生殖細胞系列BRCA1/2 pathogenic variants を有する男性に対する有効的な前立腺がんに対するスクリーニング


遺伝性腫瘍の中でも、遺伝性乳がん卵巣がん(hereditary breast and ovarian cancer : HBOC)の場合、個別化医療によって、がんの早期発見・治療・予防が可能です。

日本では、がん検診の受診率が低く、COVID-19時代で、がん検診の受診率は、さらに低下したといわれている。多くの前立腺がんの症例では、がん進行速度が遅いです。しかし、BRCA1/2においてpathogenic variants (PV)を伴う前立腺癌は予後不良である。これまでの臨床研究において、BRCA1/2においてPVを有する男性の約8.6% (BRCA1 PV)、15.0% (BRCA2 PV)が、65歳までに前立腺がんを発症することが示されています。そのため、日本では、NCCNガイドラインに従って、BRCA1/2遺伝子生殖細胞系列変異を有する40歳以上の男性に対して、PSAスクリーニングが推奨されています。

人種間において、前立腺がんの発症率に差が認められるが、BRCA1/2においてPVを認められない男性と比較して、BRCA1においてPVを有する男性では、前立腺癌を発症するリスクは2倍となり,BRCA2においてPVを有する男性では、5~7 倍となる。Hao et al によって報告されたscreening with PSA and MRI with subsequent combined biopsies for prostate cancerは、PSAスクリーニングで認められなかった初期の前立腺がんの発見に有効を思われます。

新たながんの検査方法は、がんの早期発見に役立ちますね。                 JAMA Oncology Published on Nov. 17, 2022. by TakumaH

がん医療専門ドクター/新興感染症専門ドクター
from Kyoto@Takumah


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