド】

ここからは、今バリバリに活動してる日本のインストバンドをご紹介していきます。つまり気に入ったらライブに足を運ぶことができます。合法的にライブハウスに入れますよw
ここで取り上げるバンド、サブスクだとJAZZに分類されてますが、ストレートにJAZZって感じでもない気がします。
現代ポップスやロックの要素のある、21世紀のフュージョンみたいな。根幹はJAZZなんですけどね、難しい。JAZZ知ってる人が聴けば、私の言いたいことがわかってもらえるんじゃないかなぁ。それとも私だけの感覚なのか。うーむ。
まあ、難しいことは一旦おいといて、早速聴いていきましょう。

ADAM at

2022年のタワレコJAZZ部門で日本人1位を獲得した「ADAM at」は玉田 大悟によるプロジェクト(TAMADAを逆から読んだらADAM AT)
ADAM atはジャズバンド、という定番セリフから繰り出されるのはライブハウスで踊れるインスト楽曲たち。
メタルが好きなのか、「ケイヒデオトセ feat. Benji Webbe from SKINDRED」のように、これはインストメタルだろっていう激しい曲がある一方で、スムース・ジャズっぽくメロディが心地よい「DAYS」、青春ロック感あふれる「Your 7 Story」など、幅広い曲調をもっているのが魅力。
そしてライブハウスを大事にされており、毎年アルバムリリースツアーで全国のライブハウスを回ってくれています。ライブでは「踊れ!!!」と煽りまくりで大変盛り上がります。
そんなADAM atの代表曲は「六三四」。NHKのプロ野球中継のテーマ曲であり、これぞADAM at!といえるキラーチューンです。

好きだからいっぱい埋め込んじゃった。ちなみに公式チャンネルから全アルバム全曲聞けます(これ書いてて初めて知った)

カルメラ

関西を中心に活動する「カルメラ」は8人組のジャズバンド。楽器が多いので派手な音色とポップな曲調、関西人らしい遊び心たっぷりの聴いていて楽しいGrです。イメージ的には関西版スカパラ。
金管が入るとやっぱりわかりやすくジャズ感出ますね。
代表曲はR1のテーマ曲にも使われている「ロックンロールキャバレー」や「乾杯ブギウギ」。
サックスのつーじーこと「辻本美博」がめちゃめちゃうまいです。

PVの謎の寸劇がライブでも行われるのが関西人らしいアホさがいいですね。
残念ながら昨年末に、今年の夏で一旦活動休止するとの発表がありました。休止前最後の大阪でのライブ行きたいですね……

MIDORINOMARU

カルメラから一転、ドラムとピアノ、二人だけという構成で活動を行う「MIDORINOMARU」
前二組と比較すると比較的正統派のジャズだと思います。明るい曲が多く、聴いてると無意識に体を揺らしてしまいます。自然と体が動くのはいいジャズの証拠です。
ちなみに、ふたりとも様々なバンドのサポートメンバーとして活動も行っており技術は折り紙付き。
童謡をアレンジした楽曲が多くあり、うさぎとかめ→「U&K」や証城寺の狸囃子→「Sho-Jho-Ji」など、みんなが知ってる曲なのでとっつきやすいと思います。(昨年リリースされた「MELOW」で遂に全曲オリジナル)

童謡カバー曲シリーズ「CHACHACHA」タイトルで想像がつくんじゃないかと思いますけど、聴いてみるとえ!?こんなかんじになるの!?とびっくりすること請け合いです。

こちらはライブ音源映像ですが、二人でもちゃんとグルーブ感が出せるのが凄いですよね。こういうのでいいんだよ。

SANOVA

​堀江沙知氏によるプロジェクト、「SANOVA」
堀江さんのピアノが主役ということが楽曲の全面に押し出されています。
和製ネオジャズと自称されている通り、日本をイメージした楽曲が多く、たしかにその音楽からは日本の風景が連想されます。
こちらも正統派ジャズというよりはジャズ・ロックみたいな雰囲気が強いですが、ピアノがメインにしっかりと構えている分、また独特の雰囲気があります。

横断歩道の音がテーマとなっているこの曲、面白いですよね発想が。展開もあれあれ?っていう感じに予想を裏切ってきて、そういう面も注目です。

toconoma

wikipedia曰くジャムバンドらしい「toconoma」
確かにジャズとはまた違う雰囲気はあります。SPECIAL OTHERS(武道館ワンマンやるくらいの大御所)と同じ系統ですね。ちなみに全員社会人というえげつないバンドです。本業バンドじゃないのにコレはエグいんよ。
toconomaも風景が見えてくる系の楽曲が魅力。音に角がなくて耳あたりが優しいです。あまり人を選ばないタイプだと思います。

Billboardでのライブを収録したアルバムから私の好きなYellow Surfをチョイス。いいですよね、うまく説明できないけど。いい。

SALVALAI

3ピース構成のジャズ・ロック「SALVALAI」
結成五年と若く勢いのあるジャズバンドです。ピアノがボーカルのような旋律を奏でるのですが、注目はベース。地味ながら存在感があるという、ある種矛盾しているのですが、聴いてもらえばわかります。
構成的にはSANOVAと同じなんですが、また雰囲気が違うんですよね。違いの根源としてはソロ・プロジェクトとバンドという部分にあるのかもしれません。実はいま私が一番注目しているバンドです。

弦と金管を入れたプロジェクトのスタジオライブアルバムのフル映像です。14:40からのベースが最高にかっこいいんです!必聴!

その他おすすめ

だいぶ文字数が嵩んできてしまっている(既に7500文字)ので、ここからは曲ベースで紹介していきます。

Schroeder-Headzは渡辺シュンスケ氏のソロ・プロジェクト。佐野元春を始めとして数多く有名アーティストのサポートの他、アレンジャーやプロデューサーもやられているのでクオリティは群を抜いてます。惜しむらくはソロ活動の時間が少ないところ。アルバムまだでしょうか。

H ZETTRIOはキーボーディストH ZETT Mを中心にした3ピースバンド。
H ZETT Mは東京事変の初代キーボードで、あの有名な「群青日和」の作曲者として有名。ですが、ジャズの面から言うと解散した人気ジャズバンド「PE'Z」のうちの三人が組んだバンド、という方が正しいかもしれません。
埋込している曲は競馬好きのH ZETT Mが日本ダービーへの愛を込めて作成した楽曲。リリース当時から好きだったんですが、ウマ娘の影響で競馬を知ってから聴くと、より楽曲から鮮明なイメージが浮かぶようになり、ますます好きになりました。
ちなみにリオ・オリンピックの閉会式で流れた安倍マリオの映像、あそこで使われてるのがH ZETTRIOの楽曲だったりします。

他にも他にも、「JABBERLOOP」や「POLYPLUS」,「bohemianvoodoo」,「fox capture plan」,「The Hey Song」など、魅力的なインストバンドがたくさん日本にはあるので、万が一にもこのnoteで興味を持った方は自分のお気に入りのバンドを見つけてほしいです。

余談ですが、fox capture plan「行雲流水」ってめっちゃエロゲのOPのインスト版っぽいっていう話をどこかで誰かに話したかったんですけど今までそんな機会があるわけもないので、このタイミングで言わせていただきます

ピアノ・ソロからオケが入って盛り上がる感じとか最後転調する感じとか沿う感じません?

【上原ひろみ】

さて、最後にご紹介するのは世界的ジャズピアニスト「上原ひろみ」
そもそも詐欺タイトルとはいえ、序文で上原ひろみの名前出しておいて触れない訳にはいかないでしょう。今更語るまでもないほど超有名ですが、ざっと説明すると、ジャズの超名門校バークリー音楽大学を主席卒業し、スタンリー・クラークとの共同制作アルバムではグラミー賞を受賞。世界中で認めており、東京オリンピックの開会式でもピアノ演奏を披露しています。
そんな上原ひろみですが、とにかくうまい。コレにつきます。うますぎます。同じ人間か?というような動きをしていて、生で見ると笑っちゃうんですよね上手すぎて。ライブではガンガン即興が入るんですが、これがまた凄いんですよ。生で見る価値アリアリです。本人もホント楽しそうに弾いてるのがまたいいんですよねこれが。
楽曲については、ジャズではあるんですけど、誰が聴いてもこれは上原ひろみとわかる世界を持っていて、ジャンル:上原ひろみと言っても過言ではありません。
一方で、トラディショナルなジャズを好む層からはあまり評価されていないという話もありますが、初期のアルバムは先鋭的な楽曲が多い印象はあります。面白い話で、むしろプログレ好きからの評価が高く、そういう点で言えば彼女の楽曲はプログレッシブロックなのかもしれません。実際、影響を受けたアーティストの一つにKing Crimsonを上げているところからも、プログレ好きに好まれる所以が垣間見ることができます。
個人的にはJeff BeckのLed Bootsのカバーは本家を超えてると思ってます。こんなこと書くとBeckのファンに怒られそうですが……

上原ひろみの曲を紹介するとして何をピックアップするか、というところですべていいので困ってしまいますね。コンセプト・アルバム的な要素も多分に含んでいるのでなかなか曲単体で取り上げるのも難しい……
アルバム全部通しで聴いてほしいところですが、そうもいかないので頑張ってピックアップしてみます。

アンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスとのトリオプロジェクト期の楽曲。うまい。全員うまい。

最新アルバムの1曲目。これも章立ての曲の一曲目なので単体で取り上げるのはあまりしたくないんですが、素晴らしすぎるので選ばないわけにも行きません。
上原ひろみ自らスカウトした弦楽器四人(国内トップの人ばかり!)とのプロジェクトで、上原ひろみ初のピアノクインテットです。
コンサートにも行きましたが、ほんっとうに素晴らしい。それ以上の言葉が出てきません。コレ書いてたら通しでまた聴きたくなってきた。聴きます。

文中でも取り上げたJeff Beckのカバー「Led Boots」
比較的初期のHiromi' Sonicbloom、ギターを加えた4ピース形態の2枚目。所謂ジャズスタンダードの再構築カバー集という感じである。脇を固めるメンバーもテクニシャン揃いで、ギターはツインネックゴリゴリです。フェスでのライブ動画上がってるんで見てほしいです。

おわりに

さて、気がつけば10000字近くまで来てしまっていました。なんでこんなに文章量が多くなったんでしょう。当初こんなに文字数書くつもり無かったんですけどね。
今回は自分がなぜインストが好きなのかを自己分析することが目的だったのですが、言語化することで確かに見えてくるものがあったのでやってよかったです。
また、後半のオススメという名の自己満足コーナーでは、改めて各バンドの成り立ちや歴史、アルバムの聴き直しを行ったことで、新しい発見がたくさんあったので満足です。ここまでちゃんと全文章と全動画フルで聴いた人いるんですかね?絶対いないと思います。
もしいたら、是非感想をいただけると書いたかいがあるので嬉しくなります。もちろんそうじゃない人からのコメントもお待ちしております。
今回noteのタグから飛んでくる方もいるかもしれないので、もしそういう方で詳しい方がいましたら、こいつこのバンド好きそうだなっていうのをおすすめしていただけると幸いです。ちゃんと聴きます。

良きインストバンド、インストミュージックライフを!


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