ノン・アサーティブ・ストーカー(小説)
職場の同僚、八津瑠璃香に盗聴されていることに気づいたのは、4月の初め、湿度が高くてやたらと暑い晩のことだった。
社宅のワンルームの部屋。玄関入ってすぐ、下駄箱の下あたりにある、何に使うのかよくわからない(のであまり使っていない)コンセントに、見慣れないコンセントタップがついていた。
それを見つけた私は、防災用にと最近買った小型ラジオの電源をつけ、そこに近づけてみた。案の定、電波は乱れノイズが入った。典型的なコンセント型盗聴器だ。
コンセントは他にもあるのに、普段あまり抜