狂気のポイント減算システム「ファンナレージポイント」を検証してみた

どうもー
2020-2021シーズンがはじまって10試合が過ぎました。
外国籍選手の合流が開幕に間に合わないなど、早速新シーズンの難しさが露呈されましたが、ここまでの順位は当初の大方の予想を覆すものではなさそうですね。
我らが京都ハンナリーズは2勝8敗で西地区9位。最下位ではありませんが、怪我人続出で、前節は開幕から未勝利の三遠ネオフェニックスにボコられるなど厳しい戦いが続きます。
なので今回はそのへんのことはスルーして(現実逃避)、今シーズン新たなシステムを採用したファンクラブのポイントシステム「ファンナレージポイント」について検証しようと思います(基本思い付き)。

1.ファンナレージポイントとは?

ハンナリーズのファンクラブだから、ファンナリーズ、ファンナリーズのポイント制度だからファンナレージ。それはわかる。
今までもポイント制度はありました。ファンクラブの会員になれば、会員特典として来場ポイントなどでポイントを貯められる。それが貯まれば景品と交換できる。それはわかります。
まあちょっとした「貯める」楽しみですよね。

わからないのは、ポイントが減ることもある、という仕組み。いや、使えば減りますよ。そうではなく今回ハンナリーズは、試合と勝敗(得点、失点、連勝)にポイントを関連付ける仕組みを導入しました。

それがこれ。

これが発表された当初、「え、負けたらポイント減るの?」と界隈は騒然としましたが、昔は「連勝ポイント」というのがあって、連勝が続けば来場ポイントが倍増するという制度がありました。(ポイントで交換される特典はそのままなので「ポイントインフレ」が起こります)
それと同じイメージで「負けたらポイント付けなきゃ減らないよねw」みたいな印象でいましたが、そうではなかった。
勝てば得点が加算され、負ければ失点が減算されるという仕組みは来場ポイントとは別に、会員は、全員が、例外なく、自動的に加減算されます。
「え、ホームだけですよね?」とも思われましたが、それも関係なかった。
レギュラーシーズンすべてが対象のようで、公式ホームページには細かな記載がなく、逆に記載がないということは、単に注釈するまでもなく全部がそうだということでした。

2.今シーズンのポイントを検算してみた。

この10試合、あらためて自分のポイントの加減算を検算しました。2勝8敗の成績でしたので、勝ちゲームの得点は180点、負けゲームの失点合計は720点、これが加減算されます。ちなみに勝ちゲームは「得点差ポイント」として、とことん会員には×3、もっと会員には×2という乗数がボーナスとしてあります。わたくしはもっと会員なので24ポイントがつきました(2勝はいずれも6点差をつけての勝利)。
よって
△720+180+24=△516ポイント
それに会員になったときのボーナス100ポイント、来場ポイント100×7試合、今シーズン初勝利となった大阪戦でのボーナス200ポイントの合計1000ポイントを足して、
△516+1000=+484ポイント
ここまでホーム全試合参戦してるからこそのプラスとなっていますが、ホームゲームに来れていない会員のみなさんは現時点でマイナス。
※今回検証できないのが、0からスタートした会員の方はポイントが減らされることによってマイナスポイントが生じてしまうのか?ということ。
「ポイント残高がなければ0でしょ」と思いそうなところですが公式からは何の説明もなく、貯金の反対は借金だと言わんばかりに減っているのかもしれません。(わたし今マイナスです、という方がいたら教えてください)

いやこれどうなんでしょうね?

根本的な問題としてこのポイントが何と交換できるのか?が明らかにされていないことで、100ポイントの価値、ということがまったくわからないのですが、

連勝ポイントや得点差ポイントにより、どうやら勝つことによるポイントへの加重はありますが、その恩恵がどれくらい受けられるのかは検証してみないとよくわかりません。
ということで、さらに計算してみました。

3.過去のシーズンに今回のポイント制度を適用して計算してみた。

昨シーズンは予定されていた全試合が行われることなく中断してしまったわけですが(41試合)、そこまでの成績に対して今シーズンのポイント制度をあてはめて計算してみました。
昨シーズンのハンナリーズは、開幕6連勝を飾ったものの途中13連敗もあり、ジェットコースターのようなシーズンを送ったのですが、結果は20勝21敗と惜しくも5割に届かないというところでした。
ポイントの計算結果は、得点失点ポイントで△112、得点差ポイントで+360ありました(これは×2で計算)。
接戦(逆転)で勝つ、時々大差で負ける、という昨シーズンのハンナリーズの印象の通り、5割近くの勝率でも得点失点ポイントはマイナス、ただし大阪戦(2019.10.16)、名古屋戦(20201.4)で30点差以上の勝利があり、得点差ポイントでレバレッジが効きました。
また、13連敗のあと7連勝も記録しましたので、かなり連勝ポイントも稼いで、これが+1300ポイント。合計すると1500ポイント以上になるため、このシーズンはポイントの増加を楽しめる感じだったと思います。

もう1つ前のシーズンで、60試合だったらどうか?も見てみましょう。2018-19シーズンは31勝29敗で5割以上でしたが、惜しくもプレーオフを逃したシーズン。
計算結果は、得点失点ポイントで+143、得点差ポイントで+402(同じく×2で計算)、連勝ポイントは+650でした。合計1200ポイント近くがプラスになります。6連勝が1度ありこのシーズンもそこで稼げました。

さらに前の2017-18シーズンもやってみました。
このシーズンは34勝26敗でBリーグ2年目で初めてのプレーオフ進出。これだとどうなるかというと、なんと2100ポイントがプラスになりました。来場ポイントは100なので、ホームゲームすべて行ったとしても3000ポイントが最大ですからこれは大きいですね。

4.今シーズン終了後のポイントはどうなっちゃうの?

以上、過去3シーズンで、もし現在のポイント制度があったらという検証を行ってみました。
連勝ポイントが寄与する割合は大きく、無料会員だと×1なのでインパクトは小さくなりますが、とことん会員は×3なので連勝が続けば一気に稼げます。
なかなか面白いし、楽しめるんじゃないか、と思います。

ただこれは過去3年、5割近くかそれ以上と、好成績を残してきたシーズンを元に計算した結果です。
今シーズンは現在勝率2割。(想像はしたくないですが)、このくらいの勝率でシーズンを終えたらポイントはどうなっちゃうのか?を検証します。

実際のチームで、11勝49敗(勝率0.183)だったシーズンの成績を元に検算してみました。チーム名は伏せます。

その結果は、
得点失点ポイントでなんと△3047、得点差ポイントで+266、連勝ポイントは+50のみ(3連勝が1度)でした。
合計△2731ポイントです。ホームゲームすべて行って得られるのが3000ポイントですから、普通にそれを消す勢いです。
負けが先行すると、得点差ポイントを得る機会が少なく、ましてや連勝ポイントも良くて数回だけしか発生しません。これでは積み重なる失点ポイントをカバーできません。
この制度は、勝てばどんどんポイントが上積みできる一方で、負ければそれを補うものも同時に少なくなるという特徴もあります。(たとえば、千葉とかA東京とかがこの制度を採用したとすると、上述の「ポイントインフレ」が起きてしまいます)

5.ポイント制度は愚策か、それとも…

今シーズンの京都ハンナリーズは、コロナ禍での予算削減、ヘッドコーチ交代をはじめ、大幅な選手の入れ替えがあり、最初から苦戦が予想されていました。
その上でのこのポイント制度の採用は、勝っていれば連勝ポイントなど、わくわくする要素がある一方、負けが続くと否応なく減っていくポイントを意識させられることになり、かなり辛い。
勝てないことの辛さに加えて、二重の苦しみを与えられているようです。

さらに悪手の追い打ちをかけるのが、昨シーズンが途中で終わったがために、昨シーズンのポイントを今シーズンに繰り越すことにしてしまったことです。

昨シーズンのポイントがどうなるのか、昨シーズン中にポイント特典を発表するとリリースがあったにも関わらず、有耶無耶にして、結局今シーズンに繰り越しということになったのですが、今回のポイント制度は、「繰り越されたポイントが減らされていく」という恐ろしさを上乗せしているところに狂気を感じます。

京都ハンナリーズのファンクラブは歴史的にも悪評が多いですが、今回の制度は悪い方に巧みすぎてちょっと感心するレベルです。

ハンナリーズが今後急浮上し、連勝を繰り返せれば、ファンクラブ会員はポイントを稼ぐことができて素晴らしい制度だった、となる可能性も残されていますが、シーズンが終わってみて、発表された特典と減らされたポイントを眺めてより悔しさを噛み締めるみたいな未来が待っている気がしないでもありません。

ポイントは貯めるもの、増えるものという常識を覆して、減っていくこともあるというのはある意味スリリングで面白い要素もありますが、採用するタイミング悪すぎたんちゃう?というのが正直なところです。

たとえば、貯めたポイントを使ってイベントに参加できる、投票できるとかがあれば、より面白く活用できそうです。このご時世、そういうのが合ってるのかなと思います(これも思い付きですが)

我慢のシーズンはすでに始まっています。応援を続けて、このポイントはその投資だと思えば、これが未来のスター選手に化けると思えば、何の価値があるかわからないけど減っていくポイントも有用かもしれません。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

ほんまやろな…

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