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映画の紹介95本目 『手紙は憶えている』

こんにちは、たくやです。

今日紹介する映画は、
『手紙は憶えている』です。

この映画は、
アトム・エドヤン監督の作品で、

記憶が消えたり戻ったりする90歳の男性が、友人に書き出してもらった自分の決意の手紙を受け取り、家族を殺したナチス兵士へ復讐に向かう姿を描いた物語です。

【アトム・エドヤン監督について】

監督はカナダの映画監督で脚本家、映画プロデューサー、俳優です。

トロント大学で国際関係学を学んだ後、映画製作に興味を持つようになり、1977年に最初の短編映画『Lust of a Eunuch』を製作します。

1987年の『ファミリー・ビューイング』は翌1988年の第38回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に出品され、インターフィルム賞を受賞しました。

同年のジニー賞では作品賞など8部門にノミネートされます。

日本では長らく劇場未公開でありましたが、2004年に開催されたアトム・エゴヤン映画祭2004で上映されました。

その後製作した『Speaking Part』(1989年)や『The Adjuster』(1991年)はカンヌ国際映画祭の監督週間部門に出品され、高い評価を得ます。

1994年の『エキゾチカ』は第47回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、国際映画批評家連盟賞を受賞します。

1997年の『スウィート ヒアアフター』は第50回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞して、これらの作品はジニー賞の作品賞・監督賞も受賞しています。

2002年、自身のルーツでもあるアルメニアの歴史の中のオスマン帝国によるアルメニア人虐殺について扱った『アララトの聖母』を発表して、その内容には賛否が分かれましたが、ジニー賞では3度目の作品賞を受賞しました。

2013年の『デビルズ・ノット』は批評家に酷評されて2014年、『白い沈黙』が第67回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映されましたが、批評家からは酷評されました。

【あらすじ】

ゼヴは今年90歳で、ニューヨークの介護施設で暮らしています。

最近は認知症が進行し最愛の妻、ルースが死んだことさえ忘れてしまうようになっていました。

ある日ゼヴは友人のマックスから1通の手紙を託されます。

その手紙には2人の家族を殺したナチスの兵士に関する情報が記されており、その兵士の名はオットー・ヴァリッシュといい、現在はルディ・コランダーという偽名を使って暮らしているといいます。

コランダーと名乗る人物は、
4人にまで絞り込まれていました。

体が不自由なマックスに代わりゼヴは復讐を決意して、1通の手紙を頼りに、単身オットー・ヴァリッシュを探しに旅に出ます。

手紙の指示通りにまず鉄道でクリーブランドに向かいます。

1人目のコランダーは戦時中ナチスではありましたが、配属されたのは北アフリカでアウシュビッツには関与していませんでした。

2人目は同性愛者であることを理由にアウシュビッツに収容されており、ゼヴと同じくナチスによる被害者でした。

3人目はすでに他界しており、ゼヴは息子であるジョン・コランダーに父の友人であると嘘をつき、家に上げてもらいます。

彼の話では3人目のコランダーは開戦時はまだ10歳で、軍の調理人として働いていただけでした。

無駄足とわかりゼヴは帰ろうとしますが、腕の囚人番号からユダヤ人であることがばれてしまいます。ナチ思想に傾倒していたジョンは怒り狂い、ゼヴを罵倒してラストへ向かう物語です。

【最後に】

本映画を鑑賞して、
認知症患者を利用した復讐劇というのが斬新であり、過去の戦争の悲惨な爪痕を忘れてはいけないというメッセージであると感じました。

とてもオススメの作品です!

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