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ウイルス感染性がんの再発予測因子: 日本における、他国でのキッドバイオプシーを用いた進行性・再発性悪性腫瘍の早期検出法の確立の重要性

最近の臨床試験において、各種癌種の再発を早期に判断するために、各腫瘍マーカーの値の上昇よりも、各悪性腫瘍から血液に零れてきたCirculating Tumor DNAを測定する方が優れていることが示されている。

当社の臨床研究チームが実施したこの研究は、2019年12月から2023年4月までに日本の国立大学において2,991人の患者(OncoGuideTM NCCオンコパネル*検査:679名、Foundation One CDx**検査:2312名)を対象にがんゲノム医療による治療を調査しました。進行性NPC患者106人を対象に、がんゲノム医療による治療が検討された。進行性中咽頭扁平上皮癌の患者106例の性別の内訳は、男性88例、女性18例であった。

進行性中咽頭扁平上皮癌の患者106症例に対して行われた癌ゲノム検査の結果から、男性37例(42.0%;37/88)、女性6例(33.3%; 6/18)においてHPVの感染が認められた。

これらの臨床研究の結果から、HPV非感染の患者と比較して、HPV感染のadvanced oropharyngeal squamous cell carcinomaの患者において、再発が多く認められていることを示している医学的エヴィデンスは得られていません。しかし、HPV感染のadvanced oropharyngeal squamous cell carcinomaの患者における再発症例は少なくないです。
 

日本において、外科的摘出組織を用いたHPVの感染を検出する数種類の検査が、保険収載されている。しかし、リキッドバイオプシーを用いたHPVの感染を検出する検査は、FoundationOne CDx liquid (Foundation Medicine Inc. Cambridge, MA, USA)のみである。残念ながら、日本国内では、FoundationOne CDx liquidは、各種悪性腫瘍の再発を検出するために用いることが出来ない。今後、他国で行われている臨床研究により、各種癌種の再発を早期に判断するために、各腫瘍マーカーの値の上昇よりも、各悪性腫瘍から血液に零れてきたCirculating Tumor HPV DNAを測定する方が優れていることが確立されれば、日本においても、リキッドバイオプシーを用いたHPVの感染を検出検査が、保険適応になると思われる。進行性・再発性悪性腫瘍の早期発見のため、さらなる臨床試験が行われことが望まれる。

Published in JAMA Oncology on October 14, 2023 by 京都@takumah

Doctor specializing in cancer medicine/Doctor specializing in emerging infectious diseases 
 


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