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【455/1096】きみの望まなかった明日

ぼくに明日はない
そう残して消えていった
なにもない自分と称して
消えていった
きみにはなにもなかったのだろうか

明日が来るのが怖い
そうやって思うらしい
明日が続いていくことの恐怖
未来が怖かったんだろう
将来への漠然とした不安
大人と子どもの狭間で
変わっていく自分と
変わらない自分に苦しんでいた
どこへ行っても
どこへ進んでも
変わらない環境に苦しんでいた

その苦しみは死ぬこと以外で
解消することは
できなかったのだろうか
この問は
きみにはぬるいかもしれないね
わたしはぬるい
ぬるいから気づけなかった

日常のやり取り
なんの気無しに放った言葉
今思えばきみに刺さった
すごく傷つけた
わたしにはわからない
そう感じただろう

取りこぼした罪
救えなかった罪
喪った悲しみ
それらを抱えているのだから
苦しくないわけがなく
苦しみながらも
生きてゆくしかない
苦しいのは愛していたから
そこは揺るぎない
愛が伝わらなかったとは
思っていない
どうにもならないのが
愛なんだって書いてあった
努力しても尽くしたとしても
どうにもならない
思うようにならない
それが愛なんだって
そうかもね
気づくのが遅い

今日もごめんなさい
残された者の日々