♪(軽快なジングル)

八十島:この番組は、シンガーソングライターの八十島朔やそしま　さくと俳優の酢木苺すのき　まいが、視聴者からのお便りを読んだり読まなかったりする身勝手なトーク番組です。

酢木:『鳥のためにも、猫のためにも猫は家の中で飼おう！』トラツグミフーズの提供でお送りします。

♪(フェードアウトしていくジングル)

(CM)

🕊️       🕊️　　🕊️

酢木：リスナーのみなさん、こんにちは！　そして朔ちゃん、おはようございます！
八十島：……おはよう、ございます。

酢木：めっちゃ眠そう笑笑
八十島：今５時すぎですよ？　朝の。いつもならまだ夢見てるよ……

酢木：よく見るのってどういう夢？
八十島：昨日は部屋に毒キノコ生えてくる夢見た。ベニテングダケ。

酢木：笑笑　えー、わたしも朝の3時にマネージャーに叩き起こされて、悪夢を見る暇がなかった朔ちゃん共々、ここにね、いつものスタジオ近くにある公園に連れてこられまして……
八十島：いったい何をするんですかね？

酢木：今日はね、このラジオの放送日がちょうど「愛鳥週間」ということで、バードウォッチングをしようという、そういう企画ですね。
八十島：どう考えても思想の強いスポンサーが考えた企画じゃない……

酢木：笑笑　今日はその、トラツグミフーズ広報部の方にお越しいただいています。井狩さんです。

井狩：こんにちは～よろしくお願いします！
八十島：なんかいっぱい荷物お持ちですね。

井狩：はい。バードウォッチングに必要な装備
です。まずはこれ、帽子と、カーディガンです。UVカット機能付きです。
酢木：わ、ありがたい！
井狩：それからこれは虫除けスプレー……それから、双眼鏡！　これがないと野鳥観察は始まりませんからね！

八十島：なんというか、めちゃくちゃ慣れてらっしゃいますね。普段からされてるんですか？
井狩：ええまあ。全然歴は浅いですが……

八十島：お仕事で？
井狩：いえ、趣味ですけど、はじめたのは会社入ってからです。社内にバードウォッチングサークルがあって……
八十島・酢木：へえ～！
井狩：先週もここに新入社員の子を連れて来ました笑笑
酢木：初心者の扱いに慣れてる……

井狩：双眼鏡は使ったことありますか？　まずはピントを合わせる練習をしていただきましょう……ちょうどあそこにカルガモがいるな。池の浅いところで休んでるあのカモたち、見えます？

八十島：………あー、あれか。
井狩：カモから視線を外さずに、双眼鏡をこう、目の前に持って来て……片目を閉じてこのツマミでまず左目を、それからこれで両眼のピントを合わせます。

酢木：……おーっ！　すごくはっきり見えますね！
八十島:全体的に茶色っぽいカモだけど、よく見ると翼の一部が水色？　っぽいのおしゃれだなあ。

井狩：カモは大きめで、あまり激しく動かないので初めての方も見やすいですよ。池の周りちょっと回ってみましょうか。

酢木：このキュルキュル……っていうの、ひょっとしてカモの鳴き声ですか？
井狩：そうですねー。あ、あそこにいるコガモの鳴き声だと思います。

八十島：えあれって、さっきのと別のカモ？
井狩：さっきのカルガモより一回り小さいですね。茶色と緑のコントラストが綺麗です。あと鳴き声がやっぱり特徴的ですね。

八十島：酢木さん、見える？
酢木：見えるけど……全部同じに見えるなあ……
井狩：笑笑。大事なものを渡し忘れてました……野鳥図鑑です。外で見るならこういうハンディタイプのがおすすめです。

八十島：カモ専門の図鑑なんてあるんだ。
酢木：あ、これですね。カルガモとコガモ、載ってます。

井狩：この池ならこの、ハシビロガモがいそうだけど、さすがにもう渡ってしまったかな……
八十島：渡る、というのは……渡り鳥のこと？

井狩：カモは基本的に渡り鳥、秋に来て春先には帰ってしまうんですよ。コガモは結構遅くまでいますし、カルガモは渡らない個体が普通にいます。
酢木：へえ～！　知らなかった！

井狩：だから池でカモを探すなら、冬ですね。この公園、結構な数のカモが渡って来ます。
八十島：へえ！　冬はカモフェスが開催されるんだ！
井狩：笑笑　そうですね、祭りです。しかも、結構珍しいカモが渡って来たりします。
八十島：大物アーティストがゲストで来るみたいな。
井狩：そうです！　この池だと……カモだけでも12種類くらいは見たことありますよ。
八十島：そんなに……！

酢木：このあたりでたくさんカモが見られる池って珍しいですか？
井狩：ここは元々お堀だったこともあって、水深が深いところがあるので。そういう池がある公園は珍しいです。近辺では一番アツいです。

井狩：あ、あそこにいるちっちゃいの見えます？　あ、潜っちゃった。
酢木：……あ、顔出した。目がくりっとしててかわいい顔してますね。
井狩：カイツブリは、水に潜って魚とかを捕まえる鳥ですね。
カイツブリみたいに潜るタイプの水鳥もいれば、カルガモみたく水草を食べるタイプもいて……

酢木：そういう色んなタイプの鳥が一度に見られるのが「アツい」ってこと？
井狩：そうですね笑笑　それだけ自然豊かってことでもあります。
八十島:まだよくわからないけど、奥深そうなことはわかりました笑笑
酢木:あ、また潜った。

🦆　🦆　🦆

酢木：えー、池に結構長いこといたんですが、今は、池の周りの遊歩道を歩いています。ちょっと鬱蒼としてますね、ここ。
井狩：はじめのうちは、いきなり鳥の姿を見つけるのは難しいと思います。まずは耳で、鳴き声だとか、茂みを歩くガサガサっていう音を探して、音の方を見る、というのがポイントです。

鳥の声：キィーー、ヒィーーーーーーー、ヒィーーーーーー！

八十島：これ、鳥の声ですか？
井狩：ヒヨドリですね。あ、今飛んだ。ちょうど見やすいとこに行ったので、見てみましょう。

井狩：見えますか？
八十島：あーーー、これか。灰色っぽい鳥。
酢木：あ、へー、鳴き声から想像してた顔と違いますね。かわいい顔してる。

八十島：たしかに。目がくりっとしてて。ほっぺが茶色いのかな？
井狩：ヒヨドリは、街中でもよく見られる鳥です。うるさい鳥って言われちゃうことも多いですが、かわいいでしょう？

鳥の声：キョロリロ、キョロリロ

八十島：あ、また別の鳥の声が……
井狩：これもヒヨドリですね。

鳥の声：ピィ、ピィ、ピョロリロ。

井狩：ああ、これもです。
酢木：え！？　ぜんぶ同じヒヨドリなんですか。
井狩：ヒヨドリは色んな鳴き方するので。

酢木：別の種類かと思った……すごいですね。実は私、同じ鳥から全然違う声が出るのってどうやってるのかなって気になってて……
井狩：はい。
酢木：演技の時、発声方法とかを変えたりすることもあるんですけど、参考にならないかなと思って。

井狩：鳥の中でも、スズメの仲間……ヒヨドリもそうですけど、その種類は鳴管という器官が発達していて……あ、人間にはないんですけど、鳴管。人間の声帯とはだいぶ違うんですが、参考になりますかね？
酢木：笑笑　そうなんだ。人間もほしいな、鳴管。

鳥の声？：ピョロリロ♪

酢木：これはヒトの鳴き声ですね。
八十島：音程が難しいな……
酢木：鳴き真似、似すぎだって笑笑
井狩：あの、あんまり似てると鳥だと勘違いして寄ってきちゃうので……
八十島：笑笑　ごめんなさい。

井狩：たまに、珍しい鳥をおびき出そうとして、餌ばらまいた上でスピーカーで鳴き声流す人いるんですよ……悪質ですよね。あまりその目的で鳴きまねする人はあまりいませんが。

酢木：あーーー。私の家の近所の池で、あれもカモなのかな？　なんか嘴が白くて全体的に黒っぽい水鳥？　に餌やってる人がいて、
井狩：あー、最悪ですね。
酢木：なんかその人、餌をばらまきながら「プス……プス……」みたいな声出してて、そうするとその鳥が寄ってくるの。あれもひょっとしたら鳥の鳴きまねかな……？

井狩：ああ……鳴き声は違う気がしますが、特徴からするとオオバンっていう鳥かもしれませんね。たまにおもちゃとかに入ってる鳴り笛みたいな、「プー、プー」って声で鳴いてます。
酢木：へえ笑笑　全然似てなかった……
八十島：プー、プー……
酢木：あなたはレパートリー増やそうとしないの。

八十島：鳴きまねだけで寄ってくる自信がないから餌やってるのかな……鳴きまねを極めて声だけで勝負しろ！
酢木：笑笑　鳴きまねもだめだよ。

鳥の声：ヒヒヒッ、ジュル、ジュル、

八十島：あ、なんかちっちゃい鳥がたくさん……
酢木：どんどん近づいてくる！？　おびき寄せちゃいました？

井狩：あれはエナガです。警戒音を出してはいますけど、この距離でも大丈夫です。そっと見守りましょう。

エナガの群れ：ジュル、ジュル、チィ、ジュル、ヒヒヒッ、ジュル……

八十島：真上を通り過ぎていった……嵐のようだった……
酢木：双眼鏡で見ようとしたんですけど、速すぎて無理でした。肉眼の方が見えるかも。スズメよりはだいぶ、尻尾が長かったですね。

井狩：あの群れ、若鳥が混じってましたね。巣立ったばかりの雛かも。
八十島：巣立ったばかりの雛！
酢木：へえ……！

井狩：飛ぶのも、狩りも、まだまだ練習中なんです。たまに地面にいるエナガの雛を間違って保護してしまった、という相談を受けますが、飛ぶ練習中なだけなので、そっとしておいてくださいね。春先は子育てシーズンなので、エナガだけに限りませんが。
八十島：渡りに子育てに、自然界、色んな事が起きてるんだ。

鳥の声：チィ、チュルル、チィ、チィ……
酢木：あれ、これもさっきの鳥ですか？
井狩：これはメジロですね。速いので見つけ辛いですが……あ、ツツジの蜜を吸いにきたみたいですね。あそこ……

八十島：わ、ほんと。緑色？　のあんな小さい身体でちょこちょこと……かわいいな。妖精みたい。え、何でこんなにちっちゃいの？
酢木：妖精……笑笑　朔ちゃんらしからぬ語彙ね。
八十島：いや、さっきから色んなことが起きすぎて笑笑　混乱してるかもしれない。
井狩：今日はえらく鳥たちが活発ですからね笑笑……
八十島：小鳥のフェスだ笑笑


井狩：あっ！　あの枯れ木の上の鳥……

鳥の声：……ピィ、ピルリロピィ、ジジ、ピィ……

井狩：見えますか？　木の高いところに立ってるの。
八十島：ど、どれ？
酢木：遠いけど、これかな、左の木に一番近い細い枝の、いっちばん上……
八十島：あ、え、これか？　なんか黒っぽい……？　いやよく見ると青？

井狩：オオルリという夏鳥です。夏の山でよく美声で囀っている鳥です。
酢木：あ、飛んじゃった。
井狩：図鑑、見ますか？　この鳥です。
八十島：綺麗な青……
井狩：さっきはちょっと日が陰ってたので黒っぽく見えましたね。

酢木：山の鳥も、ここで見られるんですか？
井狩：普段はいませんが、渡りの途中、初夏にはこういう公園で見られることがあるんです。ここは割と目撃情報あるのでもしかしたらと思いましたが、ラッキーですね。
八十島：へえーー！　すごいな……偶然の出会い……

🐥　🐥　🐥

八十島：あ、池の周り一周して、スタート地点に戻って来た。
酢木：ほんとだ。来た時より、だいぶ太陽も昇ってきてるし、散歩してる人とか増えてきてる。

井狩：スタートから１時間半くらいですかね。じゃあ今回はこの辺りで。
えー、今回発見した鳥は、
ハシブトガラス、ドバト、スズメ、カルガモ、コガモ、カイツブリ、ムクドリ、アオサギ、コサギ、ウグイス、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒヨドリ、エナガ、メジロ、オオルリ、センダイムシクイ（声のみ）、コゲラ、コサギ、キジバト、ハクセキレイ、オオバン、ホオジロ
の２3種ですね。
八十島・酢木：ありがとうございました！

八十島：いやー、意外とあっという間でしたね！
酢木：ね。最初は、こんな朝早くからたたき起こしておいて、面白くなかったらどうするつもりだと思ってたけど笑笑
八十島：割と満喫してしまった笑笑

井狩：今まで、バードウォッチング初めてのかたをお連れしたこと何回かありますけど、お二方は筋がいいんだと思います。鳥を探すのに慣れるのが早いですし、何より、興味を持ってくださるので……とてもやりやすかったです。ありがとうございました。

酢木：いえいえこちらこそ！　最初は全部一緒じゃんって思ってましたけど笑笑　生態とかいろいろ教わりながら見てると、あっこの鳥はかわいいなとか、鳴き声がいいなとか、アンテナに引っかかるのがあって……

八十島：酢木さんは、観察力がすごいから。鳥に限らず。スタッフさんが髪切ったりネイル変えたら即気づくでしょ。
井狩：バードウォッチングって、野鳥を「観察する」ことですからね。ただ見るんじゃなく、何かに「気づく」のは大事ですね。
酢木：やったあ褒められた笑笑

井狩：八十島さんは……
八十島：無理に褒めるとこ探さなくていいですよ笑笑
井狩：いや、無理してるわけではなくて、うまく表現できないというか……

酢木：朔ちゃんは、「考えるな、感じろ」ってタイプだから、観察というか……鳥と一緒になって鳴くバードウォッチャーっていないからね笑笑
八十島：笑笑　それは否定できない。でもわたし、割と明け方のから早朝の、朝というにはまだ早い、でも夜ではないって空気感が好きで、そういう中で鳥が池を泳いでたり、頭上を通り過ぎていったりっていうのが、いいなと思った。

井狩：それはよかったです！
八十島：でも明け方の空気感って、徹夜明けぐらいしか感じないな、普段は笑笑　起きられないし。野鳥観察は朝の方がいいだろうからそこはちょっとな……

井狩：この時期に公園で鳥を探すならこの時間が一番ですが、必ずしも早朝にやる必要はないですよ。例えば干潟なら、朝か昼かよりも、干潮か満潮かの方が重要ですし。冬の池も、そこまで時間は関係ない気がします。

八十島：干潟かあ。干潟にはカモとかいるんですか？
井狩：春と秋、渡りの季節はシギやチドリがたくさん観察できます。
酢木：またフェス会場が増えた笑笑
八十島：ぜひ参加したいな、干潟のチドリフェス笑笑
井狩：ぜひご一緒しましょう笑笑

八十島：えー、めちゃくちゃ眠いことを思い出したので、わたしは帰って寝ます。
酢木：笑笑　わたしはこの辺のカフェでモーニングでも食べようかな。
八十島：それでは今日はこの辺で。今日はトラツグミフーズの井狩さんとお送りしてきました。お相手は八十島朔と、
酢木：酢木苺でした。さようなら！
井狩：さようなら！

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井狩：この番組は、野鳥と人間との共生を目指す、トラツグミフーズの提供でお送りしました。

八十島：ナレーションうっま笑笑

酢木：さすが笑笑……来週も、お楽しみに！

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今週木曜日まで愛鳥週間！　ということで空想ラジオの二人にバードウォッチングをさせました。書いていてわたしもバードウォッチングに行きたくてうずうずしてきました（とらつぐみ・鵺）