見出し画像

入れ替わり生活で得られたもの / 【夫社長⇔妻主婦】入れ替わり生活まとめその1

僕たちは、夫(拓也)が中小企業の経営者、妻(優美子)が兼業主婦という夫婦です。7月18日から8月24日まで二人の生活をまるっきり入れ替えてみようという話になり、先日無事に入れ替え生活を終えることができました。1ヶ月近い入れ替え生活を経て、気付いたことがいくつかありますので、今回はそちらをまとめたいと思います。

以前の記事は下記からご覧になってください。

がっつり仕事をする経営者という立場の人間が主夫をしてみた感想。そして、午前中だけ外で働き午後から主婦をしていた人間がフルタイムで働いたときの感想。それぞれ違う立場だった者だからこそ感じられることがありました。今回は、この体験を通じて得られたもの、良かったことを中心にまとめたいと思います。

お互いの立場を以前よりも理解できた。

もともと僕はほとんど家事をしません。家に帰るのも、早くて19時、21時以降になることがほとんどです。そんな僕が主夫をしたことで、家で帰りを待つ人の気持ちを少し体感することができました。まず、外で働く人に対して、早く帰ってきてほしいという気持ちが起こるのは、家事や子どもたちを見るのを手伝ってほしいからというよりも、いてくれるだけでホッとするから、という方がしっくりくるように感じました。もちろん、手伝ってくれるのは嬉しいです。しかし、家でパートナーの帰りを待つ人が一番モヤモヤするのは、自分達を放っておかれること、つまり家庭に無関心であることなんだと身を以て感じました。怖いのが、当の本人は関心があるつもりでも、家にいる側からしたら無関心だと感じられる可能性があることです。
また、家事を手伝ってもらったときに嬉しく感じる一番の理由は、外で働く人が家庭のことを自分ごととして考えてくれていると感じられるから、なのだと感じました。もちろん、家事を手伝ってくれることによって負担が減ることも嬉しいのですが、それ以上に、外ではたらく妻が自分達の方を見てくれているという感じがして嬉しかったです。

次に、フルタイムで働いた妻の感想です。1日中誰かに見られながら働き、全く知らない人と話す事で、家で家事をするのとは違う疲労があったようです。肉体労働をしているわけでもないのに、ぐったりと体が疲れる感覚。自分の仕事の進捗が他の人に迷惑をかけるという事も、自分と子供のペースで物事が進められる家での環境とは違ったストレスを感じたようです。フルタイムで、ましてや残業して帰ってきた人に「家事をやってくれ!」と強く言うのは控えるべきだと思ったとのこと。それから外で働くことで普段感じているストレスや問題はすごく小さいことだったのかも、と考えられるようになったと言っていました。
それから、信頼できる人(夫)が家事も育児も全部やってくれるのだから、家のことを気にせずに外で仕事ができるのは楽しかったようです。例えば、保育所(他人)に預けると、自分達が目指す育児の方針とズレるのではないかという懸念があったり、実家であっても人に頼るのは気を使ってしまうので、家庭内ですべての問題を解決できて働ける事はすごく良い、とのことでした。

これらの感想は、もともとパートナーがそちら側の立場にいたこともあって、お互いが相手の状況を理解し、最大限の気遣いができる環境だからこそ。実際はもっと寄り添おうという気持ちがないと、すれ違いの原因になるのかもしれません。

働く人は、家のことを「手伝う」のではなく、もっと自分ごととして取り組み、本当の意味で家庭に目を向けること。
家事をメインでやる人は、外でがっつり働く人に無理をさせすぎないこと。もちろん、お互いの事情やしんどいこともあるから、自分のことを理解してほしいという気持ちになってしまいます。
でも、お互いがまずは相手を思いやって「してほしい」ではなく、「してあげよう」「一緒にしたい」と考えられるようになれれば、理想的だなと思いました。

お互いを手伝うことへのハードルが大きく下がった。

僕はこれまで、一人暮らしの経験と結婚後の妻との生活を経て、家事や料理がすごく苦手だと思っていました。お皿を洗っているとモヤモヤした気持ちになるんです。料理も、美味しく作れなくて食材を無駄にしている、と感じていました。
きっとそれは、頭の中に「仕事をしなきゃ」という意識がべっとりとこびりついていたから。家事をしている最中も仕事が気になり、落ち着かないのです。

家事をすることで仕事の時間が減る
→会社の業績が下がる
→家の収入が減る
→家事をすることは家族のためにならない
→家事をすると焦りの気持ちが出てくる。
という思考を無意識のうちに作っていたのかもしれません。

それから「妻がやったほうが速く、上手にできる」という認識もありました。
僕は効率化を求める思考をしてしまいがちなようで、その効率化を中心とした思考が、家事へのストレスとなっていたようです。

今回、半強制的に僕が家事をしないといけなくなったことと、僕が家事をしている間に妻が僕の仕事を進めてくれるという事実が、僕の意識を家事へ向けさせることに繋がりました。心置きなく家事ができるようになったことで「俺ってひとりでも結構家事できるやん」という体験を得ることになったのです。気付いたら片付けるといった事も自然とできるようになりましたし(当たり前のことなんですが)、妻の僕への認識もかわり「晩ごはん、メインだけ作って〜。こないだのやつ美味しかったから」といった感じで2人で料理をする事も増えました。

また、妻はもともと「事務仕事は分からん」といったスタンスだったのですが、パソコンや机に向かって考える機会が増えたことで、積極的に仕事に向き合うようになりました。これまでだと僕が処理していたような事務手続きも、やってくれるように。また、時間の使い方、優先順位のつけかた、他の人との連携のとり方、意思疎通の仕方など、学ぶことが多かったようです。


今回は、良かったことを中心に全体の感想をまとめました。
良いことだけではなく、反省点やその他の気付きなど、他にもありますので、また次回にまとめたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?