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生きる意味を感じられなかった時に出会った、たった一つの大切なこと。

一昨年の今ごろまで、「僕は生きている意味なんてないのではないか。」が口癖だった気がする。

当時も今と変わらず納得感を大切にしながら様々なプロジェクトに取り組んではいた。しかし今と違ってなかなかお金にもならないし、ほとんどのモノが評価されていなかったと思う。

社会と繋がってる感覚が全くなかったのだ。

だからかつい、「僕は生きている意味なんてないのではないか。」と日々感じていたのだと思う。どれだけ周りに大切な友達がいても、いつも心の真ん中がぽかんと空いている心地が続く毎日だった。

そんなときだった。納得感を大切にする感覚や、ものづくりへのこだわり方はすごく似ているのに、僕に圧倒的に足りない要素を持ってる人に出会った。僕は彼女と出会ってから、本当に大きな変化があったと思う。

今日はそんな人との出会いとその人からもらった大切なことを話したいと思う。9月5日だし。

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僕は4年前に、一週間で蕁麻疹が出て、すぐに会社を辞めることになった。そしてMIKKEという会社を作った。

会社を作ってしばらくは、全くお金にもならないし、誰にも理解されない状態が続いた。自分や関わる人の納得感を大切にしたり、本質を見極めようとすればするほど、社会の当たり前とは遠ざかっていく。いろんな人からは、なんでそんな儲からないことやってるの?と散々言われる。納得感なんてもう捨てて仕舞えば良いんじゃないか。妥協しても良いんじゃないか。という言葉が何度も頭によぎった。

周りに大切な友達はいるのに、その人たちが見えなくなってしまいそうになるぐらいには、生きていることが辛かったかもしれない。

だから余計に社会と繋がってる人には嫉妬をしてた。羨ましいなんてポジティブな感情ではなくて、なんなら悪口が漏れそうになるぐらいの状態だった。

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一昨年の夏の終わりぐらいに友達に誘われたキャンプに行った時に、僕はある人と出会った。

赤澤えるという人だ。最初のイメージは、髪も服も赤い人。笑

友達も多く、フォロワーも多い。自身のやってるブランドもめちゃくちゃ売れていて、そして熱狂的なファンもたくさんいる。さらにそんな結果を出していながら自分や関わる人の納得感をすごく大切にしている。

悔しかった。完全に嫉妬していたと思う。

しかしこのキャンプでは、えるちゃんとほとんど話すことはなかった。それにその後も連絡をとることもなく、お互いにSNSで繋がってるというだけだった。

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それから半年後ぐらいに、突然地元の友達からこんなメッセージが届いた。

内容は、えるちゃんを札幌で行われるTED×に誘いたいというものだった。僕がえるちゃんもいたキャンプの様子を、Instagramであげたのにたまたま写っていたのを見て、僕に連絡をしてくれたらしい。

キャンプでもほとんど話していないし正直どうしようか迷ったが、TEDxという人生に一回出れたら良いぐらいの大舞台への誘い。いくら僕がそんなに話したことがないとはいえ、この機会を逃すのは良くないと思ったし、僕自身もこれを機に話してみたいと思ったので連絡してみることにした。

えるちゃんからはすぐに返事が届いた。そしてその返事が僕にとってとても衝撃的だったのだ。

日の目を浴びていて、社会とつながることができ、そしてフォロワーも多い。そんな人はきっと自分の自信に満ち溢れていて、返事もすぐにはしないだろうし、そっけないんだろうなんていう先入観が僕にはあった。(本当に最低な先入観だ。)

しかし彼女は真逆だった。めちゃくちゃ返事が早くて、ものすごく丁寧。文章も暖かい。それに何より僕のことも見てくれていて、"僕のことを友達がいっぱいいて周りにいろんな人が集まっていて羨ましい"とまで言うのだ。

一見すごく当たり前に見えるかもしれないけど、僕がこれまで出会ってきた中で、彼女のようなコミュニケーションの取り方ができる人を本当に見たことがない。それまで嫉妬心を抱きまくっていたことが恥ずかしくなるぐらいに、なんなら自分の醜い感情が嫌になるぐらい感動した。

えるちゃんの紡ぐ言葉はとてもピュアだ。そしてドラマチック。どれだけ興味がなかったとしても、なんなら少し嫌な気持ちを抱いていたとしても、いつの間にか好きになってしまう。そんな言葉の使い方をするのがえるちゃんの凄さの一つ。

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そしてそれからまた数ヶ月が経った時に、えるちゃんとよく仕事をしている方から突然連絡が来た。僕に相談したいことがあるからえるちゃん含めて話したいとのこと。

TED×の時から特別連絡も取り合ってないし、もちろん話してもいない。お互いのTweetにたまにいいねをし合うぐらいだ。僕はえるちゃんのやってることをなんとなくは理解していたけど、僕のやってることはわかりにくいし、こんな風に突然相談を受けるということは当時ほとんどなかったから、かなり驚いた。

えるちゃんはたくさんのことを話してくれた。

当時の会社との出会いやブランドの立ち上げやこれまでの運営について。大量生産を目的化している資本主義への違和感。そしてもっとものづくりを探求したいということなど、本当にたくさんのことを話してくれた。

僕は元々人の話を聞くのが苦手で、すぐに自分の話をしたくなってしまうのだが、えるちゃんの話はそんな隙もなくどんどん僕の心にぶっ刺さって行った。話を聞けば聞くほど共感ばかりだったのを覚えている。

それからとにかく、たくさんえるちゃんの話を聞いた。何度も会い、彼女のこれまでのこと、ものづくりに対する考え方、何に違和感を感じるのか、どんなことを大切にしていきたいのか、本当にたくさんの話を聞いた。

えるちゃんは想いを共有することを本当に諦めない人だ。それにただ闇雲に自分の話をするのではなく、大切に言葉を選んで話し続けてくれた。

そして約1年が経ち、僕はえるちゃんと会社を作った。

会社の名前は「私たちの株式会社」。

えるちゃんは人生をドラマチックにする天才だと僕は思う。そしてそんなドラマに僕を巻き込んでくれた。そしてそのドラマはえるちゃんだけのドラマではなく、もう私たちのドラマなのだ。

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そして今日、9月5日。

この文章の主人公でもある、えるちゃんは東京ガールズコレクションに参加している。

9年前の今頃は、彼女は東京ガールズコレクションのランウェイの床を拭いていたと言う。そんな彼女は、9年後の誕生日を迎える今日、自らのブランドを身に纏うモデルの方々が東京ガールズコレクションのランウェイの上を歩いているのだ。

詳しくはこのnoteに書いてあるから是非読んでほしい。


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僕はMIKKEを作ってから、とにかく自分や関わる人の納得感を大切にしてきた。諦めれば楽なのに全然諦められなかった。だから最初の数年は本当に辛かった。誰にも理解されていない、生きる意味を感じられない。そんな心地がずっと続いていた。

そんな社会と繋がれなくて辛いときに、僕はえるちゃんに出会った。

彼女は自分の人生、できごとを、ドラマチックに楽しく、自分自身が誰よりもまずワクワクしながら話してくれる。

僕に足りなかったのはまさにこれだったんだ。

誰かを否定するわけでもなく、意見を言うわけでもない。自分の過去、現在、未来のなかで起きる出来事をいかにドラマチックにしていけるか。辛いことも全部、来るべく時のための大切なワンシーンにしていく。

そしてそれを誰よりも自分自身が楽しむ。そして大切な人にはとにかく言葉一つ一つを大切にしながら伝えていく。

そんなことを、今日誕生日を迎える赤澤えるという仲間であり大切な友達から教わった。

僕にとって赤澤えるとの出会いは本当に大切な出会いの一つ。

いつもありがとう。そして誕生日おめでとう。

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