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「ストキャスティクスは使えない」は本当か?


ストキャスに関する問題
「一般にストキャスティクスの数値が80%以上なら買われすぎだから売りサインと言われますが、これは間違いです。なぜか説明しなさい。」

本やネットのテクニカル分析に関する解説は、定義や計算式も載せないまま、特にオシレーター系の指標に関しては、

「〇〇%以上は買われすぎだから売りサイン、〇〇%以下は売られすぎだから買いサイン」

と、それなりに指標が機能している時の相場のチャートを載せて数ページで解説が終了していることが多いです。

で、それを鵜呑みにして結局、テクニカル指標は使えない、テクニカル分析を勉強しても意味がないという感じになってしまうのです。

この記事を読んでいる読者には、きちんと定義・計算式を理解して相場で使えるところまで学習して欲しいですね。

解答
「ストキャスティクスは、現在の価格の相対的高さを数値にしたもので、安定的に80%以上で推移する場合、相場が上昇トレンド中だから」

解説

ストキャスティクスの定義は、

%K=(現在値ー最高値)÷(最高値ー最安値)
%D=%Kの3日平均
スロー%D=%Dの3日平均

定義をよく見ると分かるのは%Dもスロー%Dも基準が%Kであること。

ストキャスにおいては%Kが最も重要なので、今回は%Kにのみ絞って解説します。

以前のMACDの記事でもMACD線のみに絞って解説しました。

あるテクニカル指標においては、線や数値が複数あって分かりづらいので、基本となるものをきちんと理解してから次に進むようにしましょう。

ストキャスの定義は超簡単!

要は、直近の最高値と最安値の幅を1とした時に、安値を基準として何%の位置に価格があるかということ。

現在が最安値であれば%Kは0%、最高値であれば100%、ちょうど中間にあれば50%。

一般的にストキャスは使えないと言われる原因として、まず期間の設定が極端に短いことが挙げられます。

MT4のデフォルト設定が
%K,%D,スロー%D=5,3,3
になっています。

%Kのみの話をすると、期間が5ということは、ローソク足5本分の中で現在はどれくらいの位置かという話になります。

当然、期間が短いと、高値・安値が頻繁に変わるため分析がしにくいです。

高値・安値の更新も頻繁に起こるため、0%と100%を簡単につけることになります。

なので、ストキャスを使うのであれば、%Kのパラメーター部分、すなわち期間の設定は極端に短いのは避けましょう。

おすすめは26。

これは一目均衡表の基準線とも相性がいいです。

ドル円日足 %Kのみを表示

%Kの期間をある程度長めにとっても、80%以上は買われすぎだからと言って、売りを仕掛けていたのでは、大変なことになります。

ストキャスの定義から分かるように、一定期間の相対的な値位置を表すのだから、価格が上昇トレンド中であれば、%Kが80%以上をつけるのは当たり前。

なぜなら上昇トレンドの定義が高値を更新していくことだから。

ストキャスの基本的な正しい見方は、

50%以上で買い方有利
50%以下で売り方有利

80%以上を推移していたら安定上昇
20%以下を推移していたら安定下降


次回は、%K、%D、スロー%Dについて解説します


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