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40歳定年社会ってどうでしょう

現在日本では、定年60歳、希望者は65歳まで働くというのが一般的でしょうか。定年は昔に比べて引き上げられており、定年制度が出来た昭和初期は55歳が一般的だったようです。

僕は33歳です。年金財政が逼迫する中、老後を生き抜くために僕たちは何歳まで働く必要があるのでしょうか。サラリーマンであれば、65歳までは会社に在籍することが出来ます。しかし、人生100年時代と言われる中、65歳から年金に頼って生活するというライフプランで大丈夫でしょうか?もしかすると定年退職後も雇ってもらえる先を探して、70歳まで働く必要があるかもしれません。

65歳で退職した後、無理のない自由な働き方で、労働時間に対して収入の良い仕事に就けると思いますか。僕の父は50歳を超えてからパフォーマンスが下がり、体もついてこなくなってきたと言っています。70歳で充実した仕事環境を得られる人はごくごくわずかかと思います。あのトヨタでさえ、2019年に「終身雇用を維持するのは難しい」と発言していましたね。

老後生き抜くための手段として資産形成の話をするのも楽しいですが、少し違う切り口で。
40歳定年が当たり前になれば色々な問題が解決するかも?と思ったので僕の考えを書いてみます。

40歳で挑戦する人は、今でも少なくない

僕は京都でGROVING BASEというシェアオフィスを運営しています。コワーキングスペースの他、個室レンタルオフィスも20室あるのですが、特に個室には40歳前後で起業したという方が何人も借りておられます。

話をお伺いすると「40過ぎて、これから体はどんどん動かなくなってくる。挑戦するなら今しかないだろうと思って、前職のスキルを活かして起業しようと思ったんです。」と口を揃えて言います。最初は前職場から仕事をもらいながら、自分でも営業活動をして新たな得意先を見つけていくというやり方が多いみたいです。

もし40歳定年が当たり前になれば、このような「20歳前後で就職し、40歳で起業する」という人生プランが普通のことになります。40歳で起業することを意識し、20代〜30代でスキルや経験を積み、人脈を作るなど、学生時代の就職活動のようにしっかりと準備さえすれば、実現は不可能ではないと思います。
起業しなくても、「40歳からは企業は守ってくれない」という意識で働くだけで後半の人生の送り方が変わってくるはずです。

40歳で独り立ちすることが出来れば、企業に面倒をみてもらったり年金制度に依存しないように、老後のライフプランを自分で設計することが出来ます。20歳就職、60歳リタイアの2段階設計ではなく、20歳就職、40歳独立、60歳リタイアの3段階設計で人生を考えます。

企業側のメリット

40歳定年は企業にもメリットはあります。

年功序列の終身雇用の場合、年齢を重ねパフォーマンスが下がった社員に対して高給が支払われることになります。不要な管理職が増え、重要でない仕事がさも重要なことのように取り扱われ、ハンコの数が増えていきます。

40歳定年社会では、40歳になった社員は選択を迫られます。ある人は独立開業し、ある人は契約社員として継続して働き、ある人は40歳までにしっかりと資産形成しセミリタイアをする。基準を満たした社員が40歳以降管理職として働くコースが企業の制度であっても良いかもしれませんし、もしかするとフリーランスの管理職という人が出てくるかもしれません。契約社員の形も多様化していくでしょう。40歳以上の人だけが登録できるサービスも生まれそうです。

元社員を含む社外に仕事をふるのが当たり前になります。外部に仕事を投げるとコストがかかると思うかもしれません。しかし、雇用を守るためだけのコスパの悪い仕事を社内から減らし、全体の人件費を下げているため逆に利益は残るはずです。「この仕事に対して報酬はいくら」と、報酬が時間で払われるものでなく結果で支払われるようになり、無駄のないコスト管理が出来ます。

年金制度を維持するために定年を70歳まで引き伸ばし年金の支払いを先送りしたり、働く人の数を増やすため働きたくない人を働かせようとするよりも、働きたい人や働ける人がより効率的に社会的価値を創造するほうがよっぽど健全なように思います。

40歳定年の問題点

40歳定年社会になると、色々な問題も出てくるかもしれません。考えられることを書き出してみます。

・個人の能力に依存する社会になる
今のルールの中でも、大企業でさえ終身雇用を維持できないと言っています。終身雇用が崩壊していけば、能力が低いとクビ切りの対象になります。すでに個人の能力に依存する社会です。
重要なのは能力ではなく、「自分で考え、道を切り開いていく必要がある」という意識を持ち行動することじゃないかと思います。

・優秀な社員が会社からどんどんいなくなってしまう。
優秀な社員は今でもどんどんいなくなります。それよりも脂の乗った時期に快く送り出すことを約束し、外に出てからも仕事を与え、もちつもたれつの関係になる方が企業にとってもメリットがあるように思います。

・社内にノウハウが残らない
20歳〜40歳の社員だけで十分にノウハウは残るように感じます。古い情報や価値観が社内に根強くある事で動きづらくなるよりも、フレッシュな情報でどんどんアップデートする方が良いと思います。
10年前の本を読むより、最近出た本を読むほうが今の生き方にしっくりきますよね。

・外部に仕事を依頼するとチームの結束力が弱くなる。
コロナ禍は大変ですが、良い機会だったと思います。出社しなくても企業は成立しています。これからは同じ場所で働かなくても離れた場所でコミュニケーションがとれます。これは、社内だろうが社外だろうが、関係ありません。大切なのはいわゆる理念を共有し納得すること。距離が離れた分、企業であってもプロジェクトであっても、「なんのためにそれをやるのか」ということを大切にしないといけません。
チームの結束を謳った強制参加の飲み会は、もはや不信感を煽るだけです。僕は強制参加の飲み会や誰も喜んでいない形だけの接待が嫌で、花見を避けるように会社を辞めましたから。

40歳定年社会は実現できるか?

この記事を書くにあたって、「40歳定年」で検索してみたのですが、結構出てくるんです!課題は多いですが、やはり実現出来ればメリットは色々あると思います。

今、「40歳で定年です」と言われるとびっくりしてしまう方がほとんどだと思います。1社だけが40歳定年制を採用しても、異端な会社と見られるだけです。なので、社会全体でそういう雰囲気にしていく必要があります。
今、定年は段階的に引き上げられていますが、僕は段階的に引き下げていくべきじゃないかと思ってます。

僕は会社員をやめて、本当に色々な生き方をしている人と出会い、価値観が大きくひろがりました。だれでも自由に生き方を選択し、それがなるべくリスクとならないような世の中になれば良いなぁと思います。

なんの根拠もない、僕の頭の中を吐き出した記事でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。




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