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麦汁とCOPELANDと私


今年の1月中旬、横浜のとある居酒屋にて、

「ビール工場見学に行きたい!」と、友人が言ってきた。もしかしたら、私が言ったのかもしれないがこの際どうでもいい。

なら行こう。と横浜の生麦にある。キリンビール工場に行ってきた。時期的にコロナウイルスの流行る少し前だったため、見学には参加することが出来た。平日にも関わらず、人が多かった気がする。

もちろん見学に来ている人の大半はビールの試飲が目的だと思われるが、私は違う。ビールが出来るまでの過程を知って知識を増やしたいという理由で見学に来た。

というのは、嘘である。本当は飲みたくて飲みたくて仕方がなかった。だってタダで3杯も飲めるのだから。

工場の中は一歩足を踏み入れるだけで、麦の香りが漂ってくるぐらい香ばしかった。そして、一番搾りというビールでは、一番搾り麦汁を使っていると教えてもらい、一番搾りの麦汁を試飲させてもらった。

この麦汁がものすごく甘く、そして美味しかった。比較用に二番搾りも頂いたが言葉の通り2回目ということもあってか味は薄くなっていた。そして一番搾りというビールは、一番搾り麦汁のみを使用しているとのこと、本来ならプレミアムビールという位置づけで価格を上げる予定だったそうだが、社運をかけてあえて通常価格で提供したという経緯があるという。

さていよいよ試飲である。試飲では、一番搾り(黒)
一番搾り 一番搾りプレミアムを飲んだ。もちろん美味しかった。

でも、まだ飲み足りない。ということで、併設されているSPRING VALLEY BREWERYにお邪魔した。

そこでは、定番の6種の飲み比べセットがあったため頼んでみた。どれも聞いたことのない名前で味の予測が全くたたない。本来なら全部のビールの感想を書きたいのだが、今回は、左から2番目のCOPELANDについて書こうと思う。

飲んだ感想を一言で表すとするならば、それは、

        麦汁

だということだ。失礼かもしれないが、この一言しか出てこない。それぐらい衝撃的だった。一緒に来た友人と顔を合わせて「麦汁だ!」と言ったぐらい麦汁の味だった。工場見学で麦汁の試飲をしていたからこそ麦汁だと分かったことに、私は1人で感動していた。

この時から私はビールなんてどの会社のも同じ味という考え方から一転、会社ごとに何を重視してビールを製造しているのか、ということに興味が湧き様々な企業のビールを飲むようになった。

それでもまだ、あのCOPELANDの衝撃を超えるものはない。それは、私がビールの美味しさに気づいてまだ半年しか経っていないから、という理由もあるのかもしれないが、たまにあの味が恋しくなる時がある。

今飲んだらどんな感想が出てくるのだろう。やはり「麦汁だ!」という感想なのか、それとも違う感想なのか、COPELANDよ。また乾杯しよう。


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