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ゲストとウミガメのスープで遊ぶ回:空想ラジオ「朔と苺の人間嫌いと人見知り」②

♪(軽快なジングル)

八十島:この番組は、シンガーソングライターの八十島朔やそしま さくと俳優の酢木苺すのき まいが、視聴者からのお便りを読んだり読まなかったりする身勝手なトーク番組です。

酢木:『その餌付け、本当に鳥のためですか?』野鳥と人間との共生を目指す、トラツグミフーズの提供でお送りします。

♪(フェードアウトしていくジングル)

(CM)

♫    ♫   ♫

八十島:ラジオをお聞きのみなさん、こんにちは〜!5人組バンド「シトラス」でヴォーカルをやっています、八十島朔です。こちらはね、舞台とかで、あの、活躍している女優の酢木苺さんです。
酢木:酢木です〜こんにちは!

八十島:えー、今日はなんと、私たちのラジオに初のゲストが来てまして!
「シトラス」のギターを担当していて、ソロでの音楽活動やタレント・モデル・俳優業などマルチに活躍している、甘夏莉里あまなつりりさんです!

甘夏:こんにちは〜! よろしくお願いします〜!

酢木:朔ちゃん、朔ちゃん
八十島:はい、
酢木:緊張してる?
甘夏:かれこれ8年の付き合いなのに!?
八十島:普段ゲストなんて呼ばないから、いつものスタジオじゃないみたいで……
酢木:ゲストっていってもほぼ身内みたいなものじゃん……私も何度かお会いしたことあるし

甘夏:いつもの感じでオープニングトークしてよ、『きのこの山をカサと柄のどっちから食べるか』とか。
酢木:ひょっとして、このラジオ聞いてくれてる?
甘夏:もちろん、毎週聞いてます!
酢木:えー嬉しい!

八十島:毎週? メンバーの出てるメディアは全部チェックしてるって話ほんとなの?
甘夏:みんなの活躍を一瞬たりとも見逃したくなくて
八十島:え、怖い怖い
甘夏:移動中とかにテレビ見たりラジオ聞いたりSNSチェックしたり。グループ名でエゴサ? とかもよくしますね。
八十島:なんというか、そういう性癖なのかな、情報を食べるのが好きというか。

酢木:そう言われると納得かも。甘夏ちゃん、テレビや雑誌でよく拝見して、すごい勉強家だなというか……演技のお仕事も去年くらい? からなのにめちゃくちゃ上手で。
甘夏:ほんとですか!? 嬉しいです。
酢木:この前もドラマで、悪役? じゃないけどヘイトを買いそうな感じの役やってたじゃない。なのにめちゃくちゃハマってるねって、朔ちゃんとも話してて。
八十島:演技してるというか、ほんとにああいいう人格があるんじゃないかって……
甘夏:二重人格みたいな?笑笑


酢木:笑笑 そんな二重人格疑惑の甘夏ちゃん宛に、たくさんお便りが来ていまして、
甘夏:その受け方やめてください笑笑
八十島:ここにね、プリントアウトしてありますけど。先週、番組のSNSでゲストを発表してから、「普通のお便り」がWEBフォームにいつもの倍ぐらい来まして……
酢木:別に募集してないのに、質問とか悩み相談もたくさん来てます。
甘夏:めちゃくちゃありがたいですね。
八十島:……来てたんですけど、あえて、今回は読みません!

(書類がバサバサと舞う効果音)

甘夏:なんでですか!
酢木:理由は、単純にジェラシーですね。あと質問については募集してないし。
甘夏:理不尽……!

(紙をガサガサ集める音)
八十島:全部読ませてはもらってますよ。アンチのコメントは焼いといたんで、どうぞ。
酢木:アンチというか、否定的なコメントとか全然なかったけどね。うちのラジオ、リスナーはみんないい人だから。
甘夏:わあ、ありがとうございます……


(チャイム音と『散らかしたお便りは八十島が拾って、甘夏が全部読みました』というナレーション)

📄 📄 📄


酢木:さて、せっかくゲストが来て、いつもは2人なのが3人になったのでね。
甘夏:はい
酢木:せっかくなので3人でできる遊びをやろうかなと
八十島:このラジオをお楽しみ会かなんかだと思ってる?
酢木:今回やる遊びは「ウミガメのスープ」です!

八十島:ウミガメのスープって、なんでしたっけ。
酢木:はい、例えば、「男はレストランでウミガメのスープを飲んだ後自殺した。なぜか。」というような問題に対して、出題者に「はい」「いいえ」で答えられる質問をして謎を解くゲームですね。

酢木:今日は各自問題を持ってきてもらってるので、出題し合おうかなと。
甘夏:自分でこういうの考えるの好きなので、作ってきました!
八十島:お、自作もあるのか、楽しみだな...…


(ウミガメのスープ出題一覧)



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問題①「食べ物の恨み」

「食べ物の恨み」
男はあるレストランで友人と食事を楽しんだ後、恨みを買って殺された。何故か?

出題:酢木 苺

酢木:ウミガメのスープの例題のオマージュじゃないけど、そんな感じの問題にしてみました。
八十島:チュートリアル的な感じですかね。シンプルで逆に難しいな……

甘夏:じゃあ早速。えーっと、男が恨みを買ったのはレストランで食事をしたせいですか?
酢木:はい
甘夏:犯人と男は知り合い?
酢木:はい
八十島:犯人は一緒に食事をした友人ですか?
甘夏:「友人と食事を楽しんだ」ってさっき言ってたじゃん。
八十島:楽しかったのは男だけで、友人はみんな嫌だったのかも。
酢木:笑笑 いいえ。そういう人間不信になる小噺ではありません。
八十島:違うか……

甘夏:友人ではないけど、男と同じレストランにいた人ですか?
酢木:いいえ。
甘夏:あ、違うのか。騒がしくて他の客に迷惑かけたとか、店員さんへの態度が悪かったとかでもない。
酢木:違いますね。
八十島:……食事に1人だけ呼ばれなかった友人が犯人?
甘夏:笑笑 人間不信小噺の続きかな?
酢木:食事に呼ばれなかった友人が犯人ではないです。
八十島:でも、誰かしらその場にいなかった人間の恨みを買ったってことよね。

甘夏:ひょっとして、男はお母さんか奥さんか、ご飯を作ってくれる人に無断で外食したとか?
八十島:あ〜〜、それは怒るわ。でもそれだけで殺人の動機になるかな?
甘夏:1回ではならなくても何十回もやられたら頭来るかもよ。
酢木:ん〜〜、かなり惜しい。
甘夏:ほんと? 犯人は家族ってこと?
酢木:はい。
八十島:犯人は奥さん?
酢木:はい。

八十島:なるほど……?
甘夏:男が無断で外食したのが理由っていうのは合ってる?
酢木:はい。
甘夏:でもまだ完全な回答じゃないと。その日は結婚記念日で、一緒にご飯食べようって話してたのに、忘れて友達と飲みに行っちゃったとか?
酢木:あー、違います。
八十島:考えうる夫婦間のトラブルを全部出していけばいずれ当たるな。
甘夏:笑笑 推理しようよ。

八十島:推理というかって感じではあるけど、ウミガメのスープの例題にない細かなディテールが関係している気がする。
甘夏:というと?
八十島:「友人と」食事を「楽しんだ」ってわざわざ言ってるじゃない。無断で外食しちゃったという事実をいうだけならそのディテールいるかなって思って。あとは、タイトルにも入ってる「恨み」ってワードよね。これも意味深。
甘夏:なるほど。
酢木:ふふふ
甘夏:意味深な笑みを浮かべてる。

八十島:奥さんは……嫉妬じゃないけど、男が自分抜きで楽しく食事をしたことに腹を立てた?
酢木:はい。もう正解みたいなものだけど一応聞こうか。
八十島:男の奥さんは、病気で療養中か、あるいは幼い子供がいるかで、とにかく家から出られなかった。そんな中で、自分に黙って夫が呑気に友達と外食しやがったので、腹を立てて殺してしまった。
酢木:……正解です!
甘夏:おおーっ!

答え①

男は、妻に黙って外食したり友人と飲み歩くことがしばしばあった。その悪癖は彼の妻が妊娠し、赤ちゃんを産んでからも続いた。ある日、いつものように楽しく友人と食事をした男が家に帰ると、そこには乳児の世話でやつれた妻がいた。しばらく口論した末に、妻は男を包丁で刺して殺してしまった。男の悪癖は、男が知らないうちに妻に根深い恨みを募らせてしまっていたのだった。

甘夏:悲しい事件ですね……
八十島:男を庇い立てできる言葉が何も浮かばないな……さっき莉里が言ってたあれじゃないけど、積もり積もればこういうのは「恨み」になるよ。
甘夏:1問目からかなり重い問題でしたね……

🍜  🍝  🍛

問題②「朝活で起きた悲劇」


「朝活で起きた悲劇」
男は朝の公園でランニングを始めた。その公園は大きな池がある静かな公園で、男は気に入っていた。毎朝すれ違う、芝生広場でイヌの散歩をする人や、池の周りを散歩するのが日課のお年寄りと明るく挨拶を交わしていたが、ある日、その公園を走るのが嫌になって別のコースに切り替えた。なぜか。

出題:八十島 朔

八十島:気を取り直して次の問題、って言おうと思ったけど、こっちも悲劇って書いてあるな笑笑
酢木:朝活って、朝早く起きて運動したりとか、色々有意義な時間の使い方することよね。私は朝に犬の散歩してるけど、あれも朝活の一種かも。

八十島:莉里は何か朝活してる?
甘夏:午前中に帯番組ある日は現場入りが早いから、5時半に起きてワールドニュース見て出勤してるね……
八十島:ビジネスマンの朝?


甘夏:えっとじゃあ早速、質問していくね。男が嫌になったのは、公園の設備が理由ですか?
八十島:いいえ
酢木:毎朝すれ違う人が理由ですか?
八十島:はい
酢木:やっぱり人間がいるところにトラブルあり、か。
八十島:人間は愚かだから。

甘夏:笑笑 えっと……イヌの散歩をする人とトラブルになりましたか?
八十島:いいえ
酢木:じゃあ老人の方とトラブルになりましたか?
八十島:うーん……トラブルになったかというと、いいえかな

甘夏:ん? 老人に原因はある?
八十島:はい
酢木:トラブルにはなってないけど老人の何かが嫌になったんだ。それは匂いと関係ありますか?
八十島:いいえ
甘夏:老人はおばあちゃんで、なぜか裸でずっといるみたいな……?
八十島:笑笑 いいえ、見た目的なものではないかな。
酢木:老人が何かしているのが嫌になった?
八十島:はい
甘夏:それは池と関係あったりします?
八十島:はい
甘夏:素っ裸で泳いでるとか……?
八十島:裸のおばあちゃんから離れなさい。

酢木:あ、はい!
八十島:はい、酢木さんどうぞ
酢木:老人は、池にいるカモに餌をあげていて、餌付けはよくないと知っていた男は毎日それを見るのが辛くて、居た堪れなくなった?
八十島:……正解!!!
酢木:やっぱり笑笑
甘夏:なんでわかったんですか笑笑 これだけのヒントで……
八十島:あのー、これ実は、思想が強いスポンサーのごり押し問題ですね。

答え②


野鳥に無闇に餌をあげることは、鳥が自力で餌を採る力を無くしたり、栄養が偏ったり、鳥を集めて感染症のリスクを高めたりと、百害あって一利なし。毎朝パンの耳をビニール袋にたくさん詰めて池にやってくる老人にそれとなく言っていたが老人は餌やりをやめず、いっときは押し問答寸前になった。これ以上はトラブルになると思った男は、ランニングコースを変えた。野鳥の餌やりが朝の平穏な時間を奪った悲劇である。


酢木:笑笑 池に関係あるって聞いた時わかっちゃった。たまにスポンサーが、野鳥の餌やりネガティブキャンペーンの原稿渡してくるから。
八十島:今日のどっかで言えって言われて、えっどこに入れようと思って……
甘夏:それがパッと浮かぶってことは、2人ともだいぶ洗脳されてますね笑笑
八十島:笑笑 それはそう。

🦆 🦆 🦆

甘夏:じゃあ最後は私から出題しますね。
酢木:お、自作の問題ですね。
甘夏:はい、自作なのでちょっと無理あってもご容赦いただければ...…
八十島:急に予防線張りだした。大丈夫だよ笑笑
酢木:うちのリスナー、誰も文句言わないから笑笑

問題③:もったいない母さん


「もったいない母さん」
真由美は働きながら幼い娘を育てている多忙な女性だ。彼女はある日、あるものを使い切ってしまったことに気づいたが、無事に使い切れたことにホッとした。なぜか。

出題:甘夏 莉里

八十島:また趣向の違う問題がきましたね。
酢木:何かしら悲劇が起きてたけど、今回はほっとした話なんだ。
甘夏:さあ、質問をどうぞ!

酢木:え〜なんだろう……そのものは食品ですか?
甘夏:いいえ
八十島:薬ですか?
甘夏:いいえ
八十島:娘の病気が完治した的なのではないんだ
酢木:なるほど……でもそれだと『無事に使い切れた』ってのが変だよね。
八十島:たしかに。薬は飲まない方がいいものか......

八十島:そのものは何かしら使用期限があるものですか? クーポンとか
甘夏:いいえ笑笑
八十島:「もったいない」ってタイトルにあるから、クーポン貰ったのに使い切れなかったらガッカリする的な話じゃないんだ。
酢木:それを使い切るには、長い時間……1年以上かかるものですか?
甘夏:うーん、人によると思うけど、普通はそうですね。
八十島:有給休暇ですか?
甘夏:笑笑 違います。

酢木:ん〜、『何を使い切った?』じゃなく『なぜ』っていうのも気になるのよね。
八十島:というと?
酢木:わざわざ問題にするってことは、そのものは、普通は使い切ってもほっとしないってことじゃない。
八十島:あ〜なるほど。
酢木:何かしらアクシデントが起きたってことよね。
甘夏:はい。

八十島:買って保存しておくつもりが間違って開けちゃったものとか? 非常食的な……あでも食品ではないのか。
甘夏:違いますね。

八十島:だよね...…アクシデントってほか何があるかな?
酢木:間違えて買ってしまったとか? 年賀状がまだいっぱい余ってるのに、元旦に追加で買ってしまったとか。
甘夏:違います。
八十島:あるあるだけど、そんな急に年賀状出す人増えないから使いきれなくない?
酢木:確かに笑笑


酢木:あ、ひょっとして、そのアクシデントって、娘っていう要素と関係ある?
甘夏:はい。ありますね。
八十島:お、閃いた顔してる。
酢木:娘ちゃんは……お母さんの化粧品にイタズラしちゃいましたか?
甘夏:あ〜〜、まあ、正解でいいでしょう!
酢木:やった〜!

答え③


真由美はある日、娘から目を離した隙に、娘が自分の持っている口紅を全部繰り出してしまっていることに気づいた。繰り出すと戻らないタイプの口紅だったので、真由美は折らないよう慎重に塗り続け、とうとう使い切ることができたので、安堵のため息をついた。


八十島:繰り出すと戻らないタイプの口紅か〜盲点だった……
酢木:パッケージにちっちゃ〜い文字で「一度繰り出すと戻りません」って書いてあるタイプのやつね。気づかずやると絶望がすごい。

甘夏:これ実は私の実体験で......私がちっちゃい頃母の口紅でいたずらしたこと、未だに言われています。
八十島:笑笑 「あれ使い切るの大変だったのよ」って?
甘夏:コラボ化粧品出した時も「繰り出したら戻らないタイプはやめなさいよ!」っていじられた。

八十島:面白すぎるな笑笑 見事当てられたってことは酢木さんも同じ経験が?
酢木:私も母の化粧品で遊んで怒られたことがあって。その時は不運にも口紅を折っちゃったんですけど
八十島:あ〜、辛すぎる
甘夏:同じ傷があるもの同士、これからも仲良くしましょう。
八十島:どっちかというと、加害者側じゃない?
酢木:笑笑 たしかに、傷があるのはお母さんの方か……

💄  💄  💄

八十島:……というわけで、今日は甘夏莉里さんとウミガメのスープをやったわけでしたが、いかがでしたか?
酢木:せっかく緊張ほぐれたと思ったのに、最初の感じに戻っちゃった。
甘夏:笑笑 心の距離は縮まらなかった……
酢木:大学時代から一緒なのに笑笑

甘夏:ちなみに私は、きのこの山は柄の部分から食べる派です。
八十島:あー、酢木さんと同じタイプ。
甘夏:カサのチョコが手についちゃうというデメリットはあるけど、やっぱりクラッカーのサクサク感をまず味わいたいという。
酢木:きのこの山のアイデンティティはそれだからね。
八十島:うーん、2対1は分が悪いな……
酢木:きのこ・たけのこ派は一致してるのに、細かいところでは分かり合えないという。
八十島:世界から争いがなくならないわけですよ…‥

八十島:というわけで、今週はこの辺で。お相手は、八十島朔と、
酢木:酢木苺と、
甘夏:甘夏莉里でした! また来週!


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八十島:この番組は、野鳥と共に創業2周年、トラツグミフーズの提供でお送りしました。

酢木:来週もお楽しみに!

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存在しないラジオ、何故か続きました。創業2年で単独スポンサーの番組が持てるトラツグミフーズ、一体どんな企業なんですかね(とらつぐみ・鵺)