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楽天ペイがコード決済利用者No.1と聞いてにわかには信じられないあなたへ

決済アプリ1位は意外にも楽天ペイ

ITC総研が実施したアンケート調査で、スマートフォンを使ったコード決済サービスで最も利用者が多いのは「楽天ペイ」で、2位は「PayPay」、3位は「LINE Pay」という調査結果が出たそうです。ITmediaさんの記事で知りました。

・昨年末の20%還元でお祭り騒ぎになったPayPay
・メッセンジャー普及率で右に出るものはいないLINE
・携帯インフラそのものを抑えているドコモ

と、並居る競合をおさえて、あまり話題になっていなかったはずの楽天ペイが一位になったことで、「え、なんで?」と意外に思われた方も多いのではないでしょうか。

溜まるだけだったポイントの「はけ口」をネット→リアル店舗に展開

私もこれらの決済サービスはひととおり試してみたのですが、2019年1月現在、結局のところ実際に使えているのは楽天ペイだけ、という結論になってます。

楽天ペイが1位になった理由はなにか?そして私が楽天ペイを最も使うようになったのはなぜか?一言でいえば、

楽天スーパーポイントをスーパー余らせていた9,870万人の楽天会員が、貯めたポイントの使い道を探していた
      ↓
そこに、「リアル世界の店舗で飲食する」という使い道が提供された

からです。

楽天2018年10-12月期メディアガイドより

ECにはじまり、カード、証券と金融分野まで抑えている楽天。これらのサービスのいずれかでも使っていれば、楽天お得意のポイント商法により、楽天スーパーポイントがこれでもかと溜まる仕組みができあがっています。

ヘビーユーザーの中には、証券の取引手数料に充当したり、楽天ポイントで購入した物品をすぐフリマアプリで転売して現金化する方、またそれを商売にしている方もいらっしゃいます。しかし、一般ユーザーにとっては、スーパーポイントを貯めても楽天のECで買い物をするぐらいしか思い浮かばず、「まあもらえないよりもらえた方が嬉しいか」ぐらいの評価だったのではないでしょうか。

この「貯めたけどネット上では使い道が限られていた(余らせていた)ポイント」を「飲食店を中心としたリアル店舗」で広く使えるようにしたことが、楽天ペイが実際に利用されている理由なのではないかというのが、実際に使っているユーザーとしての実感です。

店舗側にとってもメリットはあるようです。知り合いの店舗経営者から聞いたところ、「カード決済と違い、サインレスなのでこちらの事務処理・手間が減って助かる」と言っていました。

楽天は、1日3回のタッチポイント=飲食店を抑える戦略に打って出ている

実際、どれだけの店舗で使えるのかが継続率の問題にも繋がってきます。

その点楽天ペイは、少なくとも都心部では昨年秋以降、特に飲食店を中心に使える店舗が増えています

楽天ペイアプリでは、楽天ペイが使える=楽天スーパーポイントで飲食代が支払える店舗が位置情報から検索できます。

私の生活圏である渋谷区内で飲食店で絞り込み検索をかけると、検索結果に100件超の店舗がリストアップされます。現在地から500m圏内の飲食店だけでも、コンビニのファミリーマート含め10店舗程度が検索結果にでてきます(スクショは500m超の店舗を撮影)。

しかも、チェーン系飲食店だけでなく、独立系の小規模飲食店もきちんと開拓されているのが特徴的です。このあたりは、楽天グループの店舗営業力のたまものでしょう。

飲食店以外にも、美容室・マッサージ・ファッション・アミューズメント・カーライフ・ナイトライフなどのジャンルで店舗検索もできます。しかし、そういった「週1回程度気が向いたときに使う店舗」ではなく、「1日3食必ずニーズが発生する飲食店」をタッチポイントとして抑えたというのが、やはり大きい気がします。

後発のメルカリ・メルペイは楽天に追いつけるか

私の知る限り、ネット取引で貯まりに溜まったポイントのはけ口を探しているユーザー群が日本にもうひとかたまりあります。それはメルカリです。

すでにメルカリは、子会社メルペイを設立し、メルカリポイントの使い道をリアル店舗や証券・金融に広げることを発表しています。

「売る→収入が入る→買う→売る→収入が入る・・・」というサイクルを既に持っているメルカリが、オフラインでも、他のオンラインサービスでも買い物ができるようになることで、これまでなかった新しいお金のサイクルが突然生まれるのです。
このサイクルの中に、投資や保険などの様々な金融サービスが生まれ、お客さまの信用が可視化される。
お金がなくても買い物ができるかもしれません。
あきらめていた夢が叶うかもしれません。お金がもっと楽しくなるかもしれません。
そんな無限の可能性が、メルペイから生まれるのです。

ですが、メルペイのウェブサイトに記載されたこれらの「無限の可能性」を現時点ですでに実現してしまっているのが、楽天と楽天ペイなのです。

果たして、メルペイは、メルカリユーザーが貯めたポイントのパワーをテコにして、この強大な楽天経済圏に追いつき、追い越せるのか。楽しみなところです。

サポートをご検討くださるなんて、神様のような方ですね…。