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20年以上前に手汗が凄くて手術した話③

目の前には見覚えのない天井が、、、

僕の心の声「ここどこ?」

あたりを見回そうと上半身を起こそうとすると、見知らぬ看護師2人が自分を押さえつけます。

僕「???」

頭がパニックになり、自分を押さえつける看護師を振り解こうとすると、その看護師の後ろに不安そうな母親が見えます。

徐々に周りの声も聞こえてきました。

看護師「落ち着いて!安静にしてください!」

僕の心の声「え、何言ってるの?」

そう思った瞬間に自分の身体が目に入りました。手術着がはだけ、両脇から2本ずつ、計4本のカテーテルが上半身に刺さっています。
と同時に股間の違和感にも気づきました。大事なところにもカテーテルが刺さっています。

その時に全て分かりました。

「あ、そっか終わったんだ、手術、、」

初めての全身麻酔だったのですが、手術台で麻酔用のマスクを被せられてから、瞬きをしたらこの部屋に移動していた感覚でしたが、実際は1時間の手術を終え、更に3時間ほどベッドの上で寝ていたようです。

また、全身の感覚が戻ってくると、とにかく喉が渇きます。。水を飲みたいのですが、この後ベッドの上で5時間は水分を取ってはいけないと言われ、全身の痛みに耐えてベッド以外何もないこの部屋で、ひたすら時間が過ぎるのを待ちます。

その間、同じ部屋に僕同様に全身麻酔で眠った状態で運ばれてきた20代くらいの女性がいましま。彼女は目が覚めると、「ギャー!!!!」と言って大暴れしており、それを看護師が数人で押さえつけつけていました。

僕もあんなんだったのか。。

近くにいた母親に聞いてみましたが、あそこまで大暴れはしていなかったとのこと。
看護師にも聞きましたが、僕は目が覚めた時に比較的落ち着いていた方だったらしいです。

その後5時間がやっと経ちました。水分を飲む前に股間のカテーテルを看護師さんに抜いてもらったのですが、これがものすごく痛かったです。。

その後、念願の水を飲み、手術当日は無事終了しました。

そこから3日ほど入院しました。初日はカテーテルを長時間刺していた影響か、おしっこが全然出なかったのですが、深夜になって何とか出ました。。
また上半身でカテーテルを刺していた箇所はまだ各所麻酔が残っているのか、感覚が無く、ものすごく違和感です。

ですが、何より嬉しかったことは、手術が終わった瞬間から、手のひらから汗が一切出なくなったことです。

生まれた時からのコンプレックスがなくなったことが嬉しすぎて、入院中はずっと手のひらを見つめて過ごしていました。

そして3日間の入院を経て、無事に退院することができました。

この年から手掌多汗症の治療にも保険適用されることになったため、費用は全部で12万円くらいだったと思います。

あれから約20年経った今も、手のひらから汗が出ることはなくなり、快適そのものです。

ただ人間の体がかく汗の量は変わることがないらしく、今まで手のひらから出ていた大量の汗が背中やお腹から出てくることがあります。代償性発汗というやつです。

この代償性発汗は手掌多汗症治療の副作用として有名なのですが、僕はほとんど気になりません。と言うのも、それまでの手のひらからの大量の汗が苦痛過ぎたため、背中やお腹から多少汗をかいても相対的に気にはなりませんでした。

また手のひらは緊張だったり、それ以外でも突発的に汗が出始めることがあったのですが、代償性発汗で背中やお腹に汗をかくのは、僕の場合は単純に暑い時だけです。

真夏は上半身が汗でびしょびしょになることも多いのですが、そんな人は世の中にたくさんいるし、ポジティブに捉えれば新陳代謝が良くなった考えることもできるので健康にも良いように思ってます。

とにかく、手のひらからの大量の汗に比べれば、僕は代償性発汗は全然気にならないので、やっぱり頑張って手術をして良かったと心から思います。

ただ全身麻酔での手術はなかなか大変だったので、もし同じ悩みの人がいた時に、簡単にはやった方が良い!とは言えないのですが、この記事を書くにあたって20年ぶりに手掌多汗症の手術について調べてみると、今は日帰りで内視鏡手術を受けられるようです。

僕が受けた時から20年経っているので、医療も進歩し、あの頃に比べて今は体の負担も減っているようです。

手のひらの汗で悩んでいる人は、それは「体質」で割り切るものではなく、深刻な「症状」かもしれません。

すごく悩むのであれば、手術という選択肢も考えてみてはどうかと思います。

僕はやって本当によかったです。

#手汗
#手掌多汗症
#代償性発汗
#コンプレックス


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