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イタリアいい店いい映画

 基本的に好きなジャンルの映画は怪獣、特撮、アクション、SF……とにかく『戦ってる映画』が多いのです。でもたまにはそうでない映画も見たくなるんです。SNSで話題に上がってなくても、自分が見たいなと思ったもの、好奇心をくすぐられるものを見ればいいじゃん、と先日テレビで紹介されて気になった『丘の上の本屋さん』を。しかも最終日、夜一回上映をぎりぎり滑り込みで。

 イタリアの小さな村にある古本屋さん、そこの老主人と、ユニークなお客たち、そして移民の少年との交流を描くお話、それだけ。舞台もお店とその周辺、そして時折周辺の山々や美しい自然が映し出されるだけ。そんな古本屋の日常が淡々と描かれる。こじんまりとしているけど、何でもそろってそうな古本屋さん。

 古本屋はアクシデントだらけである。当たり前だけど、新刊書籍はない。だから何があるのかわからない。大当たりの日もあればボウズの日もある。そんな古本との出会いが楽しみなのです。

 店主はお金のない少年に次々と名作を貸し出す。『星の王子さま』『白鯨』『イソップ童話』、読むとその感想を聞くのがルーティーンになっている。本が好き、といっても自分はその辺の名作全く読まずに育ってきたなぁ。読むといえば絵の多い本か映画の本だけ。本を読む間に映画を観てるからなぁ、そんなことを考えながら映画を観ていると、唐突に、終わりがやってきた。

 そして最後に少年に託された一冊が……あぁ、これってユネスコが制作に協力しているのか、だから移民の少年にあの本なのか、ちょっと説教っぽくなってない? 知らずに見た映画が宗教法人の作った映画だった、みたいなこと? 
 
 そんなことないか。日本人ではちょっと理解できないけど、あちらでは割と切実な問題だし、普遍的なことなのかもしれない。そう思うことにした。

 アクションもCGもない、こじんまりと、淡々とした映画でした。イタリア映画=マカロニウエスタンではないんですな。何となく音楽がモリコーネっぽく聞こえるのは気のせいか、あるいは老人と少年の物語である『ニューシネマパラダイス』を意識したのかな。

 たまには派手さのない、こんな映画も見たくなるのです。どこの国でも古本屋にはアクシデント、というかワンダーがあふれているのです。

 入場プレゼントは本屋さんらしくしおりでした。 

帰りに銭湯よって、親子丼食べて。たまにはこんな休日もいい、いや仕事明けだった。あぁ、今日も仕事だ。

 

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