夜景 ep.1 〜工場夜景による目覚め
せっかく一眼を持っているなら、スマホでは現状絶対できないような撮影をしてみたいものである
光量の落ちた世界の描写は、カメラが人の目の性能に近ければ近いほど独壇場となる
そんなカメラがあれば、なんとなく撮るだけでも多くの人が可能性となるものを感じとるだろう
夜景については日中の撮影と環境が異なり、思うようにいかないことが多いのも事実なので、得た知識や感じたことなど諸々書き出して整理してみる
※掲載写真はどれも稚拙ながら、いずれの著作権も放棄はしておりません
こちら2点は昔、東京の竹芝桟橋から八丈島へ、東海汽船による船旅をした際に東京湾を通過する船上から撮ったもの
作品としてはアレだが、撮影者本人としてはこのときの高揚感など様々思い出すことができる
こういった体験が後の撮影意欲へと繋がっていくのだろう
【21:31、新橋付近】
FUJIFILM X-A1 XC16-50mmF3.5-5.6 OIS
ISO3200 1/25 F5.6 焦点距離50.0mm 風景モード WB自動
jpeg撮って出し トリミングのみ
まだ写真に入れ込んでいない頃の自分がなんとなく持ち歩いていたミラーレスエントリー機とそのキットレンズでも、ここまで写せてしまったというのはちょっと驚きである
そして数年前に転職を機に関東を離れることが決まり、その前に挑戦してみたいと思い立ったのが本格的な夜景撮影である
最初の撮影地、被写体に選んだのは川崎の京浜工業地帯の工場群だった
参考:工場夜景撮影テクニック https://yakei.tw/about/satsuei.html
いずれも FUJIFILM X-A1 XC16-50mmF3.5-5.6 OIS
焦点距離50mm シャッター1/8〜1/4 ISO3200 F5.6 風景モード
夕方頃川崎付近に到着、レンタカーの車内で仮眠をとった後に撮影開始
被写体を前に興奮し、レンズは望遠側にしてほぼオートで撮りまくった結果、乱雑な写真を量産
まあ最初はこんなもんでしょ
いずれも同レンズ、焦点距離50mm シャッター2.5秒 ISO400 F10
今ならセオリーとしての「F11〜16を使う、絞りが開放寄りだと光がぼやける」「低感度長秒露出が鉄板」という知識はあるけれど、いまだになぜ光を多く取り込める低いF値が夜景に相応しくないのか、感覚的に飲み込めていない
このときはそんなことより、三脚かついで一帯をうろうろしながら「ここはスチームパンクで重油くさい、わしのワンダーランドなエレクトリカルパレードやー」とひとり興奮していた
撮ったものは液晶で一応確認するものの、あまり細かい仕上がりまでは考えられなかったな
だいたい似たような設定で、せいぜいWBで色を変えてみたり数秒露出をずらして明るさを調整したり、レリーズ がなかったのでカメラの電源を入れ直すたびに毎度2秒セルフタイマーをかけるのにやきもきしながら過ごす
当時は望遠もなく標準ズーム域のキットレンズ1本しか持っておらず、高い塀や金網に遮られることなく接近できる被写体を探すのに何より必死だった訳だ
三脚は一番伸ばして自分の背と同じ高さになる程度のもの(大学時代にサークルの部室から拝借してきた処分品)だったので、決して自由に撮影ができる訳ではなかった
XC16-50mmF3.5-5.6 OIS 焦点距離50mm シャッター3秒 ISO400 F8 WBカスタム
jpeg撮って出し トリミングのみ
長秒露出は楽しいですよ
例えるならあれですよ、マナの光が失われ荒廃した夜の世界でマナの泉を見つける度に、そこでアーティファクトを展開して光を集める旅なのです
このアーティファクト(カメラ)の設定をいじってる感じがなんともいえず自意識が昂る
だいたいこういう夜景を撮る場所って、海沿いの埠頭だったり高台だったり建物の遮蔽がない
ゆえに風がとても強くて寒い
この日も翌日以降ドライアイ気味で目が痛かった
まあ6時間近く撮影して、日付が変わってから名残惜しく帰路に就くくらいには楽しかったのです
それで写真の仕上がりも、自分の興奮や感じた被写体の魅力がちゃんと反映されていれば言うことないんですよ
それが、ない。
愕然。
ここが「なぜ感じたことが表現できないのか?」という、今も続く苦悩の始まりだったのかもしれない、、、
夜景ネタはまだ続きます
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