こんにちは。調子に乗ってまた無料note書いています。今年も残すところわずかですね。師走の忙しさを忘れて仕事帰りの電車ででも読んで頂けたら嬉しいです。今日は僕が所有していて気に入っている写真集を完全個人的な主観で感想を述べながら紹介してみたいと思います。

　今回は人物写真の写真集に絞ってみたいと思います。いわゆるポートレートもあればドキュメンタリーに近いものもあります。個人的には全てのポートレートはドキュメンタリー的要素が含まれていると思っていますし、自分の写真もそうであってほしいと思っています。好みがモロバレなのでハマる人にはハマるし響かない人には響かない紹介になるかもしれません。今回は人が写っている写真集に絞ってご紹介します。

　全部で5冊ご紹介します。

◇ANNIE LEIBOVITZ 【PORTRAITS 2005-2016】

　最初に紹介するのは言わずと知れたAnnie Leivobitzの写真集です。Annieは数年おきに自身の作品をまとめた写真集を出していて、これはそのシリーズの中では一番最新のものです。過去のものも素晴らしいので是非ご覧ください。僕が考えるAnnieの写真の素晴らしさはAnnie自身の持つカリスマ性に周りの俳優、ミュージシャンもその世界観に飲み込まれていくところだと思います。
　ポートレートの撮影は人と人が向き合うので、エネルギーとエネルギーの対峙と言っても過言ではありません。世界のスターたちを前にAnnieはそれを凌駕するくらいのエネルギーで作品を作り続けています。

◇MICHAL CHELBIN【STRANGELY FAMILIAR】

　次にご紹介するのはMICHAL CHELBIN【STRANGELY FAMILIAR】です。恥ずかしながら僕はこの写真集で初めてMICHAL CHELBINという写真家を知ったのですが、1974年生まれのイスラエルの女性写真家です。
　この写真集は東欧のサーカスを生業にする人たちを撮影した写真集です。被写体と正面から向き合って丁寧に1枚1枚撮影された写真がたくさん載っています。通常私たちはサーカスときくと賑やかで華やかなイメージを持ちますが、彼女の写すサーカスの人々にはどこか影があります。写真から感じる不穏な空気と写真の持つ豊かなトーンと色味が不思議に交じり合って、どこか違う世界を覗き見ているような気にすらなります。

◇PLATON【Power: Portraits of World Leaders】

　PLATONはドキュメンタリーを見てこの写真集を購入しました。世界のリーダーたちを正面から撮った写真集。アメリカの大統領もいればロシアのプーチン、カダフィーなんかもいます。話が少しそれますが、僕は昔風景写真はその風景に出会えるかどうかが写真の8割を決めると思っていました。最近、ポートレートこそ実はそうなのではないかとよく思います。
世界のリーダーたちを目の前で対峙して撮る機会。それが与えられるフォトグラファーの一人であるPLATON。彼のライフワークが国を超えて1冊の写真集にまとめられています。この距離感でノーガードで飛び込んで撮る彼の写真と胆力には驚愕します。ドキュメンタリーの動画も貼っておきます。

◇奥山淳志【弁造 BENZO】

　続いて紹介するのは奥山淳志【弁造 BENZO】です。奥山さんが25歳の時にとある雑誌の取材で出会った弁造さんという自給自足で絵を描きながら暮らす男性。奥山さんはその弁造さんのことがずっとあたまに引っかかっていて仕事を辞めて弁造さんの写真を撮り始めます。奥山さんが撮り続けた弁造さんが亡くなるまで20年の記録です。1枚1枚の写真が大切に時間を切り取ってスクラップしたような写真集です。写真の持つ永遠性と刹那的な人の命、奥山さんと弁造さんとの出会い。膨大な時間の流れの中でこの20年しか記録することの出来なかった貴重な写真集です。

◇上田義彦【いつでも夢を】

　みんな大好き上田義彦さんの写真集です。他にもいくつかあって迷ったのですが、今年展示もしていたこちらの写真集を紹介します。サントリー烏龍茶の撮影で長年中国で撮りためた写真たちです。スナップ的に35mmで撮られた写真から広告のために大判で撮られた写真まで僕たちのイメージする古き良き中国の田舎が上田さんの優しいトーンで納められています。広告写真を作品にまで昇華させることのできる数少ない写真家の一つの集大成を見ることが出来ます。

◇まとめ

　今回は5冊駆け足で紹介してみました。現在も購入できるものに関してはリンクを貼っておきました。（PLATONはまだまだ紹介したい写真集はたくさんあるのですが、好評でしたら第2弾も考えます。それではまた！