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メタモルフォーゼの縁側、沁みました。

公開当時から気になっていた映画でした。
今回シネマンションの動画であんこさんが熱く語っていらっしゃるのを見てさらに気になり、観てみることにしました。
……ちょっと気分が落ち込んでいたので、優しい物語に触れたかったというのもあります……。

すごく、優しくてじんわりと心に沁みる作品でした。
何より、主人公うららと似たような経験をしてきた自分にとって、あの頃の熱量だったり、思い出が次々とよみがえり……まぁ、泣きました(笑)

自分もBLが好きで、そこから二次創作を始めて、即売会にも出ていました。1冊も手に取ってもらえないことも何度もありましたが、それでも同人誌を作ることがとにかく楽しくて、即売会のお祭りのような雰囲気も好きで、大学生時代は創作活動にのめり込んでいました。

自分にとって、BLとの出会いは人生のターニングポイントです。
劇中、雪はBLとは知らず、綺麗な表紙に惹かれて本を手に取ります。
自分も当時観ていたアニメの漫画だと思ってアンソロジー本を手にして、BLの世界を知りました(笑)
そこから知らない世界の扉を開いただけではなく、雪やうららと同じように友達ができて、自分で書いてみたくなり、書き始めました。
それがいつしか、ゼロから物語を書いてみたいという気持ちに変わっていき、捨てきれず、今になって奮起するというところまできました。

うららが漫画を描くための道具を用意して描き始めるシーン。
「これを本にして人に売る? 正気か、私……」なんて我に返りながらも、それでもひたすら描き続ける姿には本当にグっとくるものがありました。
自分もまさにそんな感じで、とにかく夢中だったんですよね。

あの頃の自分は、BLがこんなにも広く認知されるような日が来るなんて想像もしていませんでした。
だからと言って公言できるようになったかと言うと、また別の話ではあるのですが、ただ好きなものを「好き」と言える気持ちも大切にしたいと、この作品を観ていて思いました。
好きな気持ちを偽るのはやっぱり辛いです。

何かを「好き」だという気持ち、そしてそれがもたらす計り知れないパワーを改めてこの作品を通して実感しました。
きっかけを下さったあんこさんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

どうしようもなく好きだなぁ、BL。

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