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MACDで天底が分かる!?

前回の記事でMACDの本質について話しました。

今回は、MACDで相場の天井や底が読みやすいという話をします。

前回と同様、チャートにはMACD線のみを表示し解説していきます。

赤い線は12日EMA、青い線は26日EMA

MACDの定義は
MACD=短期EMAー長期EMA
つまり、MACDは2本の移動平均線の間隔の変化を読み取る指標。

MACDが天井や底を打つとはどういう状態かというと、2本の移動平均線の間隔が最大限広がったことを意味します。

価格とMACDの天井・底に丸をつけた

MACDが天井をつける、つまり2本の移動平均線の差が大きく広がった後、価格は天井をつけて下げています。

MACDが底をつける、2本の移動平均線の差が(マイナス方向に)大きく広がった後、価格は底をつけて上げています。

MACDが上がっているところから下げだすとはどういう状態かというと、これまで価格が上昇していて、その上昇の勢いを失うと、2本の移動平均線の間隔が狭まっていきます。

つまり、価格が上昇していくとともにMACDも上がっていくが、価格が天井をつける前の段階で価格の上昇力が弱まると、MACDが先に天井をつける。

逆に、MACDが下がっているところから上げだすとはどういう状態かというと、これまで価格が下降していて、その下降の勢いを失うと、2本の移動平均線の間隔が狭まっていく。

つまり、価格が下降していくとともにMACDも下がっていくが、価格が底をつける前の段階で価格の下降力が弱まると、MACDが先に底をつける。

MACDが価格の動きに対して先行性を持つ時があります。

MACDでトレンドの強さを測ることができるのです。

RSIやストキャスティクスと同じくオシレーター系の指標として分類されることが多いですが、2つとは違い、理論上はどんな値もつけます。(RSIとストキャスは0%~100%の間)

ここで、一つ注意なのが、MACDが天井をつけたからといって必ず価格が天井になるとは限りません。あくまで上昇の勢いが弱まったということなので、再び勢いを取り戻し上昇していくことだっていくらでもあります。

底についても同様です。

MACDが時に価格に先行して天井や底をつけることが分かりました。

しかし、天井や底というのは後から振り返って分かるものです。

MACDの天底を測ろうと思ったらどうすれば良いでしょうか?

価格チャートに移動平均線をつけることで、大まかなトレンドが分かります。ではMACDのトレンドを見るにはどうしたらよいでしょうか?

MACDにも価格チャートと同様に移動平均線をつければいいのです。

これがいわゆる「シグナル」というものです。

白い線がシグナル

シグナルとわざわざ名前を変えるから分かりづらいのです。

標準は9日移動平均線です。

MACDの本来的な意味では、MACDの定義でEMAを用いているので、シグナルも9日EMAが標準となります。

しかし、MT4やFX会社のデフォルト設定では9日SMAがほとんどです。

そこまで大きな違いではないですが、理解して使うのと何も分からずに使うのでは大違いです。

使い方は価格チャートに移動平均線をつけたのと同様。

MACD線とシグナルがゴールデンクロスするということは、これからMACD線が上昇するかもしれないというサイン。

ということは、MACD線が上昇し、0ラインを上抜けると2本の移動平均線の間隔が0になり価格チャートにおける2本のEMAのゴールデンクロスが起きます。

つまり、MACD線の上昇を捉えることができると、その後の価格の上昇をいち早く捉えることができるということです。

ここでも注意なのは、MACD線とシグナルがゴールデンクロスしたからといって必ずしも価格が上昇するわけではないということ。

最後に、ヒストグラムについて。

縦棒グラフがヒストグラム

価格の天底を探るために2本の移動平均線の間隔の変化を見るのがMACD線。

ということは、MACD線とシグナル線の間隔の変化を見るとどうなるか。それがヒストグラム。

ここまで来れば、MACDの全体像が掴めたと思います。

MACDの定義

MACD線=短期EMAー長期EMA
ヒストグラム=MACD線ーシグナル
シグナルは9日移動平均線

価格変動を先読みするためにMACD線があり、MACD線を先読みするためにヒストグラムがあるのです。

TradingViewやFX会社のチャートシステムを使って見てみましょう。

MACDを分析するときは、

短期EMA
長期EMA
MACD線
シグナル
ヒストグラム

この5つの線を使って分析しましょう。

ここでも注意なのが、MT4のデフォルト設定はMACDが縦棒グラフで描かれていて、ヒストグラムは「Moving Average of Oscillator」という別の指標のように取り扱われています。

単純移動平均線の欠点を知り、EMAを理解し、売買サインの仕組みを考え、MACDの本質が分かると、チャートの見え方などが全く違ってくると思います。

巷に溢れる本やWebの解説がいかに間違っているか。これまでの記事を通して読者に伝えられたかと思います。

読んでいない方にはぜひ、過去の記事も読んで欲しいです。


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