癌患者へのCOVID-19ワクチン接種の安全性の確認の必要性

無題

全身への化学療法による治療後又は治療中のがん患者において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)での死亡リスクが高い。したがって、癌患者は、COVID-19ワクチン接種の優先度の高いグループである。しかし、癌患者に対するCOVID-19ワクチンの安全性および有効性データは、得られていない。また、癌治療の専門家より、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による治療されている患者において、COVID-19ワクチン接種によって、免疫関連有害事象(irAE)が誘発または増強する可能性が指摘されている。

日本癌治療学会の指針では、以下の内容が表記されている。

一般的に、免疫チェックポイント阻害剤の体内での半減期は長いため、COVID-19ワクチン接種(BNT162b2)の抗ウイルス効果と安全性は、COVID-19ワクチン接種の時期には左右されにくいと考えられている。従って、現時点では、免疫チェックポイント阻害剤での治療中に、患者さんへのCOVID-19ワクチン接種は薦められている。しかし、COVID-19ワクチン接種後2,3日間で、発熱が認められるため、免疫チェックポイント阻害剤での治療開始日の前の2,3日以内に、患者さんへのCOVID-19ワクチン接種は控えた方が好ましい。

癌患者がCOVID-19ワクチンを安心に接種できるように、医学研究者らは、大きなコホートによる臨床研究を遂行して、癌患者に対するCOVID-19ワクチンの安全性および有効性データを得なければならい。

がん医療専門ドクター/癌ゲノム医療/新興感染症                                   JAMA Oncology Published on May 10, 2021. by 京都@takuma H


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