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ストキャスティクス3本の線について


ストキャスティクス3本の線に関する問題
「%Dを%Kの3日平均、スロー%Dを%Dの3日平均に設定した。スロー%Dが100になるためには、%Kが最低、何日以上100をつける必要があるか?」

前回の記事で、ストキャスの本質について書きました。

%Dとスロー%Dはどちらも%Kが基準になっていることを考えると、この問題の本質が分かるはず。

この問題は頭で考えるよりも、具体的に表などを使うと簡単に解けます。

いつもの記事では、すぐに解答を載せていますが、解説を先にします。

解説

%Kの定義は、直近の最高値と最安値の幅を1とした時に、安値を基準として何%の位置に価格があるかということ。

本来、%Dは平均するときのデータの最高値と最安値の幅の違いを考慮して計算する必要があります。

どういうことか具体例を挙げます。

2つのデータの平均を取るとき、
Aが30%、Bが90%だとすると2つの平均は60%と直感的には思いますが、AとBの全体の量が違うと話が変わります。

小学校のクラスで男子の数が
A組が20人中6人
B組が80人中72人
の場合、2組全体の男子の数の割合は何%か?

こういう状況だと平均は60%ではなく、100人中78人で78%となります。

ストキャスで置き換えるとすると、
ある日の%Kが30%、次の日の%Kが90%だとします。
%Dを%Kの2日平均に設定した時、単純に60%ではなく、例えば

ある日の最高値ー最安値の幅が20円
次の日の最高値ー最安値の幅が80円
のような状況の場合、先ほどのクラスの話と同様、

ある日 20円×30%=6円
次の日 80円×90%=72円

よって2日の平均は(6+72)÷100=0.78=78%

価格が大きく上昇するとき、最高値が更新され最高値ー最安値の幅も大きくなるので、考えうるケースです。

%Dは%Kの移動平均です。
MACDのシグナルもMACD線の移動平均です。

両者の違いは、MACDは2本のEMAの差分がMACD線なので単位が数値(円など)。だから単純にシグナルは平均してもよいことになります。

しかし、ストキャスの%Dは%Kの単位が割合なので、割合同士を単純に計算してはいけないのです。


ここまで、%Dが何なのかを長々と具体例を交えて説明してきました。

話を戻そう

問題の答えは、「3日平均の3日平均だから9日平均!」ではないのは、ここまで読めば勘付くのではないでしょうか。

スロー%Dが100をつけるためには、%Dが3日以上100をつける必要があります。

%Dが100をつけるためには、%Dが3日以上100をつける必要があります。

ということは、図で説明するとこうなります。

S%Dはスロー%Dのこと

例えば、1日目〜3日目に%Kが100をつけると3日目に%Dは100をつける。

3日目〜5日目に%Dが100をつけると、5日目にS%Dが100をつける。

(全てが100あるいは0の場合、値幅を考慮せずに平均してもよい)

解答
「%Kが最低5日以上100をつける必要がある」


この問題から分かることは、S%Dは100や0はつけにくいということ。90以上や10以下も同様。

%Kは動きが早いため、S%Dも用いて相場を判断していくとストキャスをより使えることになります。

K、D、Sとアルファベットが並んで紛らわしいですが、

「%Kが基準、%Dは移動平均、S%Dはさらに平均させたもの」ということです。

ここまでの説明だと、相場を分析するためには%KとS%Dを用いればいいという話になりますが、ツールによっては表示できない場合があります。

%K、%D、S%Dをそれぞれ独立して表示できるシステムなら問題ないですが、TradingViewやMT4などはスローイングというパラメーターがあります。

ストキャスの線の使い方の種類として、
・ファーストストキャス→%Kと%Dを使う
・スローストキャス→%DとS%Dを使う

チャートシステムのパラメーターに
[%K、%D、スローイング]とある場合、

スローイングが1の場合ファーストストキャス
スローイングが2以上ならスローストキャスです。

例えば
[26、3、1]なら

%Kの期間が26日
%Dが%Kの3日平均

%Kと%Dが表示される

26,3,1

[5、4、3]なら

%Kの期間が5日
%Dが%Kの4日平均
S%Dが%Dの3日平均

%DとS%Dが表示される

5,4,3

騙しを減らすという目的でS%Dを表示させるのはいいのですが、平均の平均で意味が分かりづらいのと%Kが基準であるため、やはりファーストストキャスを使いたいところ。

なのでチャートシステムの初期設定をそのまま使うのではなく、パラメータを調整してみましょう。

おすすめの使い方は、[26、9、1]です。

26,9,1

一目均衡表の基準線は過去26日間の高値と安値の平均なので、%Kの期間を26日に設定すると、%Kが50%は基準線の位置になります。

また、%Dを%Kの9日平均にするのは、MACDのシグナルでよく使われているのが9日移動平均なので、それに合わせてみました。

すると、かなり分析しやすいのではないでしょうか。

次回、ストキャスティクスを使ったトレード戦略を話します。


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