開きたいけど　ひらけない
もう春が来た！　と思ったのに
まだ開いちゃいけない

あっちだ！って分かったのに
行けない

人生で初めて分かったのに
そんな気がしたのに

震えても　堪えても
隠して必死に　化粧して
気を紛らわして　忘れてみても

時期が来たのは　変わらない
生命の理　逆らえない

どうしたものか　戸惑って
疲れたからには　こうべ垂れ
ひとつ　風の香りに　耳をすませる

ずっと心に引っかかる
慰めも虚しく　気持ちは同じ

まだ春じゃないよって　言うけれど
私にはもう　立派な春

こんなに温かく　気持ちのいい日に
人生のうちに　また巡り合えるの

ツボミは忍耐　日は巡る

そんなある日の種明かし

太陽とおぼしき　それはLED

季節はまだ冬　お門違い

伝うしずくは　冷たいか

凍ったその先　燃えるまで

大地がそっと　見守って