選択肢無し!

僕たちに案外選択肢は無い。特にいざというときに限ってだ。

進路や就職、結婚などもそうだが、そんな場面に限って選択肢が無いのだ。

悲しいようにも聞こえるけど、だから生きられるのかなぁとも最近思う。決めてもらえるってありがたいことでもある。

結局、選ぶ道なんていくつも無かったなぁとここんとこ思うのだ。自分が選んだつもりでも、「これしか無い」という道の最中にみんないる。

新宿駅や渋谷のスクランブル交差点。テレビに映る「日本の中心」だ。都内在住の僕はここに日常的に訪れている。

僕はここを読みに来てくれているほとんどのひとが都内に住んでいないんじゃないかと思っている。勘だけど、当たっている気もする。

当たり前だけど、日本の人口割合は地方人の方が多い。東京にひとが多いのは事実だが、全体の一部ではある。そして、田舎育ちのひとはわりとその一部になりたがる。

僕の人生にも「東京」は交差した。この生活は長い人生の一部かもしれないし、大半かもしれない。

全体像を見ないと、つまり終わってみないと、死んでみないと割合は分からない。後から「嗚呼、東京にいたのなんてちょっとだったなぁ」なんて思うのかもしれない。

上京という道を自分で選んだ気もしているが、俯瞰的に改めて考えると「たくさんの道の中から選んだ」とは言い難いのだ。あのタイミングの僕には他に選択肢も無かったのだ。

音楽を始めたのも同様だ。他に手段が無かったからだ。おそらく思春期に何の問題もない子どもであれば、楽器なんて触らなかった。解散したことも道が他に無かったからだ。

たぶんいろいろなことは「選んだ」のだけど、他に選択肢が無かったというのが本当のところだ。

さまざまなアレコレを思い返して、人生は選択肢が少ないものだと振り返れる。

後ろには決して戻れないけれど、前だけを向いていたら、忘れてしまったであろう思い出がいくつかある。そしてそれらがイマの自分を作っているのも事実だ。

重要なときに限って、僕たちに選択肢は無い。
だけどそれはそんなに不幸な話でもない。
「なるようにしかならない」っていうのは、「なるようにならばなる」ってことだ。

不満でいっぱいにしていたら、何も見えなくなる。不満足と照らし合わさないと「向上心」という概念を携えられないわけじゃない。

満足しながら良くなることはできる。むしろ最近は満足していないと良くならないんじゃないかとすら思う。


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