BlindboyT

自称ロックとブルースの伝道師(evangelist)。英米日のロック、ライブ、映画の評…

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自称ロックとブルースの伝道師(evangelist)。英米日のロック、ライブ、映画の評論を執筆。2019年、自身初の著作をリリースすべく、目下奮闘中。 座右の銘は"Do it yourself" Twitter @BlindboyT

最近の記事

"夜の帳"

Marvin, he was a friend of mine And he could sing his song his heart in every line Marvin sang of the joy and pain He opened up our minds I still can hear him say マーヴィン。奴は俺の友だちで、 ...とてつもない歌うたいだった。 どの言葉にも人間に対する慈悲の気持ちが込められてた マーヴィン。彼は喜びや苦しみ

    • 2022年のロックンロール・スウィンドル

      最近自伝を出したスティーヴ・ジョーンズ視点の、セックス・ピストルズの伝記映画。 ピストルズは、初めてその音を聴いて、 ライヴ映像を観た瞬間から、未だに街中で、 小さな音で、"submittion"かなんかが流れてるだけで、いきなり空が割れて、1977年の雰囲気が半強制的に時空が歪んだみたいに入り込んできて、2022年の初秋の空気を、ひとしきり引っ掻き回して、台風より速く立ち去るとこは、マジで時を越えてる。 何度となく、ジョンライドン自身のインタビューやら自伝やらも読んでみ

      • ELVIS

        エルヴィス・プレスリーのキャリアを典型的な悪徳マネージャーのパーカー大佐目線強めで描いてみた、というのが第一印象。 最初はパーカー大佐もエルヴィスの才能の煌きに一撃で虜になるんだけど、爆発的に売れていくにつれて、段々と彼を意のままにしようとする。トム・ハンクスが、大佐のエゴを、まるで間近で観てきたかのように全身で表現していて、圧倒された。 エルヴィスも、いつまでも大佐の言いなりになっているわけではなく、1968年のカムバックスペシャルの収録時、プロデューサーとバンドと力を

        • Once Were Brothers〜THE BAND

          リーダーのロビー・ロバートソンの自伝をベースにしたザ・バンドのストーリーをまとめた映画をやっと観た。 ロビー自身のブルースやロックの第一船団のオリジネイターとの出会いの衝撃が、素晴らしい編集で描かれている。 制作に出資もしているマーティン・スコセッシがディランの同系統の自伝映画の"No direction home"の制作時に発掘した65-6年の欧米ツアー映像を惜しげもなくリストアして提供したように思えた。見たこともないディランとホークス!驚愕!の一言。 以後もウッ

          シーナの日#6@下北沢garden

          シナロケの5か月振りのライヴ、観てきた!もともと"ニューアルバム live for today"のお披露目になるはずだった6回目のシーナの日の振替公演。 フロアに入った瞬間シナロケのバンドロゴのステージバックがバッと目に入ってきて、"あ、マジでライヴ観られるんだなぁ"と気持ちが強烈に高まってくる。暗転して、いつものカウントダウンが始まると、、、 本当にコロナやパンデミックなんてどこ吹く風と言わんばかりに、今まで何度となく観たライヴのように、フラッとメンバーが出てきてプラグ

          シーナの日#6@下北沢garden

          They shouted,"Live for Today".

          シーナ&ザ・ロケッツの"Live for Today"、何度となく聴いてる。鮎川さんもシーナも、自作そのものについて深く語るインタビューは、以前は数少なかった。そして、これを訊いてほしい、という、聴き手の気持ちを汲んでくれるインタビュアーも多いわけじゃなかったから歯痒い想いをした事があった。 以前、ロバートジョンソンの音源が初めて公式に発売された時、キース・リチャーズやロバート・プラント、ライ・クーダー達が、インタビューで自作を語る時よりも遥かに饒舌でオープンに、彼らの中の

          They shouted,"Live for Today".

          Heatwave "HW40th"

          昨夜は底冷えのする冷たい雨の中、初めて行く日本橋三井ホールでヒートウェイヴ の40th アニヴァーサリーツアー最終公演。アルバムBlinkの先行発売もあった。 ハコは本当に日本橋の鉄人(古っ)陳建一さんの店の上のフロアにあって、いきなり驚いた。ホールとはいいながら、ビルボード東京みたいな雰囲気。当日券で滑りこんだものの、なんと席は椅子席で自由席。速攻でベストの場所を押さえて開演前に抜かりなくニューアルバムも入手。 恒例のSEが鳴り響く中、メンバーがワラワラと登場!先週、タ

          Heatwave "HW40th"

          真剣に対峙が必要なことに"怖い"って逃げを打つようなバカにはなりたくない

          ブルーハーツや清志郎やタイマーズがプロテストソングをやると「怖い」「変だ」とか言う奴が、昔からライブ会場にすら居たけど、自分が考えて、シビアに対峙することが必要な事を、はなから、うっちゃらかして見てみない振りをする悪癖を周囲の誰からも指摘されずに歳だけとってしまった連中が、本当に居るんだなってことを、最近実感することがあった。 自分さえ生き残れば何でもいい、その他大勢が被災しようとどうなろうと、SNSやら電話やらをほとぼりが醒めるまでガン無視してれば、ゲームを再起動するみた

          真剣に対峙が必要なことに"怖い"って逃げを打つようなバカにはなりたくない

          「2019年のサン・シティ」

          "俺は、サンシティじゃ、金輪際演奏しない" 1985年、とある秋の夜長、眠い目をこすりながらMTVを観ていたら、何の前触れもなく"サン・シティ"って曲のミュージック・ビデオが初公開された。 https://youtu.be/bY3w9gLjEV4 撮影場所はニューヨークのダウンタウン。冒頭から、Run.D.M.C、アフリカ・バンバータ、、当時まだ聴いたことも観たこともなかった、初めて知る、厳つい強面なルックスのミュージシャン達が、アジテーションを、即興みたいに、ワンフレ

          「2019年のサン・シティ」

          "No Nukes"muse コンサート(1979)

          奇しくも、この79年の反核コンサートが開催されて40年が経った夜、原発事故があったスリーマイル島の原発が廃炉になり、これから60年かけて後処理をするというニュースを訊いた。 http://twitter.com/asahi/status/1175214068451266560 最初は、チャリティコンサートの目的は、二の次、三の次で、ひたすら好きなバンドの出演場面ばかり、繰り返し観ていたんだけど、まさかその後、チェルノブイリや福島で、事故が起こり、事態が遠くの国の絵空事でな

          "No Nukes"muse コンサート(1979)

          beat goes on

          中学の時に佐野元春が責任編集した"this"という雑誌の"ビート"特集を読んだ時に、そこで、初めて彼=室矢憲治さんが書いた、幾つかのコラムを読み、そこから、ブルース・スプリングスティーン、ディラン、ルー・リード、ジム・キャロル、ビートニクス作家の始祖、ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、バロウズ 、and so on,and so on...をマジに学校の授業の257倍の濃密さで吸い込んだ。その結果、今に至っている。 昨夜は、自分にとっての最高のロックメンターの1人

          beat goes on

          40年越しで完結した、レナルド アンド クララ〜ローリングサンダーレビューmovie 1975を観た

          一番、生で体験したかったディランが、見事に、記録された2時間22分!最初は、81年のミックジャガーのステージ衣装に勝るとも劣らない、何かの罰ゲーム的な、寝てる間にスタッフにペイントされたとしか思えない白塗りのディランなんだけど、コンサートが進むにつれて、バンドのマジックというか、その場でディランが発している気のようなものが、尋常でないテンションだったのが伝わってきた。後半には、メイクが少しずつ取れて、色々な意味で、ディランの素顔が見えてくる展開になっているところが、その希少性

          40年越しで完結した、レナルド アンド クララ〜ローリングサンダーレビューmovie 1975を観た

          "Session"

          一見すると、3曲のコンサートのドラムソロからの素晴らしいエンディング!! お、良さそうだなと期待しながら本編を最初から観ていくと、、、名門音楽院に念願叶って入学した1年生ドラマーのアンドリューは、鬼のように厳しい指導をする教授のフレッチャーの厳格な指導についていけず退学する。しかし、その原因になったコンサートからわずか半年足らずで、街中で偶然フレッチャーがピアノでゲスト出演しているライヴを観に行く。終演後、その張本人のフレッチャーが指揮するプロのバンドのバックで2曲だけ叩けと

          さまざまな別れを綴った"it's only rock'n roll"

          ローリング・ストーンズにグッと深く入りこむ波が、定期的にやってくる。 昔、聴いていても あまりピンとこなかったような曲や、ブルーズやR&Bを理解できるだけの 音楽的素養が自分の中に無い頃に、聴き流してしまったような曲達。 最近よく聴くアルバムは、 "It's only Rock'n roll"。 一聴すると、"It's only Rock'n Roll"やら、 "If You Can't Rock Me"みたいな、いかにもストーンズ的な曲に埋もれがちだが、それぞれの作品の

          さまざまな別れを綴った"it's only rock'n roll"

          ジョンスペンサー@恵比寿リキッドルーム

          ジョンスペ凄かった。。。"ギャアアアアアア"ア"ア"って、ジョンの断末魔のスクリーミングも目撃できたし、めちゃくちゃ几帳面に創り込んだのが分かる2019年型のロッキンブルースだった!しっぶいJSBXやプッシーガロアの曲も演ってくれたし、居合わせられて良かった! なんか、Jガイルズバンドを思い出した。 もし2019年に彼らが2、30代ぐらいで アルバムを出してライブ活動をしてたら、 こんな音とパフォーマンスになってたんじゃないかな? エルヴィス直系のロカビリーも、ロッキンブ

          ジョンスペンサー@恵比寿リキッドルーム

          "URASUJI"20th anniversary@新宿ロフト

          ロフトに21時40分ごろ入ったら、jigheadが、ちょっと指が触れたらスパッと血が吹き出しそうな、カミソリみたいな演奏してて!フロアに 立ちんぼで数曲聴いてから、バースペースで、カレーとフランクフルトとギネスをキメてから、再度フロアへ!プライマルズのrocksと バズコックスの一番大好きな曲をDJがブッ込んできて、もう、いつぶりだなぁとか何とか、脳内の甘ったるいノスタルジーの箇所に のっけから一撃を喰らわされた気がした。 そう、友たちから目撃談を延々と聞かされていながらも

          "URASUJI"20th anniversary@新宿ロフト