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トークライヴ2 属性の無いパーティ

今回のトークライヴのタイトルは、『言葉の身体性』。

これは田中泰延さんの元のアイデアに、古賀史健さんがプラスしてくださり、僕が最終アレンジしたものだった。

言葉、そして身体。

どちらも、誰もが所有し、誰もが駆使する。

つまりこれは「人間」にフォーカスしたテーマであり、かつこの3人に通底するテーマであることがわかる。果てしなく拡がる水平性と、どこまでも追求できそうな垂直性を兼ね備えたタイトルだと思う。

今考えれば、これが3ピースバンドの最初の曲だった。

そしてトークライヴが盛り上がった要因のひとつ、それは「オーディエンス」だ。

 ミュージシャン来日時のツアードクターの際、僕の重要な役目のひとつに「彼らの視界の中にいる」というのがある。

 歴戦のベテランミューシャンであっても、新しいバンド編成で演奏する時や新曲を披露する時、「自信満々」に見えても、ステージに上がる前には「大丈夫かな」という心理がはたらくようだ。新人や新加入のメンバーは、もっと。でもそれは「チャレンジしているから」なのだが。

 そんな時、観客席によく知った顔があると、ライヴ会場がアウェイで無くなる。「異国のトキオ」が「アイツがいるシティ」に変わるのだ。

 しかも僕のように音楽を「耳」ではなく「身体」で聴くようなタイプは、ミュージシャンに対して身体を使ったリアクションで返すことになる。格闘技のセコンドは試合中「声」を届けるが、音に集中しているミュージシャンへのメッセージは「視覚情報」として届けることになる。

 このような経験をしてきているからだろうか、今回のオーディエンスは間違いなくベストだと感じた。

小学生の時からずっと知ってる同級生で、今、文部科学省にいる教育者の友人。

夜景おじさんなど新しいコンセプトを提示し、浸透させる達人、オケタニ教授。

コスタリカから日本に1週間だけ滞在している極真カラテの親友、マウリシオ師範。(ぜひ視界内に座ってくれ、とお願いした)

シェイクスピア演劇をライフワークとして追求する演出家の木村龍之介さん。

行動力&気遣い抜群のひろのぶと株式会社の加納穂乃香さん。拙書にモデルとしても出演してくださった編集者の廣瀬翼さん。

田中泰延さんとの新刊『書く力、の教室』がたのしみな礼節の若者、直塚 大成さん。(from 九州、各地から、の教室)

早速著作を拝読させていただいている、コピーライターの堤藤成さん。

衝撃の書『読みたいことを、書けばいい。』が世に出るキッカケをつくり、「書の意味」を問い続ける編集者・今野良介さん。

いつもツイッターXやnoteで言及して発信に言及してくださるみなさんも、年の瀬の寒い中、わざわざいらしてくれて。 

見事なまでにみなさんの属性がバラバラでありがら(笑)、「ひとつでも何か学ぼう、何かを生かそう、この場を全力で楽しもう」とオーディエンスひとりひとりのリアクションがエネルギーとなって、登壇者3人によって増幅、あるいは洗練されてトークに反映された気がする。

音楽でいえば、3ピースバンドでつくった原曲が、オーディエンスのおかげでよりカラフルに、よりポップに、よりファンキーにリアレンジされた感じかな。

 書籍に記録できるのは「動いた結果」だけど、ライヴでは「身体を使って」何かを伝えられる。これこそリアルタイムならではで、それはモーツァルトも、ブッダにも、プレスリーにもできないことで、ライフの凝縮としてのライヴは、「今、ここにいる人たちの特権」でもある。

身体が動くうちにできることをやっていきたいし、動ける身体に感謝しながら「次のパーティーまで大切に過ごそう」と思った。

怒涛のトークライヴ12/23までアーカイヴ配信中。


PS. またこの3人で集えますように。


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