才能って何だろう①音楽とオリジナリティ

才能って何だろう?最初から備わっているもの?努力できることも才能?それとも天才かどうかなんて結果論?

断言はできないけれど、それはオリジナリティだと思います。
そして、僕が音楽を聴くことを通して天才だと感じた3人を挙げていきます。

1.桜井和寿(Mr.ChildrenとBank Band)

ご存じ、モンスターバンド・Mr.Childrenの作詞作曲、ボーカルにしてBank Bandなどでも活躍する桜井さん。
桜井さんが凄いのは
①誰にも真似できない曲を作ること
②他人の歌をカバーすると「あれ、ミスチルのアルバムにあった曲だっけ?」となること

です!メロディメーカーとしての才能はもちろん、歌詞の天才性は群を抜いています。複雑な言い回しも好きなのですが、むしろ初期の曲「星になれたら」の

長く助走をとった方が より遠くに 飛べるって聞いた

のようなシンプルな言葉にセンスを感じます。確かに言われてみれば……なのですが、それをあの爽やかなメロディにさらっと乗せるのがすごい!感動です。

そして、桜井さんの歌うB'zの「今夜月の見える丘に」は「『深海』に入ってそう」との声も納得の別テイスト(もちろん本家はB'zです)。
フジファブリックの『若者のすべて』は、あれだけ本家が独特の色があるのに桜井節で別曲のように歌い上げています(もちろん本家はフジファブリックです)。

上記の通り、そもそも本家に強烈なオリジナリティがあるのに、他人の歌まで自分テイストにしてしまうのがこの人の凄さ。まさに天才ですね。ぜひYouTubeで「桜井和寿 カバー」で検索してみてください。

2.堂本剛(KinKi KidsとENDRECHERI)

ジャニーズのみならず、日本の歌手でも、歌唱力、表現力が抜群の堂本剛さん。彼の歌声は、透明感ある正統派の初期→ビブラートのかかった情感豊かな旋律へとその時々で良さがあります。

TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」、椎名林檎の「ここでキスして」、矢井田瞳の「My Sweet Darlin'」など,彼が歌えばたちまちKinKi Kidsの剛パートに。

2004〜2005年のジャニーズカウントダウンでは、堂本光一とキンキの二人で「夜空ノムコウ」を歌っていて、そのパートがこちら。

あのころの未来に ぼくらは立っているのかなぁ…
全てが思うほど うまくはいかないみたいだ
このままどこまでも 日々は続いていくのかなぁ…
雲のない星空が マドのむこうにつづいてる
あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ…
夜空のむこうには もう明日が待っている

二人の歌声を聴いて「何気にKinKi Kidsっぽい歌詞でもあったんだな」と気づきました(SMAPも大好きで、本家はもちろんSMAPです!本家を腐しているわけではないのでそこは誤解なさらぬよう)。
哀愁のあるメロディと言葉遣いがKinKi Kidsの世界観に似ているなって。そう考えると、「SHAKE」「BANG! BANG! バカンス!」から「夜空ノムコウ」「オレンジ」まで歌いこなしたSMAPの表現のレンジの幅にも驚きます。

また、ENDRECHERIなど複数の名前でソロ活動し、繊細なバラード「街」、ロカビリー曲「溺愛ロジック」、ファンクミュージック「HYBRID FUNK」など多ジャンルの楽曲を披露しています。
特に印象的な歌詞は、「街」の

嘘にぶたれる音は
好きじゃないや 傷しみるけど
今日も戦ってたいな
愛を刻もう傷ついたりも
するんだけど 痛みまでも
見失いたくない

この歌詞って、専門の作詞家には書けない気がするんです。荒削りな歌詞は、手慣れた言葉のプロとはある意味、真逆の発想かなと。それに、生々しい言葉遣いだから、そもそも職業人の作詞家には書かせてもらえない。誰もが知るアイドルとして活躍しながら「本当の自分」を見失いそうになって、それを乗り越えた人が書ける特権だと思います。その時々で自分の与えられた環境を最大限に活かして表現する、上手に歳をとっている人だと思います。

相方の堂本光一さんがジャニーズの本流、舞台で活躍しているという二人のバランスも素晴らしいですね。実は前に一度「Endless SHOCK」を観に行ったことがありましたが素晴らしかったです!フライングや伝説の階段落ちなど今でも覚えています。
KinKi Kidsは、ある種理想のコンビな気がします。

3.小田和正(オフコースとソロ)

Jポップスの大御所、小田和正。彼の曲は、歌声、メロディ、歌詞とすべてが極上のバラードです。
一番好きなのはやはり本家なのですが、他の人のカバーでも「ああ、小田和正のカバーなんだ」とすぐに分かります。

僕が一番好きな小田和正が作った曲「キラキラ」を槇原敬之がカバーしているのを聴きましたが、どこからか本家の歌声が聴こえてくる気がしました。

そして、ジャニーズの人気グループ・KAT-TUNに提供した「僕らの街で」。この曲は、イントロが流れた瞬間「あ、作詞作曲、小田和正だ」と一発で分かるのです。切ない旋律は素晴らしい。

また、オラオラ系の曲が多かったKAT-TUNに歌わせた歌詞が

僕らはいつも 明日を見ていた
ほんの少し 背伸びするようにして
淡い後悔を 誰かの涙を
いつの日か 振り返る時が来るんだろう
僕らはなんだか 急ぎすぎている
大切なことさえも 忘れるくらい
誰も 僕らを決して 認めはしないだろう
誰も決して 分かろうとはしないんだろう

格別の誇るワイルド系グループ、KAT-TUN。そんな彼らの裏側にある焦り、強くならねばいけない辛さ、本当に自分たちをわかってくれている人はいるのかという葛藤。あくまで僕の推測ですが、この当時のKAT-TUNの裏側にある気持ちを、小田和正は言葉にしたように思います。実際、この曲が主題歌のドラマに主演した亀梨和也さんは、この曲が好きで、当時は強がっていないと立っていられなかったと話しているそうです。
自作の楽曲で、自分の言葉で、急ぎ足で駆けて行く若者の華やかさの裏にある哀しみを具象化する。誰かのために楽曲提供しても、やはり小田和正なのでした。

最後に

いかがだったでしょうか?僕もこの文章を書いていて思ったのは

他人の作品も自分の色に染めて披露してしまう

というのが一つの基準なのかなということです。
桜井さんはMr.ChildrenやBank Bandなど、堂本剛さんはKinKi Kidsに加えENDRECHERIなど、小田和正さんはオフコースとソロというように、それぞれ皆、複数の顔を持っているのも印象的でした。色んな実験室があって、さまざまな自分を模索できているのかな。
音楽以外にも、オリジナリティを持つ天才がいると思うので、またいつか記事を投稿したいと思います。チャオ!

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