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坂井泉と河村たかしとワクチン忌避と~名古屋スタディ~

 若いころ、自分はZARDの坂井泉さんのファンでした。アルバムは全種類持っていますし、マラソンの終盤に「負けないで」が演奏されていると、ライフが全回復してタイムを1分は縮められます

 そんな坂井泉さんが2007年に、子宮頸がんの闘病中、事故で亡くなりました。泣きました。もう大泣きしました。そして日本中も、深い悲しみに包まれました。あんなに若いのに亡くなるなんて・・・

 ですが時を経て、この子宮頸がんは予防できる病気になりました。

 子宮頸がんは主に30~40歳の女性がかかる病気で、年間10000人が罹患して2800人の方がお亡くなりになっています。助かっても、治療のために子宮や卵巣を摘出して、子供を産めなくなってしまう方もいます。
 そんな子宮頸がんですが、これを予防するワクチンが2006年に発売されました。接種することで60%程度予防できるので、当初は日本でも広く接種されていました。

 ところが接種した方の一部に、副作用が否定できない症状が出てしまいました。全身の痛みや不随意運動で、とてもインパクトの大きい症状であったので、一斉にマスコミが報道しました。そしてそれを大大的に取り上げたのが、金メダルで有名な名古屋市長の河村たかしさんです。

「被害者の声に耳を傾け、大々的に調査してワクチン先進都市となる!!」

 そして朝日新聞が主となり、子宮頸がんワクチンのアンチキャンペーンを展開しました。2013年のことです。
「子宮頸がんワクチンは恐ろしいワクチンだ!!」
 世論に流されて、厚労省も接種の積極的勧奨を中止としました。

 そして7万人以上の女子を調査し、2015年にその調査結果が出ました。
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 ワクチンと副作用の関係は「なし」

 この調査研究を、名古屋スタディと言います。結果に狼狽する河村市長、そしてその結果は、名古屋市に嚙みチギられる・もみ消されるという顛末となりました(今は公表されています)。デマを拡散した新聞社は責任をとらず、残ったのはワクチンへの不信感と、ワクチンの接種率の低さです。

  反ワクチン派のモラルなんて、そんなものなんです。

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 今もひっそりと、ワクチンで回避できたはずの癌を患い、ワクチンで助けられたはずの方が亡くなっています。
 最近の文献を確認しても、子宮頸がんワクチンは(効果)>(副作用)とされていて、それでもワクチンを打たない「ワクチン忌避(きひ)」が問題視されています。WHOでもアメリカFDAでも接種が推奨されています。
 日本でもようやく細々と接種を推奨する声が上がっていますが、現在でも日本人はほとんど接種していないようです。

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 そして今、コロナワクチンが「ワクチン忌避」の問題にさらされています。以前から、いつの時代も、多くのワクチンで「ワクチン忌避」が問題になっていました。2019年にWHOは、ワクチン忌避を「世界的な健康に対する脅威」の一つとしています。

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 Wikipedia「ワクチン忌避」より
 
 河村たかしさんは、心血注いでワクチンの副作用説を立証しようとして、その結論に報告書を噛みチギったとかチギらなかったとか・・・。
 Wikipediaを見ればわかるとと思いますが、過去に人類は多くの感染症と戦いました。ペストや結核のように公衆衛生や抗生剤で打ち勝ったものもありますが、種痘やポリオのように、ワクチンを開発し、反ワクチン派と戦い、社会に何とか受け入れてもらいながら打ち勝ってきたものもあります。今はまさに、そのWikipediaに書いてある通りの事がおこっています。ワクチンを打つ打たないが個人の権利・自由なのか、打たないのが公共の福祉に反するのか、そんなこともまた過去の歴史から学ぶ事ができます。
 コロナのワクチンを打たない方、決めるのは本人の権利ですが、決める前にWikipediaを一度読んで勉強してみてください。ほんの10分くらいです。

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2021.8.26の都のモニタリング会議資料より

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